The Philippines 1870-1935−021

ペンショナードのプロフィール: サンティアゴ アルティアガ

1903 年に撮影された、アナーバーの 4 人のペンショナドの写真。右側に、後ろの手すりに寄りかかっているサンティアゴ アルティアガが写っています。

 

20 世紀初頭、サンティアゴ アルティアガは太平洋を渡りフィリピンからアナーバーへ渡り、ミシガン大学に入学しました。アルティアガにとって、これは人生における大きな転機となりました。マニラのサンファンで生まれたアルティアガは、サンファン デ レトラン大学とサント トマス大学に通いましたが、1898 年に 2 つの植民地体制間の暴力的な移行により授業が中止されました。数年後、アルティアガは、社交クラブであるクラブ フィリピン (当時は「マニラ国際クラブ」と呼ばれていました) を通じて、米国で学業を続けるためだけに競争率の高い奨学金を獲得しました。これにより、アルティアガは、厳密には 1903 年の公式年金受給者法に先立つ最初の年金受給者集団に加わりました。

ミシガン大学ベントレー歴史図書館で見つかったアルティアガの個人的な書簡や報告書によると、ディーン・ウースターと化学教授で植民地行政官のポール・フリーア博士は、奨学金を受け取ったアルティアガにミシガン大学への進学を勧めた。アルティアガはその後、1900 年 9 月に同大学の工学部に入学し、土木工学を専攻した。アルティアガが同大学で年金生活を送っていた時期についての具体的な情報源はわずかである。ほとんどの情報は新聞記事か、年老いたアルティアガが友人とアナーバーでの学生時代の経験を振り返って書いた手紙の中に見ることができる。アルティアガに関するアメリカの報告は、彼の業績を称賛すると同時に、当初の知識不足を強調し、それが今度は米国帝国主義の考えを助長した。ミシガン大学の新聞記事には、アルティアガは「英語がまったくできない」状態で入学したため、未熟で世間知らずだったと書かれている。

アルティアガをこのように描写することで、これらの記事は父権主義的なレンズを通しての指導を強調し、教育を通じて植民地の人々を向上させるという植民地主義のレトリックを支持している。対照的に、アルティアガの回想は感情に焦点を当てている。ある手紙の中で、アルティアガは当初「内気な少年」だったと述べている。別の手紙では、アルティアガは微分方程式のコースを受講したことを思い出している。

 

私の楽しい思い出の一つは、lte [sic] ジウェット教授の指導による微分方程式のコースに関するものです。最終試験では、すべての問題を正しく解いてブルーノートを提出するのにたった 15 分しかかかりませんでした。1924 年に同窓会に出席したとき、クラスメートは宴会で 15 分間の試験を (私の虚栄心を満足させるように) 二度と繰り返されることのない素晴らしい偉業として語りました。考えてみれば、私はまだ子供でした。すでに亡くなっていた優秀なクラスメート、マクリーンに勝ったことを大いに誇らしげに思いました。

 

この描写を通して、アルティアガは、年金受給者とアメリカ人の同級生の間に起こり得る社会的力学の一側面を明らかにしている。この場合、アルティアガは、自分と同じアメリカ人の同級生と同じレベル、あるいはそれ以上に自分を高めることを心がけている。

 

いずれにせよ、アルティアガは 1904 年にミシガン大学工学部を卒業し、理学士号を取得し、他の年金受給者と同様にフィリピンに帰国しました。帰国後、マニラ市の鉄道に勤務し、1920 年にマニラ市の技術者に就任しました。1923 年と 1929 年には数か月間、臨時市長を務めたこともあります。10 年近く経って、アルティアガは 1937 年から 1939 年までダバオ市長を務め、その後 1936 年から 1937 年までサンボアンガ市長を務めました。1939 年から 1941 年まで政府で最後の役職を務め、最終的にブキドノン (ミンダナオ) の知事として引退しました。アルティアガは政治家としてのキャリアと並行して学問の世界にも関わり、極東大学とサント・トーマス大学の教授として数学と水力学を教え、最終的にはUSTの工学部の学部長になった。 全体として、アルティアガがフィリピンの歴史のさまざまな時期を通じて政府の役職や学界で活躍したことは注目に値する。

 

アルティアガは、学界と政府の間で絶えず動いていたにもかかわらず、ミシガン大学在学中に築いた人間関係を、入学から 50 年経った後も維持していました。卒業後もアナーバーを何度も訪れ、大学関係者やクラスメートと連絡を取り続けたいという明確な希望があったため、知的支援ネットワークが構築され、彼自身と家族にチャンスが生まれました。

 

アルティアガは、彼が学生だったころミシガン大学工学部の学部長を務めていたモーティマー・クーリーに定期的に手紙を書いていた。これらの手紙の多くは近況報告や休日の挨拶だった。クーリーは妻の死についてもアルティアガに知らせていたが、これは明らかに親しい人だけに知らせるものであり、その通知には「私は数人の友人に手紙を書いている。特に興味があると思われる人たちに」と書かれていた。

 

しかし、他の多くの手紙は、学び、知識を交換したいという欲求に駆り立てられたものだったようだ。数通の手紙の中で、アルティアガとクーリーは、お互いから受け取った記事や雑誌に感謝の気持ちを綴っていた。1937 年夏の特定のやり取りでは、クーリーはアルティアガと世界政治の現状について熟考した。具体的には、1937 年 5 月 21 日付けの手紙で、クーリーは次のように書いている。

