おだにゃら記

地元小田原市中心のフィールドワーク備忘録。
歴史、神社仏閣、あとはいろいろ。


甲斐善光寺と武田神社と天下一品

2024年12月26日 21時30分00秒 | 
今年も残りわずか。
いつの頃からでしょうか。年の瀬も始めも無感動に過ごすようになったのは。


昨日、たまたま甲府に行きました。
たまたまと言ってしまうには遠距離ですが。




甲斐善光寺

信州の善光寺は30年くらい前に行ったことあるのですがこちらは初めてです。




甲州の丸石道祖神
見れるかなと期待してたらいきなり。





透明度高めの池
この季節はさすがに緑がさみしいですね






おるね


本堂の中には猫ベッドもありました
善光寺の愛されニャンコ


本堂の見学には拝観料500円が必要です。
(堂内撮影禁止なので画像はこちらから)


日本一の鳴き龍
思ったよりビリビリ!楽しい!



お戒壇巡り

暗闇を歩き阿弥陀如来と縁を結ぶというもの。

想像以上に暗い!なんにも見えません。

再生の意味もあるそうで
新年に向けてスッキリとした気分になれました。

拝観料で宝物館にも入れました。



境内の石仏が趣深かった


ニコニコ如意輪さま


信玄公のようです


かわいい道祖神
ゆるい青面金剛


お地蔵さまと仲間たち


加藤光泰の墓

甲斐を与えられ甲府城の築城を始めた方です。秀吉の朝鮮出兵に従い現地で亡くなりました。



山門近くのお咳婆さんの石

むかし柳田國男先生に学びました。
咳を止めてくれる婆さんのこと。




ここからの富士山はこんな感じなんですね



つづいて武田神社へ





武田神社は武田氏の館跡ということもあり、
城巡りしていた頃からかなりの回数訪れてます。









最近の花手水はプロのお花屋さんが作ってるのですね。
知らなかったです。



西曲輪の遺構







北側の曲輪はずっと発掘中なのかな



稲荷曲輪





帰りに天下一品でこってりを食べました。
甲府に来ると必ず寄ります。
(写真撮れなかったので公式から)

天下一品大好きなんですけど
神奈川県内の店舗はだいぶ減ってしまいましたよね…

また小田原にできないかしら。



秦野市 大用寺のサルスベリ

2024年08月20日 12時14分00秒 | 
先週の金曜日、
台風通過後の雨が残る中、秦野大用寺のサルスベリを見に行きました。

真夏の太陽に強いというサルスベリ。
近年は猛暑のせいか庭木や街路樹に一気に増えたような気がします。


大用寺は秦野市曽谷、イオン秦野のすぐそばにあります。



立派な鐘楼門に目を惹かれます。
松もいいですね。







思ったより大木。
こんな大きなサルスベリ見たの初めて。


やはり台風の影響かだいぶ散ってしまってます。
うーん、なぜわざわざ台風の日に来てしまったのか。

見頃はどうなんでしょう。少し遅かったか。
ネットの情報だと時期はバッチリなのですが。

サルスベリは百日紅と書くほど花期が長いので
これからまた咲き誇るのかもしれません。











散った花びらが地面を染めていて
境内がピンクの空気に包まれてるポワポワ感。

ぽわーっ



そういえば今月発生した神奈川県西部の地震の震源地は秦野市でしたね。
小田原市も震度4で慄きましたが、秦野の皆さんの恐怖は相当なものだったと思います。

備えはしても実際の大地震の前では何をどうしたやら…ですが
とりあえずは気持ちは引き締め続けるしかないようです。


最明寺史跡公園 まだ咲いてないけど隠れた桜名所

2024年03月26日 01時26分00秒 | 

松田町松田庶子にある最明寺史跡公園は

鎌倉時代にあった西明寺(昔はこの字だった)の跡地です。


石碑やわずかに石像仏がある程度で寺の遺構らしきものはないので今まであまり心惹かれてなかったのですが

最近ネットの動画で桜の隠れた名所だと知り

行ってみたい気持ちが沸々と。

 


