日本のホラー漫画も翻訳されて海外に羽ばたいているようだ。昔から日本の背筋がぞわぞわするホラーと、海外の心臓が口から飛び出そうなギョっとするホラーには若干の隔たりがあったようだが、以下の13作品はアメリカ人であるタナー・グリーンリングが閲覧注意の太鼓判を押し、酷く心を不安にさせたものであるという。
割と有名な作品が多いのでホラー漫画好きのお友達なら一度は読んだことがあるだろう。以下は海外人によって書かれたあらすじと感想であるが、総じてストーリーはかなり難解であると評している。というか伊藤潤二先生の作品がかなり多くをしめているのは、今のアメリカの流行りなのだろうか?楳図かずお先生の作品が入っていないことが意外だった(原作は1点あった)。何かの規制があるのかな?
. 阿弥殻断層の怪(『ギョ 2』に収録)/ 伊藤潤二
地震によって山の斜面に無数の人型の穴が出現した。やがて人々は自分の形にぴったりの穴を探し回るようになる。ぴったりの穴を見つけた者は取り憑かれたかのようにその中に潜り込もうとする。その結末を読めば、何週間も頭に焼き付いて離れないだろう。
ギョ 2 (ビッグコミックス)
2. ホムンクルス / 山本英夫
車上生活を送るホームレスの男は、止むを得ずトレパネーションという頭蓋骨に穴を開ける実験的手術を受けることに同意する。手術後、彼の目に見える世界は一変し、人々の隠された本性が分かるようになる。
ホムンクルス コミック 1-15巻セット (ビッグ コミックス)
3. うずまき / 伊藤潤二
住人がうずまきに心を奪われた街を描く。うずまきの背後にある超自然的な力によって、いたるところにうずまきが現れ始め、人々は自分自身や周囲をうずまきに変えるという妄想に取り憑かれる。
ギョ 2 (ビッグコミックス)
4. 後遺症ラジオ / 中山昌亮
大部分が人間の髪の毛を依代とした幽霊にまつわる物語。身の毛もよだつその描写は、読み終わった後も脳裏から離れることはない。
後遺症ラジオ(1) (シリウスKC)
5. ドラゴンヘッド / 望月峯太郎
修学旅行から帰途中の中学生が大勢乗っている新幹線が、トンネルの中で大地震に遭い、脱線事故を起こしてしまう。わずかに生き残った学生たちは、クラスメートの遺体が腐敗していく極限状態から脱出を図ろうとする。ギリギリまで追い込まれた少年たちの苦悩を描く。
6. 人間椅子 / 伊藤潤二(原作 江戸川乱歩)
貧しい椅子職人は、世にも醜い容貌のせいで、常に孤独だった。惨めな日々の中で思いつめた男は、納品前の大きな肘掛椅子の中に身を潜める。その椅子は、若く美しい夫人の住む立派な屋敷に運び込まれ・・・
伊藤潤二自選傑作集 (朝日コミックス)
7. ギョ / 伊藤潤二
蜘蛛のような足を生やした魚たちが地上を侵略する。だが、その事実はこの物語で起きる数々の奇妙でおぞましい出来事に比べれば、些細なことでしかない。
ギョ 1 (ビッグコミックス)
8. 自殺サークル / 古屋兎丸
54人の女子高生が笑顔で電車に飛び込み、自殺を図るシーンで物語は幕を開ける。たった1人だけ生き残った少女は、死に取り憑かれ、未遂に終わった自殺を成し遂げようとする。
自殺サークル
9. エマージング / 外薗昌也
人通りの激しい東京の街中で、あるサラリーマンが謎の病気によって血を撒き散らしながら倒れる。血液を通して感染したウイルスは、やがて急激に広まりパニックを巻き起こす。
エマージング コミック 全2巻完結(モーニングKC)
10. 絶食 / 江口寿史(原作 楳図かずお)
摂食障害に陥った少女を描いた短編。体重が落ちるにつれ、少女はかつて想いを寄せていた少年からも注目されるようになる…が、同時に抑えきれない飢えにも襲われる。
11. 毒虫小僧 / 日野日出志
カフカの『変身』をゴア表現たっぷりに描いたかのような作品。何をやらしてもダメな少年が謎の虫に噛まれたことで、不気味な怪物に変身し、家族や付近の住民から迫害を受ける。
怪奇! 毒虫小僧
12. HE∀DS / 間瀬元朗(原作 東野圭吾)
拳銃で撃たれ意識を失っていた成瀬純一は、脳の移植手術を受け、奇跡的な回復を遂げる。しばらくすると、好きだったはずの彼女のそばかすがどうにも気に入らないことに気づく。移植された脳から支配されるようになるにつれて、人生が変わり始める。
HE∀DS 全4巻完結 (ヤングサンデーコミックス) [マーケットプレイスセット]
13. 不安の種 / 中山昌亮
のっぺらぼうや、ジャパニーズホラー『呪怨』に登場したような大きな目の幽霊にまつわるオムニバス形式の作品。ここで紹介した作品よりも軽めで、時におかしさを感じさせるようなエピソードもあるが、不気味であることには変わりがない。
不安の種+全4巻 完結セット (少年チャンピオン・コミックス)
via:buzzfeed・Translated hiroching
中山昌亮先生の 「不安の種」をもってくるあたりはわかっているじゃないかといったところだが、他にもメジャーどころだと、松本 光司先生の彼岸島や、岩明均先生の寄生獣、心理的にゾクっていうのだと、松浦だるま先生の累とか岡部閏先生の世界鬼なんかも面白いよね。