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NHK事業予算、外務省予算を上回るほど必要か??

2020-06-06 | Weblog
シリーズ本音トークーNHK事業予算、外務省予算を上回るほど必要か??
 NHKは、2020年度の事業予算として事業収入7,204億円(内、受信料収入6,974億円)、総事業支出7,353円を国会に提出し、審議されている。7,200億円を超える事業収入がありながら、149億円の赤字計画で、赤字分は1,000億円を超える潤沢な繰り越し余剰金で補填する。
 NHKの総事業支出7,353円は、分かり易い比較では、外務省の2020年度予算7,120 億円を233億円も超える巨大事業となっている。言うまでも無く、外務省は、世界の190を超える諸国、国際機関を相手とする国家事業である。NHKの一定の公共放送は必要と思うが、世界を相手とする外務省予算を233億円も超える事業が必要だろうか。しかも1,000億円を超える繰り越し余剰金が存在する。行き過ぎであろう。
 現在国家、国民が直面する広範囲な困難やニーズを考慮すると共に、家計所得が実質的に減少し、受信料も多くの家庭で負担となっていることを考慮すると、公共放送に必要不可欠な事業規模、従って受信料にすることが時代の要請ではなかろうか。NHKの番組には、公共放送でなくてもよい番組が多く、またその多くは視聴率も低い。
例えばNHKの受信料を総合放送については2分の1に減額し、必要な公共放送を維持する一方、BS放送については暗号化して希望者との個別契約(但し緊急時の放送については契約無くしても受信可能とする)とするなどの抜本的な改革を行うべき時期であろう。いずれにしても、必要最小限の公共放送を維持する一方、国民の負担を軽減することが望ましい。
現在、映像をともなう情報ソースが多様化しており、受信機を持っている個々人全てに総合放送とBS放送双方の受信料支払いを義務付けることは不合理且つ不適切になっている。
 空いた時間やチャンネルは、NHKの関連の子会社が多数育っているので、民間に開放し、公共放送との一貫性や連携を確保しつつ、多様な放送として活用可能であろう。(2020.3.10.)
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首相官邸・首相府・総理府、法令遵守崩壊か!?(改訂版)

