私の事務仕事スタイル80%はネットを使ったものだ。
記事を書いている今でさえスマートフォンのキーボードの文字をを黙々と変換しながらだ。
人間は豊かと便利さをひたすら追求し今のような社会を築いて来た。移動に関しても各段のスピードアップを獲得し全国を回らせて戴いている私などはその恩恵に非常に助けられている身分だ。
便利さと豊かさは比例するようにマーケティングの世界では昔から言われている。確かに今の状態から30年前で生活してみたら、かなり不便な生活になるだろう。
が待てよ、不便という言葉があるから便利と言う言葉があるのではないか?
不便を当たり前と思えば、便利になるわけだ。
先日、お店で見かけた懐かしのアラジン石油ストーブ。
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最近、「不便回帰」ってのが流行りらしくてレトロカッコいい暖房器具らしい。
流行りの原点は、東日本大震災後だそうだ。
送電が止まり全ての電気電源製品が使用不能になったあの寒い時、倉庫やガレージの片隅で野晒しになっていた何千何万の石油ストーブ達が再び暖を運んでくれたエピソードから。
私も一週間、宮城県登米市(南三陸町より陸側)でボロボロの石油ストーブに本当に助けられました。
このアラジン石油ストーブ。実は非常に手間の掛かるストーブで、シーズン前は燃焼芯綿を換えないといけないし、燃料切れで空焚きすると真っ黒なススが部屋中フワフワするわでまぁ手入れは今考えれば大変に「不便」なるはずだ。
でも「暖を取る」目的で考えれば、ひと昔なら晩秋から薪を用意する必要もないし、豆炭燃やして部屋を暖める労力からすると格段と「便利」。
時代は移ろい、今やボタン1つのセントラルヒーティング(自動制御)だ。石油ストーブをメインの暖房器具として使う家庭は貧乏とまで言われている時代だ。
いやいやそれは違う、石油ストーブは煮炊きが出来たりお湯を沸かす事が出来る。餅も焼ける現代版囲炉裏なんだ。
日本人が考え出した究極の暖房器具なんだよね。
ふと思い出した。
貧しい人と貧乏人は違う。
貧しい人とは貝を皆で分けながら助け合う慎ましやかな生活をしている人の事。
貧乏人とはその精神が欠乏している欲望ばかりを追い求めている人。
昔、亡くなった祖母や母に教わった心得だ。
嗚呼、常に肝に銘じとくべきだった。。この頃、特に思う。
経済学者の言う、豊さと便利は比例しない。
根本が違うからだ。
ストーブで焼いた餅が食べたくなってきた。。
paikaji