シリーズ平成の本音―偽装された日本のお・も・て・な・し!?
関西の一流ホテルで構成する阪急・阪神ホテルズが運営するレストランなどで食材偽装が10月末に明らかになった。同グループ直営の8ホテル、23箇所で少なくても2006年頃から食材表記を偽り、ホテル側は当初‘誤表記’と説明していたが、利用者側等より偽装との声が強くなり、11月1日、同ホテルズ社長が辞任した。特に超高級ホテルとして知られているザ・リッツ・カールトンがフレッシュジュースや鮮魚料理等として出していたものが冷凍物などであったことが明らかとなった。同ホテルは高額の料金を取っての偽装であり、被害も高額となるので、誤表記、偽装では済まされない詐欺に近い。一部には、食材納入業者の偽装もあり、ホテルの管理責任に加え、食材、食品取扱業者の問題もありそうだ。
なお、これらの経済犯罪は、法令を犯せば損をすることを徹底させる上で、原則として収益を数倍上回る罰金とすべきであろう。例えば脱税なども、時間も収容費用も掛かる実刑とするよりも、脱税額の数倍に相当する罰金とする方が抑止効果も大きいと予想される上、収容等に要する行政費用なども節約となろう。
関西では、それより先に三重県の精米業者が長期に亘りこしひかりなどの産地偽装をしたことが発覚している。
ところが食材誤表記や偽装はこれではおさまらない。北海道や東京、奈良などのホテルのレストランにも同様の問題が明らかにされた。更に、東京を中心とする老舗デパートを含むほとんどの有名デパートのレストランや食料品テナントでも同様の食材誤表記や偽装が発覚している。その多くはテナント店の問題であり、デパート等の管理責任はあるが、親元の有名店や食材業者の偽装問題であるので、食材、食品業界全体に関係する利用者、消費者への不誠実な慣行となっているとも言えよう。故意か過失かは個々の事例で異なるだろうが、これら業界の経営陣にこのような食材誤表記や偽装を容認、或いは黙認する風土があるのではないかと疑われても仕方がない。
東京オリンピックの2020年招致で、‘お・も・て・な・し’というキャッチフレーズが話題となったが、これでは偽装されたおもてなしになってしまい、日本自体の国際信用にもかかわる。
因みに、‘おもてなし’という表現でうけたのは、日本語が分かる日本人で、国際オリンピック委員を含む外国人にはほとんど分からない。外国にも‘おもてなし’の気持ちはあり、英語では‘ホスピタリテイ’という言葉がある。主催者、ホストの心遣いの意味だ。
国際信用の面では、首相が“福島原発事故の汚染水問題は、0.3平方キロで止められており、アンダーコントロールだ”と述べたが、地元住民の多くはそれを信じてはいない。メルトダウンした原子炉の核燃棒の処理は、20年、30以上年掛かると見られており、汚染水は増加する一方であり、貯蔵施設の能力と腐食や地震等を考慮するとその処理問題は深刻だ。世界もそれに注目し始めている。(2013.11.8.)
(All Rights Reserved.)(不許無断引用)
関西の一流ホテルで構成する阪急・阪神ホテルズが運営するレストランなどで食材偽装が10月末に明らかになった。同グループ直営の8ホテル、23箇所で少なくても2006年頃から食材表記を偽り、ホテル側は当初‘誤表記’と説明していたが、利用者側等より偽装との声が強くなり、11月1日、同ホテルズ社長が辞任した。特に超高級ホテルとして知られているザ・リッツ・カールトンがフレッシュジュースや鮮魚料理等として出していたものが冷凍物などであったことが明らかとなった。同ホテルは高額の料金を取っての偽装であり、被害も高額となるので、誤表記、偽装では済まされない詐欺に近い。一部には、食材納入業者の偽装もあり、ホテルの管理責任に加え、食材、食品取扱業者の問題もありそうだ。
なお、これらの経済犯罪は、法令を犯せば損をすることを徹底させる上で、原則として収益を数倍上回る罰金とすべきであろう。例えば脱税なども、時間も収容費用も掛かる実刑とするよりも、脱税額の数倍に相当する罰金とする方が抑止効果も大きいと予想される上、収容等に要する行政費用なども節約となろう。
関西では、それより先に三重県の精米業者が長期に亘りこしひかりなどの産地偽装をしたことが発覚している。
ところが食材誤表記や偽装はこれではおさまらない。北海道や東京、奈良などのホテルのレストランにも同様の問題が明らかにされた。更に、東京を中心とする老舗デパートを含むほとんどの有名デパートのレストランや食料品テナントでも同様の食材誤表記や偽装が発覚している。その多くはテナント店の問題であり、デパート等の管理責任はあるが、親元の有名店や食材業者の偽装問題であるので、食材、食品業界全体に関係する利用者、消費者への不誠実な慣行となっているとも言えよう。故意か過失かは個々の事例で異なるだろうが、これら業界の経営陣にこのような食材誤表記や偽装を容認、或いは黙認する風土があるのではないかと疑われても仕方がない。
東京オリンピックの2020年招致で、‘お・も・て・な・し’というキャッチフレーズが話題となったが、これでは偽装されたおもてなしになってしまい、日本自体の国際信用にもかかわる。
因みに、‘おもてなし’という表現でうけたのは、日本語が分かる日本人で、国際オリンピック委員を含む外国人にはほとんど分からない。外国にも‘おもてなし’の気持ちはあり、英語では‘ホスピタリテイ’という言葉がある。主催者、ホストの心遣いの意味だ。
国際信用の面では、首相が“福島原発事故の汚染水問題は、0.3平方キロで止められており、アンダーコントロールだ”と述べたが、地元住民の多くはそれを信じてはいない。メルトダウンした原子炉の核燃棒の処理は、20年、30以上年掛かると見られており、汚染水は増加する一方であり、貯蔵施設の能力と腐食や地震等を考慮するとその処理問題は深刻だ。世界もそれに注目し始めている。(2013.11.8.)
(All Rights Reserved.)(不許無断引用)