 
でもかなりの山奥。
松田山山頂のチェックメイトカントリークラブのさらに先です。
 
おまけにGoogleのクチコミでは公園までの道路はすれ違いできないほど狭いとか。

登山する方達にはちょうど良い休憩地点なのでしょうけど、車で行くのはちと大変そう。
 
それでも気持ちは沸々してますので、本格桜シーズン前なら人も少ないだろうと、
下界で春めき桜を満喫した後に登ってみました松田の山。
 
 

公園入り口
この先に5台ほどの駐車スペースあり。


チェックメイトカントリーまでは普通の山道でしたが
山頂過ぎて公園までの残り500メートルほどがクチコミ通りかなりの狭さ。

山道の運転大好きな夫でも(私は滅多に運転しません・・)
対向車が来ないことを祈るしかないと焦りながらなんとか到着。


池を中心としたこじんまりとした公園です



情報が古すぎる案内板 笑
 
 

松田町公式に掲載されてるこのマップが現在の姿
 
 

ヤマビルに名前がついとるー

山野ヒルくんですよろしく



寄の方では令和4年にもクマ情報出てますし、
松田山北には普通にクマいます。
気をつけましょう。


管理事務所に貼られていた写真

4月上旬にはこのようになるんですね。
素敵です。












この時見られたのは散りかけの河津桜と早咲きの白い桜(?)くらい。

下山中の登山者が数組通っただけで人はおらず。
しんと沁み渡る静けさです。






階段の上の護摩堂跡

この盛り上がりに石積みが残されてるらしいのですが気づきませんでした。





護摩堂跡の石碑と石造物

不動明王や聖観音ですが年代はわかりません



最明寺の開山源延はこの由来碑では加藤実長となってますが、実長という人物は加藤家系図には見られないので加藤景長の誤りだとされています。
そして源延は景長本人ではなくその叔父です。

加藤氏は源頼朝挙兵に初期から参加しており、源延の兄である景廉が山木兼隆を討ち取るなど大きく貢献して鎌倉幕府の重臣となってます。


執権北条氏の保護を受け栄えた西明寺でしたが、
鎌倉幕府滅亡後は関東争乱の中で荒廃。
1469年(文明元)に大井町金子に引っ越して最明寺と字を変更して再興されます。


やはりこんな山奥より平地のほうが何かと楽ですよね…






ピクニックできる広場



公園入り口すぐにある
からさわ古窯跡群の のぼり窯

なんと奈良時代の窯です。



昭和40〜50年代に東名高速道路拡張工事で発見され道路のため壊されることになったので、
のぼり窯一基だけ最明寺史跡公園に移築されました。



実際の窯の場所は東名高速沿いで
ここで焼かれた瓦が酒匂川を舟で下り千代廃寺に使われました。



のぼり窯と一緒に横穴墓も発見されていて、
瓦職人集団との関連性が窺えます。
このあたりに瓦職人が大勢住んでいたんですね。



移築とはいえ奈良時代のこんなに状態のよい窯跡を見たのは初めてだと思います。

なかなかの驚き。









なお、
4月に入ったら桜を見にもう一度行きたいのですが
夫があの道はもう走りたくないと言ってるので

たぶん行けません。



参考文献
「伊豆山源延とその浄土教」三田全信
「相模国分寺の研究」國平健三


天狗の台所ロケ地と唯念寺

2023年11月28日 23時23分00秒 | 
現在BS-TBS木曜ドラマ23で放送中の「天狗の台所」
天狗の末裔である兄弟の長閑な田舎暮らしを描くドラマです。

私は民放はほとんど観ないのですが(サブスクとNHKとYouTubeだけなんですよぉ)
天狗の台所は原作マンガが可愛らしく(読んでないけど)黄昏系で癒されそうだし
なによりロケ地が小山町なので毎週観てます。(U-NEXTで)


