ブラジル地理統計院(IBGE)が15日に公表した2017年度総合社会
指標によると、16~29歳の年齢層で仕事も勉強もしていない割合が15年以降
上昇している。こうした状態にある同年齢層の若者の割合は、12~14年の間
は22%台後半で推移していたが、15年は24%、16年には25.8%となってい
る。国内メディアが同日付で伝えた。
勉強している学生達の割合は安定している事から、この増加は、多くの若
者達が失業し、就職活動をあきらめたためと考えられるという。IBGEの
人口・社会指標調整部門アナリスト、ルアンダ・ボテーリョ氏は、「勉強を
せず、雇用されていない若者達の増加は、就学率低下の結果ではない。雇用
されていない若者が増えていることから来ている」と説明している。
4年前のデータとの比較では、同年齢層で勉強のみしている若者の割合は
3.4%増加した一方、仕事のみしている割合は5%減少し、勉強も仕事も
している割合は1.5%減少している。同年齢層の失業者数は12年の約40
0万人から16年は約630万人に増加した。同年齢層は16歳以上の全人口の
29.2%を占めるが、失業者数でみると全体の54.9%を占めるという。
労働市場調査の定義によると、「被雇用者」とは正式あるいは非正規な仕
事に就く人を指し、「失業者」は、求職中か、働く意思があるものの仕事に
ありつけない人を指している。
IBGEが公表した今回の調査では、経済危機に伴う「困難な問題」に加
えて、労働市場と性別における若者達に関するデータを照合する事により、
女性が主に家事の責任を持つといった「文化的な慣行」が、女性の若者達を
労働市場から締め出していることが示されている。
仕事も勉強もしていない若者達のグループにおける男女の割合の不均衡は
、経済危機に関わらず、12年から16年の期間に安定している。16年のデータ
でみると、男性が19%だったのに対し、女性の割合は男性よりも1.7倍高
い32.7%となっている。
仕事も勉強もしていない理由として男性が挙げた中で最も多かったのは、
住んでいる場所に仕事がないことで、44.4%(女性は32.1%)を占めた。
女性の場合、34.6%が家事や子供、親戚の世話を理由として挙げている。
男性の場合、この割合は1.4%だった。
サンパウロ新聞