2020-06-06 | Weblog
シリーズ本音トークー首相官邸・首相府・総理府、法令遵守崩壊か!?(改訂版)
 首相官邸はじめとして政権中枢部局は、森友学園問題での公文書の廃棄、文書の書き換え・改ざんや加計学園問題での縁故者優遇などを背景として、首相主催の「桜を見る会」の招待者リストの廃棄、コンピュータ・データの廃棄、破壊など、行政の公正さ、透明性、そのための検証を確保出来ない状態になってきているように映る。行政官僚は、行政の公正、公平よりは、そのような政権の意向を忖度し、政権の意向を優先するようになる。行政官僚も生活のため、保身に走るのも仕方ないのかも知れないが、一般国民にとっては事態は深刻だ。
そのような行政の信頼性を失わせるような状況で、東京高検の検事長の定年63歳を延長する「閣議決定」がなされた。政府は、上記の閣議決定に先立って、「従来国家公務員法に基づく定年60歳の延長は検察官には適用されない」との解釈を所管の法務大臣が口頭で変更し、当該検事長の定年についても「国家公務員法を適用できる」との解釈を採択していたとされる。
このような中で自・公政権は、国家公務員の定年引き上げ法案と共に、検察庁法改正案を併せて閣議決定し(3月13日)、通常国会も終盤に入った段階で採決をしようとしている。本検察庁改正法案では、検察官の定年を現行の63歳から段階的に65歳に引き上げ、高検検事長や検事正などの幹部は63歳でポストを退く「役職定年」も設け、その後は「特例」で定年延長を最大3年間可能にし、検事総長については「特例」で最長68歳まで延ばすことが可能になるようだ。
 1、検察官の定年延長については、法改訂が不可欠
 検察官も広義では国家公務員ではあるが、時の政権や政党、諸団体、社会等の影響を受けることなく、独立性を保てるよう「検察庁法」が定められている。
 検察庁法は、一般国家公務員と区別し、検察官が時の政権や政党、利益団体の圧力に対抗できるよう、心神喪失等と認められる場合を除き、罷免されないよう法律で保護している。定年についても国家公務員に比し不利とならず、定年延長の判断に左右されないよう、63歳として優遇している。従って、既に保護、優遇されているので、定年延長の規定もない。政権等からの介入を防ぐためでもある。
 定年延長の規定がない以上、検事長を含め検事の定年延長には法律改正が不可欠と言えよう。
 法律を守るべき法務大臣が、検事長の定年延長を‘口頭で了承した’としているようであるが、国民には、「法律でございます、規則でございます」などと言わせておきながら、自らは法律軽視、法律無視であり、言語道断だ。文書による決裁がなされておらず、事務方が文書決裁としなかったのは、文書での決裁には広範な部局の決済が必要であるが、事実上それが不可能であり、事務方が拒んだことを意味するのかも知れない。そうだとすると、事務方にも多少の良心が残っているとも言えるので、救いではあるが、疑義が呈されたときに誰も責任を取らず、‘無かったことにする’ためのこの政権の常套手段と思われ、行政の闇がここまで広がっていると言えよう。法務大臣がこれをやり通したことは、上からの指示で、検察といえども人事に介入するとの政権の意図が見える。
 また定年延長を‘受諾‘し居座っている黒川検事長については、国民に「法律違反の嫌疑を掛ける立場」でありながら、法律違反に当たる定年延長を受けるとは、何と見識の無いことか。その程度の法律の理解では、国民に嫌疑を掛ける資格は全くない。自ら身を引くべきであろう。そうでないと検察当局とは、こんなところかとの印象を国民に与える。
 定年延長自体は、一般国家公務員も65歳定年に向け法改正を行う予定とみられるが、検察官についても検察庁法の改正によって行うベきであろう。それまでは、法律を守るのが当たり前だ。
 この問題をメデイアや言論界が仕方ないとしてやり過ごすとすれば、由々しきことだ。また民間調査・研究機関等も経済問題を含め全く頼りにならない。
 国家公務員の定年引き上げ法案については良いが、検察庁法改正案については、一見、一般国家公務員の定年を65歳に引き上げる国家公務員法改正案と一本化するかたち見えるが、次の通り検事の独立性の確保の上で根本的な問題を抱えている。
(1)検察官は、一般国家公務員と区別し、検察庁法を別途規定して、検察官が時の政権や政党、利益団体等の圧力に対抗できるよう、法律で保護し、定年についても現行法の国家公務員60歳定年に対し63歳として優遇している。検察庁法改正により定年は65歳までとなるが、一般公務員と同様となり保護も「優遇」もされなくなる。更に検事総長や検事長らの検察幹部は63歳で定年となり、その後は1年毎に最大3年間定年延長が可能になるが、「特例規定」により法相または内閣が判断することになり、一般公務員より抑制され、不利になる可能性ある。さらに検事総長については、法相または内閣の判断により最長68歳まで延ばすことが可能となるが、検察幹部は常に法相や内閣の顔色をうかがって仕事しなくてはならない。それでは検察の独立性などないことになる。
(2)首相は、「恣意的判断は入らない」などとしているが、上記の通り、黒川検事長を検察庁法上の規定に従わず、内閣の判断で6ヶ月定年を延長している。これは内閣による行政判断が法律を上回るという法律無視、下克上的姿勢であり、まさに内閣による「恣意的判断」に他ならない。そのような「恣意的判断」をして置きながら、「恣意的判断はしない」と言われても誰も信じないであろう。
(3)法相は、「三権分立に反しない」などと言っているが、訴追をする検察官は行政に属する公務員であり、裁判所の問題ではないので、当たり前のことで、単なる言い逃れとしか聞こえない。しかし検察官は、国民を罪人として訴追する側として、権力のある者にもない者に対しても公正、公平であるべきとの観点から、圧力に屈しないように法律で一定の保護をしている。そのために一般国家公務員法とは別に検察庁法を規定しているのであり、首相側や与党はその趣旨を理解しようとはせず、逆にそれを歪めようとしている。
 政権側の説明は、言行不一致で不誠実であり、連立政権を担っている自民、公明党両党の議員がこれを支持しているとすれば、両党議員も正義からほど遠く、国民の代表として再び国会に送るべきか大いに疑問が残る。

