風がとまったよ
今なら 行けるだろう
人の気持ちを知ってか
知らずか・・・
あの日と同じように
発泡トレイに入れたミルクを
飲み干して
君は満足気な顔をした
舌打ちして 手のひらを差し出すと
震えながら まっすぐにその手を
めざして来る 君の目線は
今日はずっと 遠くを見ている
手のひらにもう乗らなくなった
体を離すと
尻尾を立てて振り向きもせずに
歩き出した
まるで 何もなかったように。
あの日と違っているのは
ただ それだけ・・・