福岡の新しいランドマーク「大名ガーデンシティ」を訪れた際、ひときわ目を引くアート作品がありました。それは、真っ白な獅子のオブジェ。堂々とした佇まいで横たわり、訪れる人々を迎えていました。誰の作品かと思って説明を読んでみると、なんと「第30回・福岡県文化賞」を受賞した博多人形師・中村弘峰さんでした。
このオブジェがどのように制作されたのかは分かりませんが、まるで干支の置物を「ドラえもん」のビッグライトで大きくしたような、親しみやすさと存在感を感じました。
私が、美術館や博物館の前に設置されたアート作品を目にして思うのは「地元アーティストの作品が、どうしてもっと飾られないのだろう?」ということです。海外や国内有名アーティストの作品も素晴らしいのですが、国内外から福岡を訪れる観光客は、もっと福岡らしいものを見たがっているのではないだろうか? と思うのです。
その点、福岡には「博多人形」という、素晴らしい造形アートがあります。これを大きなオブジェにして街に飾ることは、福岡らしさを表現するうえで、とても魅力的なアイデアだと感じます。大名ガーデンシティだけでなく様々な所に、地元の博多人形師がデザインしたアート作品が設置されたら、福岡の街がもっと楽しくなりそうだな、と思いました。