 2、「桜を見る会」など、官邸のコンプライアンス違反の常態化
 「桜を見る会」については、確かに何人招待したかなど、たいした問題でもない。しかし行政当局による招待者リストの棄却、更にコンピュータ・データの消去にとどまらず、データを蓄積している基盤まで破壊したとしていることは、非常に悪質で、深刻だ。これでは政権内で不正が行われていても懸賞不能になる。国民の7割以上が十分説明しているとは思わないとしている。
 その理由が「個人情報保護」、プライバシーなどと主張しているが、全く理由にもならない。首相が国家、国民に貢献し、功績、功労があった者を招待し、労をねぎらうことを目的としており、そうだとすれば招待された者は世の中に大なり小なり知られた方々であろうから、名前や功績の内容、出身地などは既にそれぞれの分野では知られており、その範囲であれば個人情報保やプライバシーを侵害することは一切無いであろう。会の趣旨からして氏名や出身地域などを公表することは何ら問題ない上に、当事者にとっては光栄なことであろう。この会の趣旨にも反する訳の分からない理由に、いわば納得している形のマスコミやコメンテーターと称する人たちは一体何なのであろうか。
 2019年の首相主催「桜を見る会」には約1万8200人もの人が各分野、各都道府県より招待され、5,000万円以上が公費から支出されている。その内山口県については、安倍事務所の推薦で参加した者は何と800名以上にものぼっている。安倍事務所関係だけでそんなに多くの功績、功労者がいるとは考えられないが、山口県の誇りだ、氏名を公表して欲しいものだ。
 しかし公費を使っているので関心もしていられない。5,000万円以上の公費を使っており、予算(毎年1,700万円程度)の3倍前後も使っているのに、精算、決算の裏付けとなる招待者リストも跡形もなく直後に廃棄されているとされているので、内閣府内の精算、決算が如何にずさんかを物語っている。こんなにずさんな形で差額が補填されているとすれば、官房機密費が充てられている可能性もあるが、いずれにしても公費であるので、こんなにずさんに公費が使われるのでは国民としても納得できないであろう。会計検査院や決算委による個別検査が望まれる。費用の根拠となる招待者数、参加者数は、招待者リストに基づくが、招待者数の適否を査定するためには被招待者が、招待されるにふさわしい業績、功労があるかを点検する必要もあろう。それを精算、決算前に資料を消したということになり、とても常識では考えられない。
「安倍晋三後援会 桜を見る会前夜祭」については、2019年4月に某大手ホテルで行われた趣だが、地元の安倍事務所が推薦、斡旋した800人ほどが参加したと伝えられている。会費が1人5,000円とされるが、高級寿司店まで入っている会合であるので、通常は1人15,000円~20,000円内外と予想され、差額1人1万円内外はホテル側が宿泊代から割り引かれたことになる。予算委員会での首相答弁では、安倍事務所がホテル側と話し、そのような取り扱いとし、また会費領収書はホテル側より各参加者に出すことにした旨説明されている。常識的には考えにくい手法だが、もしそのようにされていたとすれば、政治資金規正法の報告義務の悪質な‘脱法行為’と言えよう。こんなことが認められて良いのか。選挙管理委員会は、このようなやり方が適正か否か、見解を出すべきであろう。
 だが、実体的には安倍事務所の要請でホテル側が安倍事務所推薦の参加者に利益便宜がなされたことは明らかだ。宴会場の入り口で会費やご祝儀を受け取ったのは安倍事務所関係者や後援会関係者であろうから、金の授受がなかったとは思えないが、いずれにしても、実体的には安倍事務所の口利きで、各参加者に対し1万円内外の利益が供与されたことになる。またホテルに宿泊しなかった参加者も参加費5,000円とすると差額は誰が支払ったかの問題もある。だから差額はホテル側が持ったとする説明はまずあり得ない。
 また800名内外の参加者がホテルから10台以上のバスを連ねて会場の新宿御苑に向かったとされるが、バスの借り上げ代は誰が払ったのか。まさか各人がバス会社に払ったとはいえないだろう。ここにも安倍事務所の地元参加者への利益供与の可能性がある。
 このような問題を、コロナウイルス肺炎の脅威がある中で、何時までも追求すべきではないとする意見やコメントが聞かれるが、それこそ危険な意見だ。危機を持ち出して、国民を黙らせる手法は、往々にして独裁国家に導く恐れがある。第2次世界大戦もその1例だろう。
 こんなことを何時までも続けていれば、行政システムは適正に維持できないばかりか、良心を持つ有為な人材は確保出来なくなるだろう。新型コロナウイルス肺炎の問題はそれとして緊急に対応しなければならない。今優先して行うべきことは、検査体制の拡充と医療機関受け入れ体制の強化であろう。同時に、この状態で対応に当たっている首相はじめ関係閣僚、事務方、及び与野党議員はじめ関係者の尽力には敬意と感謝の意を表したい。
 しかし行政システムを適正に保ち、健全な民主主義を維持して行くための努力は続けていかなければ、健全な国家、健全な国民生活は維持できない。
(2020.3.10.2020.5.15.一部改訂)
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コロナ禍対策持続化給付金の委託先はやはり不適正