「私は、4月6日にSSバシラン号の船上で書かれたあなたの手紙を大変興味深く読みました。それは、あなたの国の状況について素晴らしい考えを与えてくれただけでなく、諸島の将来にとって重要になりそうな問題を示唆していました。例えば、日本問題などです。」

 

これに応えてアルティアガはクーリーにミンダナオ・レビューのコピーを送り、フィリピンの政治情勢に関するさらなる背景をクーリーに提供した。1937年8月、アルティアガは日本についてさらに詳しく書き、次のように書いている。

 

隣国では戦争が猛烈に激化している。また、米国がフィリピンを日本軍の侵攻から守ってきたと私も信じているし、これに異論を唱える者はいない。危険は去ってはいない。この国は日本軍の支配下にある大小の島々に囲まれている。東洋人の私は宿命論者だ。この国が日本に占領されるのは、将来の自然な流れのように思える。日本が中国で一時的に後退すれば、それは遅れ、延期されるかもしれない。フィリピンは、元米軍参謀総長マッカーサー将軍が定めた方針に従って国防体制を構築している。これは、いかなる外国勢力による侵攻も困難にし、多大な費用がかかるようにするという意図で真剣に行われている。行間を読むと、これが日本を意味していることがわかる。

 

クーリーは返答の中で、アルティアガの評価に感謝と誇りを表明し、「特にフィリピンの将来に関する世界情勢に対するあなたの一般的な姿勢に私は特に満足しました。あなたがしっかりと自分の立場に立っていることに私は誇りを感じました」と書いている。

1947 年にアナーバーで行われたミシガン大学工学部の同窓会で、サンティアゴ アルティアガと他の 4 人の男性が写っている写真。写真の中央にアルティアガが写っています。1904 年に卒業した後、アルティアガは少なくとも 3 回、1924 年、1947 年、1950 年にアナーバーに戻っています。

 

この知識の交換に加え、アルティアガはクーリーの助けを借りてミシガン大学から名誉学位を取得しようとも試みた。アルティアガは、名誉学位があればサント・トマス大学で教職に就くのに役立つと述べた。アルティアガがフィリピンでの功績を詳述した手紙を何通も送った後、1939年1月にクーリーは当時の同大学の学長であったアレクサンダー・G・ルースベン博士に手紙を書き、アルティアガに名誉学位を授与することを検討するよう依頼した。アルティアガは1950年7月15日まで名誉学位を授与されなかったが、1939年に2人が収集したアルティアガの功績の記録は、その後の意思決定プロセスに役立ったであろうと推測される。

 

アルティアガとクーリーの書簡や関係は、アルティアガが年金受給者として過ごした期間に関係した関係を維持したいという願望を例証している。書面による書簡以外にも、アルティアガはミシガン大学に同窓会のために何度も戻り、1904年の同級生と頻繁に連絡を取っていた。例えば、1951年にアルティアガは、ミシガン大学でアルティアガの同級生だったプエルトリコ人のアレルギー専門医で、アナーバー在住のブエナベンチュラ・ヒメネスとスペイン語で手紙を交換した。あるやり取りで、ヒメネスはアルティアガのために卒業式の帽子とタッセルを無事に購入し、彼のためにネイション誌を購読したこと、そしてアルティアガがプレゼントしてくれた帽子に娘が感謝していることを書いた。アルティアガとクラスメートのドナルド・スミスとの間で交わされた別の手紙にも、似たような話が書かれている。アルティアガはフィリピンでアメリカの雑誌を入手することの難しさについて書いたようで、スミスは「ガートルードが送ってくるものを比較し」、「時々見つけた雑誌で彼女の荷物を補うつもりだ。それがアルティアガにとって本当に意味のあるものであれば、必ずそうするつもりだ」と返信していた。さらに別の例は、工学部のもう一人の学部長であるイヴァン・クロフォードからの手紙に見ることができる。この手紙でクロフォードは、大学の副学長補佐であるハーバート・ワトキンスに手紙を書き、アルティアガがオリジナルの卒業証書は日本占領下で紛失したと述べたことを受けて、アルティアガに代わりの卒業証書を授与するよう依頼している。

 

アルティアガは、工学部 1904 年卒業クラスの同窓会の企画を担当したジョージ ブラックイントンにも頻繁に手紙を書いていました。これらの手紙の多くは単に近況報告や休日のお祝いを述べたものでしたが、ある手紙では、アルティアガがブラックイントンに孫娘のロザリオ アルティアガ ガエルランについて具体的な要望を述べています。ロザリオは 1953 年にミシガン大学ビジネス スクールに入学しました。アルティアガは次のように書いています。

 

スティーンによろしく伝えてください。昨年のクリスマス、彼女は私の孫娘にお米を送ってくれました。彼女はフィリピン生まれで、米が大好きです。次回アナーバーに行くときは、テキサスで生米の小袋を買って、彼女にプレゼントしてください。彼女はとても喜ぶでしょう。

 

これらの例から、アルティアガがアナーバーの年金生活者として出会った人々との継続的なつながりによって、物資や知的な議論のために頼れる支援ネットワークを構築できたことは明らかです。ガアランが彼より数十年後にミシガン大学に入学したとき、アルティアガはこのネットワークを利用して彼女にも支援を提供し、最終的に米国で彼女が頼れるコミュニティを構築しました。