虐待を受けて育った人には様々な後遺症が残ります。自尊心の欠如、愛情の損失、人間関係を築く上で社会で生きていく上で大きな困難を生涯にわたって背負うことになります。
珠莉愛は、「男女の愛情」を感じることができません。大学の頃、何気に圭から何度も気持ちを伝えられても「好きな友達。たった1人の友達。」としか認識ができません。まして、その頃の圭はリリカと付き合ってました。
圭とリリカのヨリが戻ってしまっても、仕方ないとだけ思って忘れて、珠莉愛は遠く離れた地で、自分の人生を1人で歩き始めます。
圭は、ずっと珠莉愛の事を思い続けながらもリリカにせっつかれて大学卒業後すぐにリリカと結婚します。専業主婦のリリカに搾取される日々の始まり。
圭は「ナヨナヨうじうじしたガキ」と健吾に評価されています。
見方を変えれば、健吾が2人を別れさせたんですが、まー父親としては、娘の婿にはしたくない男なのは確かです。
圭は、全てを失くして、やっと生まれ変わりました。珠莉愛に愛の告白をします。
その時、珠莉愛が「男女の愛って何?それが分からないの。言葉で簡潔に説明してくれる?学問としての概念なら理解出来るから。」
そう言われた圭は、言葉に詰まります。リリカの愛はお金。それは愛じゃない。愛とは何か。
至ってシンプルな答えを返します。その言葉は駿が夢だと語った言葉。出会った頃に聞いた言葉。
珠莉愛は、あの時駿が言った事は「愛している」という事だったと初めて気づきます。
やっと分かった。珠莉愛は、そう言いますが、その瞳は凍りついたままです。
やっと、クライマックスが終わった。これから、一気にラストスパート。
如月家、再会。