ラテンアメリカ研究センターが18日に公表した伯国の青少年を対象にした「2012年暴力マップ」によると、1980年から2010年までの30年間で青少年(0~19歳)の殺人事件被害者は346・4%増加したことが分かった。18日付エスタード紙が報じた。
青少年の1980年当時の殺人事件被害率は、人口10万人当たり3・1人だったが、2010年には同13・8人へと急増している。
また、殺人事件だけでなく自殺や交通事故も含めた総合的な青少年の死亡者数も、1980年の人口10万人当たり27・9人から、2010年の同31・9人に増加している。この数字は、この30年間で1日当たり55人の青少年が死亡していることを示している。
伯国は青少年への暴力件数ランキングで世界1位となり、最も危険な国として名を残す結果となった。なお伯国は、青少年の自殺数で4位、交通事故死数で12位に位置している。
州別で比較すると、青少年の殺人事件が多い上位3州はアラゴアス(人口10万人当たり34・8人)、エスピリト・サント(同33・8人)、バイア(同23・8人)で、下位3州はサンタ・カタリーナ(同6・4人)、聖州(同5・4人)、ピアウイ(同3・6人)だった。
同調査の責任者ジュリオ・ワイセルフィスズ氏は、「伯国の青少年の自殺者はエジプトよりも130倍も多く、何かがおかしくなっている」と語った。
◆家庭内暴力
今回の調査では、家庭内暴力や性的虐待を受けて統一保健システム(SUS)に検診に訪れた青少年の人数も含まれている。暴力被害が特に多い年齢層は1~4歳の幼児で、11年には6132人が身体的な虐待を受けて検診した。
さらに1万425人が性的虐待の被害者として病院で治療を受けており、そのうち23%は父親や義理の父親からの虐待によるものだという。