南十字星からアジアQZSS(日)/IGSO(中・印)を眺める

グローカルイースト視点
アジアQZS/IGSO軌道モニタ
高橋冨士信 fj鷹@gmail.com

22.01.28 【特グ】QZS-1RとNavIC-1I衛星 同期太陽合に到達 印NavIC東西両輪と日本QZS群が並行太陽合へ 東京オミ株感染等差級数17631

2022年01月28日 | アジアンQZSS(日)/IGSO(中印)軌道
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2022.01.28 東京コロナ・オミ株新規感染者数は17631名です.オミ株感染者数は等比級数的増加段階から等差級数増加段階へ移行を終えたようです.

日QZS-1R衛星と印NavIC-1I衛星が同期準太陽合状態に到達しました.

春分までの2ヶ月間は印NavIC東西両輪と日本QZS群との並行太陽合モニタリングで忙しくなります.以下のグラフからわかりますように,グローカルな印NavIC東西両輪1I&1Eと,日本QZS-1R, QZS-1, QZS-2(P&M),QZS-4という,合計6種の日印衛星達の軌道上の並行β角の絡み合いが,すれすれ並行生起で生じて行きます.


この下図で,QZS-2(P&M)とはQZS-2PとQZS-2Mの2つの解のペアのプロットです.一般に楕円2次曲線に交わる太陽赤緯線の交点解は正反2つの解をもっています.太陽赤緯解の片方の絶対値が小さいうちは,交点2つのうちで次に交わる解は小さい方と明白にいえるので,グラフを複雑にしないため明白解プロットのみを用います.

この下図でQZS-2PとQZS-2Mの2つの解のペアのように,2つの解ともに絶対値が大きい場合には,どちらの解が次に交わる解になるかは不明白となります.こうした場合には,正反両方をプロットしておく方が安全ということとなります.

また明白解が存在するとみえるにしても最大四半期程度の期間です.四半期以上の時間をおって見てゆけば,やはり正反の両方をプロットしておくほうが安全確実であるといえます.

話を戻して,日印衛星系の太陽合ランデブーにこそ注目すべきです.近い将来のインド・太平洋地域での宇宙衛星・惑星系利用においては,この正反両方のランデブー解が月面・深宇宙・惑星間飛行において重要な役割を果たすことになるでしょう.

残念なのは日本の新QZS-1Rが,まだ脱皮できていないことです.多くのGNSS受信機の保有者にとっては,進行系の日印すれすれ太陽合ランデブーなどをQZS-1Rをリアルタイム受信しながら目撃をすることは難しいでしょう.非常に惜しいところです.リアルタイム・モニタリングは1年後に期待しましょう.

なお2020年の場合のGNSS衛星軌道と太陽合時のβ角の年周プロットの例は以下のとおりです.本年2022年と2020年を比較すると,全体として約10日分だけこのグラフのエベントは前倒しになっていることが分かります:1年に約5日の太陽合エベントの前倒しが起きています.



N2YOサーバによる本日のアジアンQZS/IGSO軌道群図を、以下のQZS/IGSO軌道描画フォームにアニメGIFを記録します.


アンカーとしては、静止精度が高く安定に保持されている日本のBSAT-4A(NORAD ID src="https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/60/af/72aaf22a6dce6d29aab70c9dc941a19a.jpg" border="0">


2010年に打上げを開始した日本QZS4機体制の貴重な経験の蓄積の上に立って,後継QZS衛星の打上げシリーズに入りました.来年度にかけて後継QZS3衛星含めて,7機体制への発展を目指しているとのことです.この後継QZS衛星がスムーズに皆さんのスマホで受信できる(当ブログでは,これを「スマホ脱皮」ないし「脱皮」と呼びます)ことを,内閣府QZSS司令塔には熱く期待しましょう.

日本QZSSは,中国やインドの円軌道IGSOとは異なり,より高度な軌道管制技術を要する,離心楕円の整った8の字軌道を描いて飛翔しています.当カテゴリーでは引き続き太陽合追跡に注目して,年周天文学的に後継みちびき衛星を記録してゆく予定です.また長期的かつ大衆的な立場から,人口が爆発的に増大しているインド・太平洋地域の視点から後継QZS/IGSO軌道のモニタを予定します.

2022年2月の北京冬季五輪時期において後継初の新QZS衛星が,2周波GNSS受信対応スマホでキチンとDual受信できる(当ブログでは,これを「脱皮」と呼びます)ところまでを期待しましょう.後継2機のGEOが脱皮できないとなると,寿命が近いとされるQZS-1を除くと,スマホでは3機のQZS軌道型衛星しか今後も受信できないこととなってしまいます.QZS-GEO3機の脱皮はないということになるでしょう.

衛星の軌道6要素は、春分点や軌道仰角や昇降点引数など殆どが太陽中心座標系と密接しています.太陽合エベントは衛星軌道運動の特徴を把握できる優れたキーといえます.特に月面着陸などの将来実験においてIGSO/QZSSの軌道運動位相を太陽系慣性座標(前世紀用語で歴表時系)規模で捉える基準として、太陽合同期状態の活用・分析が効果的といえるでしょう.

インド・太平洋宇宙連携の中核となる大国インドの宇宙大国化動向などユーラシア上空のQZSS/IGSO軌道運動を、測位衛星と太陽との天体エベントに注目して頂くことができればと思います.

平成期の日本宇宙陣は、欧米のMEO重視の壁を乗り越えて、先駆的RNSSとして脱MEOという大胆なQZS軌道測位衛星実現を頑張りぬきました.これが、アジアのGNSS情勢のMEOからの脱皮、端的にBDSS-IGEO/IGSOの充実を産み出したといえるでしょう.日本はQZSSを月面探査日印協力を基盤に軌道運動・測位へ活用展開を目指すべきでしょう.
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