南十字星からアジアQZSS(日)/IGSO(中・印)を眺める

グローカルイースト視点
アジアQZS/IGSO軌道モニタ
高橋冨士信 fj鷹@gmail.com

22.2.9 【特Q1】N2YOサーバは不調 日本の宝QZS-1スペースセグメント週末にも単独太陽合へ 印NavIC東西両輪と日本QZS群の太陽合β角グラフ 東京オミ株感染18287

2022年02月09日 | アジアンQZSS(日)/IGSO(中印)軌道
2020 2/09 NavIC西輪1I太陽合ピークアウトへ QZS-1太陽合へ順調 QZS-4の水平動きのまま

2020 2/09 NavIC西輪1Iは太陽合ピークアウトしつつあります。日本レガシーQZS-1は3月の太陽合へ向け順調です。QZS-4の太陽射影間距離は、まだほぼ水平動きのままで......

2021 2/9 東京新感染412 重症104 QZS-1太陽合2/20? BD3-IGSO-2,三姉妹BD-IGSO-1, -4, -7等太陽合3月下旬生起 QZS&NavICの瞬時TLE値

2019 02/09 アジアンQZS/IGSO軌道をNavIC(印)東西用に変更した2/4倍拡大横縦アニメGIF2019 02/09 QZS/IGSO軌道描画フォームでNavIC(......

2022.02.09 本日のN2YOサーバは不調でスナップショットの欠落が非常に多いです.
日本の宝として頑張ってきてくれたレガシースペースセグメントQZS-1が,今週末にも単独太陽合へ到達する予定です.QZS-1は12年という長い期間の8の字軌道の貴重な運用経験を暦とともに刻んできました.暦と季節は確実に進んでゆきます.本ブログは引き続きQZSS/IGSO軌道年周季節感を重視してゆきます.
スマホ特にiPhoneユーザはスマホの測位Map機能は地上系ネットのお陰と思っています.早くiPhoneも宇宙セグメントの受信データをオープンに公開してほしいものです.いまは宇宙セグメント衛星受信モニタリングは,アンドロイド・スマホの独壇場と言えるでしょう

東京オミ株感染者数は18287名です.


インド側NavICは南北対象IGSO軌道であり,日本側は南北非対称8の字軌道で,衛星軌道離心率は日印でノンゼロとゼロと大きく違う中で,しっかりと並行同期が続いています.今後β角グラフは,さらに拡張してQZSsとNavICsのβ角をトータルに把握しやすいようにしてゆきます.

この両衛星の並行飛翔状態を,月面・深宇宙・惑星間から見た場合には,日印両衛星間の数万km長の基線相対ベクトルの絶対値は,数週間にわたって安定にほぼ一定値を維持できていることを意味しています.両衛星間でレーザ通信や原子時計の位相制御などを行っていれば,安定に維持できる可能性を意味しています.

春分までの期間は,印NavIC東西両輪と日本QZS群との太陽合β角モニタリングで忙しくなります.以下のグラフからわかりますように,グローカルな印NavIC東西両輪1I&1Eと,日本QZS-1R, QZS-1, QZS-2(P&M),QZS-4という,合計6種の日印衛星達の軌道上の並行β角の絡み合いが,すれすれ並行生起で生じて行きます.

この図で,QZS-2(P&M)とはQZS-2PとQZS-2Mの2つの解のペアのプロットです.一般に楕円2次曲線に交わる太陽赤緯線の交点解は正反2つの解をもっています.太陽赤緯解の片方の絶対値が小さいうちは,交点2つのうちで次に交わる解は小さい方と明白にいえるので,グラフを複雑にしないため明白解プロットのみを用います.

このグラフでは,QZS-2PとQZS-2Mの2つの解のペアのように,2つの解ともに絶対値が大きい場合には,どちらの解が次に交わる解になるかは不明白となります.こうした場合には,正反両方をプロットしておく方が安全ということとなります.

また明白解が存在するとみえるにしても最大四半期程度の期間です.四半期以上の時間をおって見てゆけば,やはり正反の両方をプロットしておくほうが安全確実であるといえます.


話を戻して,日印衛星系の太陽合ランデブーにこそ注目すべきです.近い将来のインド・太平洋地域での宇宙衛星・惑星系利用においては,この正反両方のランデブー解が月面・深宇宙・惑星間飛行において重要な役割を果たすことになるでしょう.

