弊社では毎年5月に上半期で制作した作品の
お披露目の機会が集中する。
出来上がった作品たちを見ると、
今年は昨年に比べてうまく仕事が回っているのがわかる。
しかし、うまくいっている時こそ気をつけなければならない。
弊社は制作会社だ。
企業としては段取りよく仕事を回さなければならないが、
それでは順序が逆だ。
まず、制作物が顧客の言ったままで収まっているのでは、
我々の存在価値はない。
顧客の思いを越えた物を制作してこそ存在価値がある。
私は顧客の思いのままは「商品」と呼び、
思いを越えたもの(越えるよう努力したもの)を
「作品」と呼んでいる。
顧客の不満はほんの小さな欲望から膨らんでいく。
欲望は作り手の知恵と工夫が加えられた「作品」でしか
満たされない。
最近は技術的・知識的には優れるが、
人間関係が苦手という若者が増えている。
メール文化が拍車をかけている。
制作会社に限らず、モノ作りをする会社は、
顧客とのコミュニケーションに
注力しなければならない。
まず徹底的に顧客と話す。
思いをあらゆる角度から聞き出し、
潜在的な思いまでも顕在化する。
次はスタッフと徹底的に話す。
効率を優先するとここを疎かにしてしまいがちだ。
スタッフに手順を説明するのではなく、
顧客の思いを伝え、己も含めたスタッフが
顧客の思いにどの様に応えるか。
スタッフからは具体的な案・能力を引き出すことが大切だ。
そのためにはスタッフと話すこと。
確かに顧客と一番会話しているのは己だし、
それゆえ見えている具体的な形や
行程・手順でスタッフに伝える方が楽だ。
しかし優秀なスタッフほど、
そういう監督やプロデューサーに失望する。
彼らの生き甲斐は、
監督やプロデューサーを越えてみせること。
それゆえ具体的な形を提示して、
スケジュールを決めてしまう進め方には辟易としている。
思いを一生懸命伝えても、
スタッフから具体的な案が出ないようなら、
己の理解が低いということだ。
本来はスタッフと会話することで、
顧客の思いに対して何をすべきかが見えてくるはず。
これを面倒くさがるとスタッフとの信頼関係は育たない。
ギャラを払えば何とかなると思っている
プロデューサーも多いが、いい作品を作るにはスタッフと
いかに会話できるかがポイントとなる。
こうした仕事への姿勢をスタッフに示すことで、
より強い信頼関係が育まれ、段取りよく仕事は進むし、
結果的に予算内に収まる。
また予算アップをスポンサーが認めてくれたり、
次の仕事をいただけることになる。
スタッフの多くは笑顔の下に
失望を隠して仕事をしている。
そういう状況で制作しても「商品」を製造しているだけで
「作品」にはなっていない。
「作品」という呼び名は、作り手が描く幻想ではない。
我々は「作品」を作らねばならないのだ。
仕事を段取りよく進めるのが先ではなく、
しっかり会話してスポンサーの思い以上の物を
作ることが先になくてはならない。
固定客ほど笑顔では接しているものの
「もっと味のある仕事をしたい」貪欲に思っている。
うまく仕事が回っている時こそ
「もっといい仕事をしなければ」と己を戒め、
そのためには固定客に対して
次にどんな提案をすればよいのかを考えねばならない。
その一方で新たな顧客から新たな仕事ネタを拾い集める。
これは両輪でなければならない。
だが仕事が回っている時ほど、固定客との仕事が多く、
その売上高に満足してしまうのは致し方ないが、
うまく回っている時こそ
次の提案をすることを忘れてはならない。
終わったのではなく始まったと考えることだ。
仮に顧客が、今回の作品に大満足であっても、
その大満足の下に不満(欲求)が必ず隠れている。
この不満(欲求)を会話で顕在化すれば、
仕事はさらに続いていく。
「いい作品を作りたい」
これこそが作り手のマインドには必要不可欠。
うまく回っている時こそ、己に問いかけねばならない。
「自分は作品を作っているのか?商品を作っているのか?」と。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/07/4e/67ed37b4768e50cf293935b3aadfad42.jpg)
私の家では代々摩耶山にお稲荷さんをお守りしている
お披露目の機会が集中する。
