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東京物語の名古屋のしっとり

2025-03-10 07:13:00 | 映画


この映画で名古屋弁のポジションすら決まった気がします。


笠さん東山さん演じられる老夫婦の、端々に「田舎のイントネーション」を薫わせるのに、関西弁でも東北訛りでもない地方の言葉の「うっすらとして、そして抜けきらずも、抜けきるつもりも」ないトーンが名古屋弁という采配。


滲む空気たちはゆったりや辛辣含みと、端々に覗く本音であたり線をとりつつ、「互いにほんのりとまでしか渡しきりもしない」遠慮と配慮。


腹の底にぐっと気を込めて「標準語」然としても、どのみち名古屋訛りの標準語。

このどうしようともしない間合いの良さは、白黒映画とも小津タッチともつかぬ、かの時代性の一過と済ますには惜しい風情と思いませんか?


「人間」って「人」と「人」の「間」の存在ですから。


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