2020-06-06 | Weblog
平成の本音―コロナ禍対策持続化給付金の委託先はやはり不適正
 武漢型コロナウイルスの緊急経済対策として、目玉対策の1つである中小、零細企業などに支給される持続化給付金の実施委託先が問題となっている。
 所管している経産省は、‘一般入札’で「一般社団法人サービスデザイン推進協議会」と769億円で契約(4月30日)としている。しかし同協議会は、その業務のほとんど全てを広告代理業の電通に749億円で再委託したもので、適正としている。一般入札で受託した一般社団法人サービスデザイン推進協議会同は、人件費等として20億円ほどを得ている。ところが同協議会は、電通などを中心として2016年5月に設立された団体だ。
 これは第一契約者が、実質的な給付業務はせず、外部の民間企業に丸投げしているもので、緊急に実施する必要があるなどの理由はあろうが、次の通り大きな問題がある。
 1、サービスデザイン推進協議会は実質的な給付業務をせず、電通に丸投げ
 受注者であるサービスデザイン推進協議会は、実質的に全ての給付業務を実質的な関連会社である大手広告代理店の電通に丸投げしており、第一契約者がトンネルになっているだけだ。そもそも本件に関連する事業実体のない社団法人であり、受注資格自体が問われる。
 しかも20億円を人件費などとし受け取っているが、トンネルしただけで20億円の人件費等の経費とは一体何か。この団体に20億円流すために委託したようなもので、その分を困窮企業の支援に充てた方がよさそうだ。
 2、‘一般入札’としているが、適正な競争入札であったか疑問
 経産省は一般入札としているが、出来レースであった可能性がある。サービスデザイン推進協議会の背後に主力会社として電通がいることは業界であれば知っている事であり、緊急性を理由に、サービスデザイン推進協議会受注、電通が給付業務という流れが決まっていた可能性がある。経産省は両者の関係は十分に知っていたはずだ。
 他に何社応札したのか。また電通は、どこに業務委託等したのだろうか。
 3、緊急事態を理由に予算が省庁毎の利益団体・グループに食い潰される恐れ
 そもそも持続化給付金についても、申請のため何回も電話しても繋がらないそうであり、給付業務に問題があるようだ。そもそも、サービスデザイン推進協議会はもとより、電通にしてもこのような窓口業務に実績があるわけでも、そのような人材が会社内にいるわけでもない。
 経産省の関連団体をトンネルとして関連企業に多額の予算を流すことになる。749億円と言えば多額であり、それがこれらの団体・企業の持続化支援になると言えないことはないが、趣旨が違う。補正予算は赤字国債まで出して組んだ事業であり、いずれ国民から税金として徴収される資金であるので、国民としてはその使途が納得できるものでなくてはならない。
 第2次補正予算では、個別の事業内容の適否と適正な執行が問題になる上、10兆円にのぼる「予備費」が計上されている。1次補正の1.5兆円の予備費を加えると、11.5兆円もの使途未定の予備費があり、結局は関係省庁や政党の関連団体・企業などの利益グループに食い潰される可能性がある。国民としては、緊急時とは言え、無節操とも言える国・公債発行、政府の膨大な借金もさることながら、それ以上に納得のいく使い道が確保されることを望んでいるのだろう。(2020.6.2.)
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コロナウイルス対策2次補正予算、社会的弱者にソッポ!?