残念なのは日本の新QZS-1Rが,やっと脱皮できたことです.多くのGNSS受信機の保有者にとっては,進行系の日印すれすれ太陽合ランデブーなどをQZS-1Rをリアルタイム受信しながら目撃をすることは難しかったでしょう.惜しいところです.リアルタイム・モニタリングは1年後に期待しましょう.

GNSS衛星軌道と太陽合時のβ角の年周プロットを,本年2022年と2020年を比較すると,全体として約10日分だけこのグラフのエベントは前倒しになっていることが分かります:1年に約5日の太陽合エベントの前倒しが起きています.

N2YOサーバによる本日のアジアンQZS/IGSO軌道群図を、以下のQZS/IGSO軌道描画フォームにアニメGIFを記録します.
アンカーとしては、静止精度が高く安定に保持されている日本のBSAT-4A(NORAD ID 42951)を、2019年から使用しています.
https://www.n2yo.com/?s=42951|42917|36828|37256|37384|37763|37948|41434|42738|37158|42965|39635|40547|41241|44441|43286|43539|44204|40938|40549|44709|44337|49336

N2YOサーバによる衛星軌道の表示がWEB上に現れましたら、各衛星マークをマウスオーバーすると衛星名が表示されます.インドや中国のIGSO衛星群にご関心の方は、是非ともご自身で個別衛星をマウスオーバーされて、ご確認ください.
QZS/IGSO軌道の3倍拡大縦アニメGIFを記録します.


日本のQZSみちびき5衛星の軌道プロットを記録します.
https://www.n2yo.com/?s=40940|42917|37158|42738|42965|49336

8の字衛星軌道は,西から東へQZS-1R,QZS-2,QZS-4, QZS-1と並んでいます.QZS-1Rの軌道のアポジー射影点は四国の上空に滞留しています.
今後,一番東の軌道のQZS-1のリタイアへ向け,一番西のQZS-1Rの軌道をどのようにランデブー飛翔させながら東にシフトさせてゆくかは,日本宇宙陣の腕の見せどころでしょう.




2010年に打上げを開始した日本QZS4機体制の貴重な経験の蓄積の上に立って,後継QZS衛星の打上げシリーズに入りました.来年度にかけて後継QZS3衛星含めて,7機体制への発展を目指しているとのことです.この後継QZS衛星がスムーズに皆さんのスマホで受信できる(当ブログでは,これを「スマホ脱皮」ないし「脱皮」と呼びます)ことを,内閣府QZSS司令塔には熱く期待しましょう.

日本QZSSは,中国やインドの円軌道IGSOとは異なり,より高度な軌道管制技術を要する,離心楕円の整った8の字軌道を描いて飛翔しています.当カテゴリーでは引き続き太陽合追跡に注目して,年周天文学的に後継みちびき衛星を記録してゆく予定です.また長期的かつ大衆的な立場から,人口が爆発的に増大しているインド・太平洋地域の視点から後継QZS/IGSO軌道のモニタを予定します.

後継2機のQZ-GEOが脱皮できないとなると,寿命が近いとされるQZS-1を除くと,スマホでは3機のQZS軌道型衛星しか今後も受信できないこととなってしまいます.

衛星の軌道6要素は、春分点や軌道仰角や昇降点引数など殆どが太陽中心座標系と密接しています.太陽合エベントは衛星軌道運動の特徴を把握できる優れたキーといえます.特に月面着陸などの将来実験においてIGSO/QZSSの軌道運動位相を太陽系慣性座標(前世紀用語で歴表時系)規模で捉える基準として、太陽合同期状態の活用・分析が効果的といえるでしょう.

インド・太平洋宇宙連携の中核となる大国インドの宇宙大国化動向などユーラシア上空のQZSS/IGSO軌道運動を、測位衛星と太陽との天体エベントに注目して頂くことができればと思います.

平成期の日本宇宙陣は、欧米のMEO重視の壁を乗り越えて、先駆的RNSSとして脱MEOという大胆なQZS軌道測位衛星実現を頑張りぬきました.これが、アジアのGNSS情勢のMEOからの脱皮、端的にBDSS-IGEO/IGSOの充実を産み出したといえるでしょう.日本はQZSSを月面探査日印協力を基盤に軌道運動・測位へ活用展開を目指すべきでしょう.
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