出来上がった作品たちを見ると、
今年は昨年に比べてうまく仕事が回っているのがわかる。
しかし、うまくいっている時こそ気をつけなければならない。
弊社は制作会社だ。
企業としては段取りよく仕事を回さなければならないが、
それでは順序が逆だ。
まず、制作物が顧客の言ったままで収まっているのでは、
我々の存在価値はない。
顧客の思いを越えた物を制作してこそ存在価値がある。
私は顧客の思いのままは「商品」と呼び、
思いを越えたもの(越えるよう努力したもの)を
「作品」と呼んでいる。
顧客の不満はほんの小さな欲望から膨らんでいく。
欲望は作り手の知恵と工夫が加えられた「作品」でしか
満たされない。
最近は技術的・知識的には優れるが、
人間関係が苦手という若者が増えている。
メール文化が拍車をかけている。
制作会社に限らず、モノ作りをする会社は、
顧客とのコミュニケーションに
注力しなければならない。
まず徹底的に顧客と話す。
思いをあらゆる角度から聞き出し、
潜在的な思いまでも顕在化する。
次はスタッフと徹底的に話す。
効率を優先するとここを疎かにしてしまいがちだ。
スタッフに手順を説明するのではなく、
顧客の思いを伝え、己も含めたスタッフが
顧客の思いにどの様に応えるか。
スタッフからは具体的な案・能力を引き出すことが大切だ。
そのためにはスタッフと話すこと。
確かに顧客と一番会話しているのは己だし、
それゆえ見えている具体的な形や
行程・手順でスタッフに伝える方が楽だ。
しかし優秀なスタッフほど、
そういう監督やプロデューサーに失望する。
彼らの生き甲斐は、
監督やプロデューサーを越えてみせること。
それゆえ具体的な形を提示して、
スケジュールを決めてしまう進め方には辟易としている。
思いを一生懸命伝えても、
スタッフから具体的な案が出ないようなら、
己の理解が低いということだ。
本来はスタッフと会話することで、
顧客の思いに対して何をすべきかが見えてくるはず。
これを面倒くさがるとスタッフとの信頼関係は育たない。
ギャラを払えば何とかなると思っている
プロデューサーも多いが、いい作品を作るにはスタッフと
いかに会話できるかがポイントとなる。
こうした仕事への姿勢をスタッフに示すことで、
より強い信頼関係が育まれ、段取りよく仕事は進むし、
結果的に予算内に収まる。
また予算アップをスポンサーが認めてくれたり、
次の仕事をいただけることになる。
スタッフの多くは笑顔の下に
失望を隠して仕事をしている。
そういう状況で制作しても「商品」を製造しているだけで
「作品」にはなっていない。
「作品」という呼び名は、作り手が描く幻想ではない。
我々は「作品」を作らねばならないのだ。
仕事を段取りよく進めるのが先ではなく、
しっかり会話してスポンサーの思い以上の物を
作ることが先になくてはならない。
固定客ほど笑顔では接しているものの
「もっと味のある仕事をしたい」貪欲に思っている。
うまく仕事が回っている時こそ
「もっといい仕事をしなければ」と己を戒め、
そのためには固定客に対して
次にどんな提案をすればよいのかを考えねばならない。
その一方で新たな顧客から新たな仕事ネタを拾い集める。
これは両輪でなければならない。
だが仕事が回っている時ほど、固定客との仕事が多く、
その売上高に満足してしまうのは致し方ないが、
うまく回っている時こそ
次の提案をすることを忘れてはならない。
終わったのではなく始まったと考えることだ。
仮に顧客が、今回の作品に大満足であっても、
その大満足の下に不満(欲求)が必ず隠れている。
この不満(欲求)を会話で顕在化すれば、
仕事はさらに続いていく。
「いい作品を作りたい」
これこそが作り手のマインドには必要不可欠。
うまく回っている時こそ、己に問いかけねばならない。
「自分は作品を作っているのか?商品を作っているのか?」と。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/07/4e/67ed37b4768e50cf293935b3aadfad42.jpg)
私の家では代々摩耶山にお稲荷さんをお守りしている
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