半導体製造を国内に回帰しようとの動きがあり
ますが、これはシステム半導体製造のことです。
韓国で半導体販売が増えていましたが、これは
メモリ半導体のことです。しかし、今はメモリが
大容量化しましたので、その需要自体は頭打ちに
なっていて韓国が焦っています。メモリ半導体は
構造が比較的単純ですので、中国でも生産される
ようになり中国への輸出が滞って、韓国が困って
いるようです。^^;
日本ではパワー半導体の開発に強みがあります
が、様々な製品は電気で動いていますから、その
電力を制御するパワー半導体の需要は今後共増加
することでしょう。普通の半導体は電子の動きを
制御しますが、パワー半導体では電力自体を制御
しますから、構造から異なります。電源部はどの
ような機器に必要ですから、今後はますます需要
増します。
パソコンは、動作用のプログラムをメモリ上に
展開し、メモリ上のデータを加工することにより
様々な動作を行なっています。
しかし、多くの電気機器にとっては、このよう
な構造である必要がなく、その機器にとって必要
な機能、最適なプログラムを、半導体上に素子化
することによって、最適化やコストダウンが図れ
ます。
そうした物がシステム半導体であり、需要企業
の要望により特化しています。この需要を製品と
して製造するのがハウンドリ事業と呼ばれており
台湾の企業のTSMCが有名ですね。その開発部門
や工場を、日本に作ろうという動きがあります。
システム半導体内部の回路設計がアメリカで、
製造は台湾の企業、半導体製造装置、素材などは
日本といったところが、半導体業界の現状です。
この先日本は設計や製造をどこまで取り込める
のか、といったところが焦点だと思います。
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