結婚相手は同人種、同学歴が主流 ブラジル地理統計院(IBGE)が17日に公表した2010
年度国勢調査の結果によると、伯国民は「理想の結婚相手」として同人種、同学歴のパート
ナーを重視する傾向が浮き彫りになった。また伯国では近年、事実婚(内縁)が増加してお
り、法律婚(届出婚)の割合は減少していることも明らかになった。17日付エスタード、フォー
リャ両紙が報じた。 同人種をパートナーに選ぶ傾向が特に顕著なのは、白人男性(75・
3%)と白人女性(73・7%)だった。これらの割合は、法律婚、宗教婚、事実婚などすべての
婚姻関係のデータに基づいている。 このほか、白人女性と結婚した黒人男性は26・4%と
少なく、黒人男性の72%が黒人女性または褐色人女性と結婚している。同様に白人男性と
結婚した黒人女性は25・5%で、黒人女性の大半を占める73・2%が黒人男性または褐色
人男性と結婚している。 専門家はこれらのデータについて、「伯国は人種間の格差に寛容
な国だというイメージを持たれがちだが、それは上辺だけの印象に過ぎない。人種格差の問
題はあらゆる場面で生じており、結婚にもそれが当てはまる」と述べた。 実際、異なる人種
間での婚姻関係には大きな変動が見られなかった。白人男性と褐色人女性の夫婦の割合
は2000年が17・4%、10年が20・4%にわずかに増加したのみで、反対のケース(白人
女性と褐色人男性の夫婦)も00年の20・1%から10年の21・1%に増加したのみだった。
またパートナーの学歴については、大卒男性の47%、大卒女性の51・2%がやはり同じ大
卒者と結婚している。さらに、小学校中退など教育レベルが一番低い層では、この傾向がさ
らに強くなっており、男性の82・9%、女性の85・3%が同じ教育レベルの配偶者を選択して
いる。 IBGEによると、学歴が同レベルの人たちは所得や住んでいる地域などの環境が似
ているため、結婚する確率も高いと考えられている。しかし黒人の場合は、総人口に対して
占める割合が10%と低いため、同じ黒人の配偶者を選ぶことが困難になっているという。
◆事実婚が急増 さらに今回の調査では、婚姻届を出さないまま共同生活を営む事実婚の
割合が10年は28・6%だったが、現在は36・4%に増加していることも示された。一方、法
律婚と宗教婚の夫婦は49・4%から42・9%に減少した。 宗教別でみると、カトリック教徒
の夫婦の場合は事実婚が37・5%で、プロテスタント教徒の夫婦は事実婚が26・5%となっ
ている。また無宗教の夫婦の場合、事実婚は60%と高く、法律婚と宗教婚はわずか18・
4%だった。事実婚は、特に若年層や貧困者層の間で増加している。