ロケ地となってるのは小山町上野。

兄弟の家以外は余計な建造物はほとんど映らないので本当に何もない山村で暮らしてるように感じます。

草原や小川が夢のように美しくて
上手く撮影するものだと毎週感心しきりです。



浅間神社前の道路

弟のオンくんがスーツケース引いて歩いたのはこの1つ向こうの道です。



ドラマでは一面青田でしたが今の季節は寂しいですね



浅間神社






夕方近かったので西日がものすごいことに


今のところドラマ内で浅間神社でシーンはないと思うのですが
見かけたことあるような場所がたくさん。

ドラマで兄弟が住む古民家は神社からすぐ近くにある山口邸が使われています。
普段は住んでる方がいらっしゃるので眺めるだけで撮影は控えました。




唯念寺

ドラマには出てきませんが上野まで行ったので寄りました。

駿河や相模地方に念仏講を広め多くの名号塔が遺されてる唯念上人の寺です。


唯念の名号塔とはなんぞやと申しますと
これは小山町竹之下、足柄古道栗木沢にある唯念名号塔。
高さ3.8メートルあり唯念名号塔では最大のものです。

この独特な書体の名号塔、神奈川西部から静岡東部にたくさんあります。見かけたことがある方も多いのではないでしょうか。



唯念の本来の修行場はここから2キロほど山奥にあり、
地域の協力で奥乃沢善光庵というお堂が建てられてます。

唯念没後、関東大震災でお堂は壊滅し
昭和になって現在のこの場所に唯念寺として再建されました。



(勝間田二郎著「続御殿場・小山の伝説」より)

奥乃沢には開山堂が再建され百体ほどの石仏と唯念の墓が掘り出されて祀られてますが、車は通れないので山道を歩かねばなりません。40分くらいですって。

私は膝痛持ちですし(最近は都合よく使う言い訳)
熊や猪が怖いので絶対に行けません。
実際に行かれた方の写真など見て満足しています。









お堂とわずかな石仏と庫裡だけというシンプルな境内。

唯念らしい清廉さを感じました。






寄神社と福昌院 

2023年08月08日 22時08分00秒 | 
松田町寄に行ってました。

寄はたまにドライブしてますが
寄神社には2年ぶりの参拝となります。




相変わらず見事な大杉










石段を登り切ったところに


物置と社務所を兼ねたような門が




長屋門みたいなものだと思えばいいのかな。

ちょっと道具を置いたり座って休憩したりお茶したり
なかなか便利なのかもしれません。



平成に台風で倒木してしまった大銀杏は元気に復活中のようです。




かつてはここには弥勒寺があり村の名は弥勒寺村といいました。
明治時代に近隣7村が合併して寄村に。
弥勒寺は神仏分離により弥勒神社、さらに寄神社と変わりましたが現在でも弥勒寺という字は残っています。






源頼朝が政子の安産祈願のため神馬を奉納した27の寺社に弥勒寺も入ってるのですが
こんな山深い地の寺がよくぞ選ばれたものだと不思議に思ってしまいます。



寄神社から北へ3キロほどのやどりき橋。
現在一般車両が入れるのはここまで。

キャンプやドッグランや蝋梅や蛍や、
いろんなことで知名度が上がってる寄ですが
深い山間にあることは大昔から変わりなく。

私は寄に来ると雄大すぎる自然にいつも息が詰まりそうになります。良い意味で。


この先にハイキングコースがあるのでいつか行ってみたいです。




弥勒寺集落に戻ります。
以前からずっと気になってたこの参道をやっと歩けました。
曹洞宗の福昌院です。



福昌院の参道入り口には
ゆっくり散策なさってください
と書かれた札がありました。

寺は神社ほど気軽に立ち入れないので
こういう気遣いはとてもありがたいです。



苔の石段
うっとり

苔が傷つきそうなので、登らずに右手の車道を通りました。



本堂側から見た山門


門の中にベンチ。
雨が降っても大丈夫ね。

寄神社の門といい、弥勒寺村では門の中で休憩するのがポピュラーなのかも。



本堂

少林山。強くなれそうな山号。




大きな聖観音像





奥に秋葉神社



タマアジサイ

境内にはアジサイや蓮の鉢が多く
タイミング悪く花はあまり見れなかったのですが
丹念に育てられてる花達と寄の自然満ち満ちの木々が心地よかったです。


すごく変わった鳴き声の鳥にずっと怒られてたような気がするんだけどなんて名前の子かな?




帰りは墓地側の階段から。
こちらの階段も美しい。