三菱自動車が軽自動車の燃費試験でまた不正をしたそうです。
“また”というのは2000年と2004年の2度に渡るリコール隠しに次いで
今回が3度目だからです。
【三菱自に関する今日のニュース見出し】
燃費データ不正操作…軽4車種62万台
燃費偽装…90年代から違反測定
「リコール隠し」の教訓生かせず
低燃費競争の激化、「軽」出遅れ焦りか
ただ前の2回と異なるのは新車購入に直接関わるデータの偽装なのですから
素人的には中古車における「走行距離の改ざん」と同等程度の詐欺行為に思え
その不正で得られる利益は新車ゆえに、また日産をも巻き込むために
比べ物にならないほど大きいはずです。
このリコール隠し後の経営危機はグループ企業のうち
三菱重工業、三菱商事、三菱東京UFJ銀行(当時、東京三菱銀行)の主力3社が
中心となって多額の増資を引き受けその支援によりほぼ3年前に累積損失を解消し
ここ数年の業績回復で財務体質も改善していたそうですので、つまりは
SUVと電動車両を軸とした成長戦略に踏み出そうとしていた矢先の不祥事とのことです。
もっともこの自動車メーカー、かのデボネアが巨大グループ各社の役員用社有車だったように
膨大な人数のグループ社員用を作るためだけに存在している向きが多分にあり
パジェロやデリカで築いた栄光はどこへやら、今では“一般顧客向け”はほとんど
日産の軽自動車の受託下請け工場に成り下がっていたように見えます。
ところでこの「リコール隠し」とは、まず1977年(昭和52年)から23年間に渡って
乗用車約45万台とトラック約5万台に関する部品の不具合のクレーム情報を
外部に公表せず社内で隠ぺいしたため、部品の交換が間に合わず
実際に人身事故が発生した事件です。
このリコール隠ぺいによってユーザーの信頼を失い、販売台数は大きく落ち込んだのですが
さらに2002年、三菱ふそうの大型トラックのタイヤが脱落する事故が発生し
その事故をきっかけに大型車の構造上の欠陥やそれに係るリコール隠しの疑いが
取りざたされるようになり、三菱自動車と三菱ふそう経営陣の一部が起訴され
結果、刑事責任が確定したはずです。
この事件は現国土交通省への匿名の内部告発によっ発覚したとされ
それを題材にした映画「空飛ぶタイヤ(予告編・You Tube)」はとても面白かったです。
一方、内密で直接ユーザーに連絡して不具合のある部品を回収したり修理する
いわゆる“闇リコール”も行われていて、私自身、まさにその一翼を担わされましたので
改めて当時を振り返り三菱の隠匿体質の一端を暴くことにします。
(続く)