2020-06-06 | Weblog
本音トークーコロナウイルス対策2次補正予算、社会的弱者にソッポ!?
政府・与党は、5月27日、武漢型コロナウイルス対策第2弾として、事業規模約117兆円の2020年度2次補正予算案の方針を決めた。事業予算では1次補正とほぼ同規模の大型補正となる。
財政支出は72.7兆円であるが、そのうち財政投融資が39.3兆円であり、実質的な歳出総額は約32兆円となり、その全額を新規国債発行で賄うとしている。新規国債と言うと聞こえは良いが、政府の借金であり、いずれ国民が金利を含めて税金として国に払わなくてはならないものだ。
 国民生活に最も身近な歳出総額約32兆円については、コロナウイルス対策の基本中の基本であり、最も必要とされる医療提供体制の強化(約3兆円)の他、各方面から悲痛な要望が寄せられていた雇用調整助成金の拡充(4,519億円)、企業の資金繰り支援(11.6兆億円)、家賃支援給付金の創設(2兆円)などが計上される方針のようであり、これらは評価されるところである。その簡潔、迅速な給付が望まれるところであるが、次のような基本的な問題がある。
 1、 また置き去りにされたパート、アルバイトなど多くの非正規就労者!
 第1次補正予算同様、雇用調整助成金の拡充は必要だが、これは雇用保険或い
は労災保険に加入している企業や団体の従業員に適用され、いわば既に社会的なセーフテイネットの対象者が救済されるものでしかない。
 ほとんどのパートやアルバイトなど多くの非正規就労者の多くのは、雇用保険或いは労災保険に加入しておらず、雇用調整助成金の対象にはならない。
 非正規就労者は、全就労者の35%内外をも占めており、その多くがソシアル・セーフテイネットの外に置かれている。今回も直接の打撃を受けているグループでありながら、政府による支援の外に置かれ、忘れられた就労者となっている。学生アルバイトへの支援も良いが、学校を出て社会人として就労していた者が、職を失い収入の道を絶たれているのに、国の支援が最も受けにくい存在となっている。
 パート、アルバイトなど多くの非正規就労者に対して、雇用保険などに入っていなくても、ハローワークなどで特別な窓口を設置し、収入を失った者に給付金を即座に支給すると共に、職業斡旋に努めるべきであろう。またこれらの者に対しても無利子の貸付金を出せるようにすべきだ。

