おだにゃら記

地元小田原市中心のフィールドワーク備忘録。
歴史、神社仏閣、あとはいろいろ。


溶岩塚に建つ 割狐塚稲荷神社 

2023年09月20日 15時03分00秒 | 神社
長泉町に溶岩塚の上に建つ神社があります。

割狐塚稲荷神社
わりこづか と読みます。


木々で覆われたこの小山が溶岩塚。
この中に社があります。



およそ1万年前、富士山の噴火による溶岩が黄瀬川沿いに40キロメートルも流れ三島に達しました。
その溶岩は三島溶岩と呼ばれ、独特の地形を形成し富士山からの様々な恩恵を与えてくれる結果となってます。

溶岩塚とは溶岩の表面が冷えて固まる時、まだ熱い内部が噴き出て膨らんで割れてカルメ焼き状態で小さな丘になったもの。
以前は三島近辺にたくさんありましたが残ってるものは少ないそうです。



こんな感じで溶岩塚に神社を建てたわけです。


溶岩のある神社は見たことあるけど
(最近だと御殿場市保土沢の浅間神社)
まるごと溶岩の上にある神社というのは初めて。全国でも稀有だと思います。









溶岩塚の割れ目が参道になってて、全部で3ヶ所だったかな、こうして鳥居がずらっと並んでます。

溶岩と鳥居のコントラストが美しいです。



階段も溶岩


神社の名前の由来である「割狐塚」
老狐が割れ目に棲みついていたとの伝説。

今は神社の周りは普通の市街地ですが、昔は溶岩だらけの何もない寂しい場所だったのでしょう。







どこかのテーマパークにありそうな岩山を歩いてるよう。楽しい。
でもこれは本物の溶岩。






可愛らしい狛犬。
親戚のおばさんが飼っていたテリアにそっくり。







社殿の前に立つと自動で扉が開いて音楽まで流れるんです。

びっくりして変な声出ちゃった。



創立年代は不詳、寛永元年(1624)にこの溶岩塚の上に遷座した、
ということですね。
私も少し調べたのですが、一説の出所が不明でこれ以上のことは今はわかりません。
何かわかったら追記したいです。

なぜわざわざ溶岩塚の上に社を建てたのか、富士山の溶岩を神聖視するなら浅間神も祀るべきでは?
珍しい立地ゆえに素朴な疑問が湧いてきます。



夏の終わりにはこんなイベントが開かれてるそうで、
近隣でとても親しまれてる感が伝わってきます。

私が参拝してる間も
5〜6人の男の子たちが隣の公園と溶岩塚を
それはそれは縦横無尽に走り回ってて実に賑やか。

写真撮ってると
「あ、ごめんなさい!」って止まってくれて可愛いの。
こちらこそ邪魔しちゃってごめんなさい。

こんな微笑ましい情景、神様も喜んでいらっしゃることでしょう。




縄状溶岩の様子


石垣ももちろん溶岩



道路を挟んですぐ向かいにある長霊神社


戦没者を慰霊する神社です


こちらの境内にも溶岩があって
溶岩の上に忠魂碑が建てられてます。


日清、日露戦争後に全国に配られた砲弾が綺麗に残されてます。
砲弾マニアさん知ってるかな?



石灯籠に覆いがされてますが何かあったのでしょうか?
倒れやすいのかな?


割狐塚稲荷神社と長霊神社のおかげで市街地にも関わらず貴重な溶岩塚が見れるのはありがたいことですね。