茫庵

万書きつらね

2012年02月11日 - 五詩脚日本語ソネット練習 - 彩雲洞日記 第二回

2012年02月11日 03時27分08秒 | ソネット

日本語五詩脚ソネット練習 - 彩雲洞日記 2

 完成度はともかくとして、まがりなりにも詩脚を意識した作りが可能になったので、今までの10音12音改め5詩脚ソネット練習に今後は切り替えます。ただし、各詩脚の音数は、流動的に変えます。とりあえず今回は、使い慣れた五四三五四を中心にして、脚韻はリルケ「オルフェウスへのソネット」に習ってabba cddc efg efg と、やや変則型にしました。


第二回

 北宋の大儒、邵雍が打ち立てた数理に於ては、文明の寿命、およそ1万と800年といいます。これは会(ふぃ)と いふ単位で、はじめを子(つ)とし、丑寅卯(ちょう、いん、まぉ)と、亥(はい)まで一巡すれば、12万と9600年。12会を元(ゆぇん)と称し、宇宙 の寿命と為します。然し嘆くなかれ。人の歴史たるや、未だ、子元(つ・ゆぇん)の丑会(ちょう・ふぃ)にすぎませぬ。精霊界の歴史でさえ元を一巡せし程 度。大宇宙の営みから見れば、どちらもほんの刹那微細の出来事ということ。 長い長い時間、広い広い宇宙。ふたつの種族の営みが交わることなど、およそあ り得ない位の珍事であったに違いありません。
 詩であらわせば、、


栄光と挫折の歴史 誰がために重ねる
宇宙(そら)駆ける船を繰り出し 果敢に前進
果てなきは欲望の闇 さ迷うは人心
魂の渇きを癒やす 潤いを求むる

輝ける栄光の陰 散らされる命と
流される涙の向こう たどり着く世界に
復讐の連鎖は巡り 混沌の彼方に
魂の迷い路つづく 来たるべき時へと

人々を誘(いざな)う業魔 ささやきと夢想は
幸せの仮面を被って 華やかに近寄り
大胆に宝を奪い 颯爽と消え去る

人々を追いやる狂気 ざわめきと欺惑は
栄光の装いをまとって 厳かに膝折り
真実の心を盗み ひそやかに立ち去る

 といったところ。

 改めて歴史を見るまでもなく、いつの時代でも、浅ましきは人の心。罠は巧妙に仕掛けられ、人はなすすべもなく堕ちてゆくのです。げに悪戯好きは運命の女神。人々を幸せから遠ざける原因はなかなかなくなりません。

 

 



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