 2、予備費10兆円って一体何??
 歳出予算の3分の1を占める予備費10兆円を一体何に使うのか。ある保険系
の民間研究機関のコメンテーターは、「2波、3波の流行があるはずなので、予備費10兆円を評価する」としていたが、「2波、3波の感染拡大」などこの段階で予想もしたくないのに、10兆円もの国民の税金に使途、宛先不明の小切手を国に渡すことを評価するとは一体何事だろう。近時民間研究機関の役割が著しく低下しており、ほとんどが政府の財政支出を期待し、政府の経済・財政政策を支持するだけでしかない。所属企業のためにはなっているのだろうが、国民にとってはほとんど聞くに値しないことが多いようだ。
 国民の税金を使っての予算であるので、使途を明確にして国会で審議し、了解を得るというのが、予算制度の趣旨であろう。恐らく事務方から出てきた予算額では額が十分でないので、見栄えを良くするために10兆円を予備費として積み増したのであろう。予備費であれば、1、2兆円で十分であり、2波、3波が来た場合は、その時点でのニーズを勘案しながら更なる補正が必要かどうか検討すればよかろう。
 いずれにしても10兆円は省庁間でのぶんどり合戦のあげく、自・公両党の利益グループの要請を反映し、都合の良いように使われてしまうのだろう。

 3、補正額を増やせば増やすほど、事務能力が追いつかず、実施は遅れる
 第1次補正予算での歳出予算額は、25.5兆円であり、4月30日に成立したばかりであるので、通常予算に加えて執行しなくてはならない。第1次補正予算でさえ、その執行は遅れに遅れており、折角の予算手当が必要な人や企業、団体等に届いていない。
 自・公政権は、財務相を含め補正予算額が歴代最大と強調するが、真水は少ない上、国の借金で賄われ、いずれ国民が払わなくてはならない税金だ。
 その上、額を積めば積むほど実施に手間取り、効果も減退する。事務方も一生懸命やっているのであろうし、気の毒であるが、1億2千万人に1人10万円、全ての家庭にマスクを2枚配ることから始まって手間が掛ることは目に見えていた。額より、必要なところに迅速、簡便に実施することが大切なのだろう。通常予算についても、オリンピック関連経費は大幅に節減できるはずであり、振り替えが必要だろう。(2020.5.28.)
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安倍自・公政権、掛け声ばかりで成果出ず!?(再掲)

2020-06-06 | Weblog
シリーズ本音トーク―安倍自・公政権、掛け声ばかりで成果出ず!?(再掲)
 7月21日の参議院議員選挙に向けて与・野党がそれぞれの国民への政治課題を訴えている。政権与党は、「政治の安定」を最大の焦点としている。
 これに関連し、自民党支持を鮮明にしている保守系紙は、「安倍政権の評価が問われる」として政治的「安定と安心」が焦点としている。
 そこで安倍自・公政権の6年間の「安定」が国民に何をもたらしたか問うてみよう。
 1、 経済成長戦略の成果は局部的、低位安定 安倍自・公政権の「3本の矢」政策は、2009年からのゼロ金利、金融緩和政策の中で「異次元の金融緩和」とマイナス金利により、市場に大量の資金が流され、円安と株高をもたらすと共に、輸出産業や観光産業などに効果をもたらし、局部的に一定の効果をもたらした。
 しかし同時に次のような注意すべき副作用をもたらしている。
(1)地銀を含む市中銀行の衰退
長期の超低金利、ゼロ金利により地銀を含む市中銀行が衰退。多数の店舗削減とリストラが加速。金利のない状態継続は異常。
(2)預金金利が得れず銀行に行く意味が無くなった
 預金金利は実質無くなり、手数料や店頭での時間を考慮すると実質マイナス金利で、預金金利による収入機会が長期にわたり喪失。物価上昇を考慮すると大幅なマイナス金利となり、支出抑制の要因。
(3)経済政策の上での手段の手詰まり
 景気が低迷しても更なる金融緩和が困難。為替面でも効果的な円安誘導は困難。金利の無い金融政策はもはや、資本主義市場経済とは言えない。コスト観念の無い社会主義的中央管理経済と言えそうだ。
(4)株高は金融バブルか
 家計所得は減少しており、「いざなぎ景気」以来の景気継続はフェイク。「いざなぎ景気」は成長率10%前後の高成長が継続したが、アベノミクスでは1~2%の低成長で、景気は低迷。これが「景気継続」とは大いに疑問。

