夕方近くになると 彼女は
背もたれのしっかりした
お気に入りの椅子に
深々と腰かけ
肘掛に手を
静かに乗せ
ゆっくりと 遠くを見る
私の声が
耳に入っているのか
あるいは
わざと聞こえないふりを
しているのか
口を開いては
何かを言おうとするが
声にはならず
ほんの少しだけ
ほほえむ
それは
太陽のきまぐれだろうか?
その時に見た
彼女の額のシワの深さが
この眼に
誇らしげに焼きついた
わたしもあなたとおなじ昭和うまれ・・・
夕方近くになると 彼女は
背もたれのしっかりした
お気に入りの椅子に
深々と腰かけ
肘掛に手を
静かに乗せ
ゆっくりと 遠くを見る
私の声が
耳に入っているのか
あるいは
わざと聞こえないふりを
しているのか
口を開いては
何かを言おうとするが
声にはならず
ほんの少しだけ
ほほえむ
それは
太陽のきまぐれだろうか?
その時に見た
彼女の額のシワの深さが
この眼に
誇らしげに焼きついた
わたしもあなたとおなじ昭和うまれ・・・