4か月前

東日本大震災の4か月前に、太平洋沿岸をずっと電車で縦断してきた。

私は鉄道が大好きなので、駅に停車する度に駅名標をデジカメで撮っていた。今も大切に、データとして残している。
陸前高田、野蒜、鹿折唐桑、下船渡、…もっともっとある。

今もそのまま現存している駅舎、津波が到達してBRTと化した駅、駅舎を新しくした駅など、震災によって震災前と形を変えたものもある。
写真というのは記憶を残してくれる。記録だけではない、ああ、あの時こんな風景を見たな、ここで写真を撮ったな、などと少しでも思い出すことが出来る。

下船渡駅から20分くらい歩いただろうか。大船渡湾が一望できる旅館では大変お世話になった。私が夜に駅について、地図を見ても解らなくて若干ぱにくり、旅館に電話をかけたら迎えに来てくれて、旅館に着いてからもバスタオルをかけて下さったり（雨だったんでね…）、本当になんて素敵な宿なんだ、と感激して、チェックアウト前にテーブルに感謝の気持ちを置き手紙をしたのを思い出す。

オーシャンビューホテル丸森の皆さま、有難うございました。


あの震災によって形を変えたものは沢山ある。何より尊い命が失われた。4か月も期間がずれているとはいえ、自分が被害に遭っていてもおかしくなかった。ただこの点だけでもうこの震災を人ごとには思えない自分がいます。


私も別の地震の被災者として思うことが沢山あります。年月が経って風化していくのはこわい。まだ苦しんでいる人もきっと沢山いると思います。
まず忘れないことが、亡くなった方への弔いではないかと思うのです。1人1人が確かに生きた証は、家族や友人、それに他人である私たちもどこかで感じていないといけないな、とデータの駅名標を見る度に思うのです。