 2、 年金不安の増幅。
 年金だけでは暮らせない。安心どころか、将来不安が増幅。
 2013年1月からの安倍自・公政権において、年金は給付額が削減された上、給付年齢が引き上げられ、年金から強制的に差し引かれる介護保険料が引き上げられるなど、国民にとって年金受給額は後退した。
他方8%への消費増税が行われ、2019年10月には10%に引き上げられる。消費増税による政府の歳入増分が政府支出面で社会福祉に十分に充てられていない。

 3、『税と社会保障制度の一体改革』に取り組まず
 自民・公明連立政権は、民主党政権時代に「社会保障と税制の一体改革」に同意し、また議員定数の実質的削減にも同意し、2011年12月の総選挙で勝利し政権の座に返り咲いた。しかし安倍自・公政権は、口先ばかりで、「社会保障と税制の一体改革」に取り組むとの国会、国民への約束を実行していない。6年以上政権を保持し、国会で圧倒的多数を占めており、実施する意思があれば出来るのにかかわらず実施していない。
『安定政治』を標榜しているが、それは政権維持、党利党略のためだけであり、国民にとっては不安と負担増の結果となっている。

 4、 ロシアとの北方領土問題進展せず
 解決するとして選挙区の山口県にまでプーチン大統領を豪華におもてなしし、
「個人的信頼関係構築」などとして選挙のたびに国民に期待感を持たせたが、北方領土問題は解決しないどころか、解決の方向性も見えていない。
 米国のトランプ大統領との関係の構築自体は評価できるが、同大統領の言うなりで日米同盟を強化し、イージス・アショアーやステルス戦闘機など高額の兵器を大量に購入し、軍事同盟化に向かえば向かうほど、ロシア等は懸念を強め、北方領土も遠くなる。バランスある認識と外交が望まれる。日米「安定」、日ロ「不安定」では、安定とは言えないだろう。

 5、北朝鮮日本人拉致問題も進展の兆しもなし
 北朝鮮日本人拉致問題も自分の世代で解決するなどと、選挙のたびに期待感を持たせてきたが、米国頼みで、直接の接触もままならない状況だ。中国の習近平主席にも北朝鮮の金正恩委員長に伝言を託したようだが、『留意する』とのそっけない反応で、首脳会談などは全く見通せない。米国に先を越され、6年間何をやって来たのか。それが「政治の安定」の答えか。

 6、韓国文政権とは悪化の一途
 韓国の文政権とは、靖国参拝、歴史認識で対立し、「慰安婦問題」や「戦前戦中の徴用工問題」で問題が蒸し返され、その上日本の対韓輸出管理導入で対立が激化する恐れもある。それを外交当局の責任に転嫁する向きもあるが、首脳間のパイプの無さが最大だろう。6年間何をやって来たのか、それが「政治の安定」の答えか。
 過去6年間、安倍自・公連立政権は、「政治の安定」を売りにしてきたが、それは局部的な効果はあるものの、「政権維持のため」という保身、党利の色彩が強く、国民や国家の安定、安心にはそれほど結び付いてはいない。

 7、 財政健全化を断念
財政赤字が継続し1,100兆円を超える膨大な公的債務を抱える中で、基礎的財政収支(プライマリーバランス)を2025年度に黒字化するとしていたが、27年度に先送りした。これは安倍政権では事実上断念したことを意味する。選挙になると予算の大盤振る舞いをし、財政の安定化は何ら達成されていないどころか、安定にあぐらをかき、誠意ある努力の跡も見られない。
 8、『東京一極集中解消』2020年目標も早々に断念
 安倍政権は、『東京一極集中解消』2020年達成の目標を掲げたが、ほとんど見るべき努力の跡もなく断念している。これもそれも『安定』重視の為なのか。

 これでは「政治の安定」とは、政権維持以外は、いわば安定にあぐらをかいて、ほとんど何もしないに等しい。それも有権者の選択であるので仕方がないが、大きく変化する時代の要求に沿って柔軟に‘変化’‘改革’して行かなければ、真の国家、国民の安定、安心は得られない。要は国民の選択に掛かっている。(2019.7.9.)
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