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弁護士・元ロースクール教授宮武嶺の社会派リベラルブログです。

今、大事なこと  ラディカルとリベラルの対話4

2015年07月19日 | ラディカルとリベラルの対話

 

御苑のベンゴシ 森川文人のブログより、「今、大事なこと


 今、大切な友達、そしてリベラルを「自称」する徳岡くんと「対話」しています。面白くなってきました。http://blog.goo.ne.jp/raymiyatake/e/bd829bac4a4eb7c6dfab031cd50c4397

 徳岡くんは言います。
 「ここで、日本が攻められた場合に自衛するのも戦争だからやるべきではない、などという議論を始めたら、多数の国民にはそっぽを向かれるのは必定です。
 自衛の名のもとに侵略戦争が行われてきた、軍隊というものは他国の敵より自国の民を踏みにじるなどという議論は、私も『平時』にはこのブログでも再三展開してきましたが、この緊急時にそんな話をしている余裕はないのです。
 個別的自衛権の問題は、集団的自衛権の大波を押し返してからゆっくり議論をすればいい。
 ラディカルが本当に戦争を阻止したいなら、小異を捨てて大同につく。
 大同団結が今こそ大切です。」

 ・・・徳岡くんは、いい奴だなあ、とは思うのです。立憲主義を信じ、民主主義を信じているのだと思います。

 ただ、今、私たちに突きつけられているのは何か?その「焦点」はどこにあるのか?という点の捉え方は私と違っているように思います。

 徳岡くんは「この緊急時にそんな話をしている余裕はないのです。個別的自衛権の問題は、集団的自衛権の大波を押し返してからゆっくり議論をすればいい。」と言います。つまり、今は、集団的自衛権行使容認に踏み切る法案の成立を阻むことこそが、喫緊の課題、だというのでしょう。

 私は、そうなのかな?とずっと思っています。

 



 具体的な「緊張関係」は、東アジアにあるからです。つまり、中国のバブル崩壊と突破のための軍事的強硬政策の展開(軍事費増強、南シナ海の「滑走路」建築等)、韓国のゼネストによる支配の危機、北朝鮮政府の崩壊(側近等の相次ぐ粛清)への秒読みを踏まえて、日本政府が具体的に見ているのは、中国との緊張を背景にした、いわゆる朝鮮有事でしょう。そのために、戦後初めて日本政府側から防衛協力拡大を働きかけ日米ガイドラインに「離島防衛」も書き込ませ(4/27)、民主や維新は「尖閣諸島への中国軍の進出」を想定して「領海警備法案」の共同提出(7/8)をしています。

 私は、昨年7・1閣議決定に端を発する集団的自衛権の行使にクローズアップさせた政府の突出の狙いは、よく例にあげるホルムズ海峡よりも、この「朝鮮半島有事」にあるのだと思っています。つまり、そこにある軍事的危機への慣らしとして大きく集団的自衛権の問題から立ち上げているのでは?ということです。

 徳岡くんは「ここで(注 今という意味でしょう)、日本が攻められた場合に自衛するのも戦争だからやるべきではない、などという議論を始めたら、多数の国民にはそっぽを向かれるのは必定です。」と言います。

 そうなのでしょうか? 多数の国民の意思は自衛戦争肯定なのでしょうか?

 私は、そうは思いません。もちろん、国際的な労働組合の組織が第一次世界対戦の勃発と同時に、祖国防衛主義に走ってしまった「第2インターナショナルの崩壊」の歴史があるからこそ、私も自分の想いを発信しているのですが、私は、多数の国民(どこの国の国民だろうと)は、集団的自衛権だろうと、個別的自衛権だろうと、邦人救出だろうと、あらゆる名目で行われる侵略戦争、強盗戦争としての本質を持つ戦争に動員され、誘導されることに反対する「戦争」の経験と「戦後」的な大衆的記憶を持っていると思うのです。若い人にも引き継がれているし、新たに芽生えてもいるのでしょう。21世紀の世界も戦争だらけですからね。

 むしろ、この今の「戦争法案」反対の盛り上がりを、再び「利用」されないためにも、「専守防衛」や「個別的自衛権」の名であろうが、意味のない1%のための戦争全てへの反対を明確にし、伝えあうことは「今こそ」大事なことではないかと思うのです。
 
 99%の仲間、日本だけではなく、世界中で自国の大資本の犠牲になって搾取されている仲間の団結と連帯を信じ、声をあげていきましょう!




森川くん支持者が徐々に増えていて、内心焦ってます(笑)。

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7 コメント

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危急存亡 (Anonymous)
2015-07-19 12:12:59
可能性としては存亡の危機が起こることはあり得るでしょう。
その際に備えた立法を試みること自体はおかしいことではありません。
ただ、対象となる危機と対処の内容と責任の所在は明確でなければいけないと思います。
立法根拠は国民福祉以外にはあり得ない訳ですから、それに反する内容を盛り込むことはもちろん違憲です。
まあ既に武力行使と公安をその機能に入れちまってる一部違憲な自衛隊を使うってのはそもそも論からして違憲だと思うんですがね。
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Unknown (kei)
2015-07-19 13:41:25
おそらく、平時にその質問をされた場合には「全ての戦争に反対」と言う人が多いとは思うのですが、9・11の時のように冷静さを欠き、「やられたらやり返すのが当然」と言う人は増えると思います。
日本は死刑制度を肯定している国でもありますからね。感情論に走り易い傾向は有るかと。

不自然なまでの嫌韓中の空気が何故作られたのかを私はずっと訝しく思っていましたが、ここに繋がるのですね。
支配層の企みを阻止する為にも、今から「自衛戦争否定論」について議論を深めておく必要は有るのかもしれません。

多分、自衛戦争を肯定する人は「正当防衛」を想定しているのですよ。でも、恐らくその可能性は無いに等しいのだと思います。世の戦争とはほぼ全て自衛を主張する国の1%側の人間の企みによって起こされてきました。戦争には正当性なんて無いのです。

そこを踏まえることがまず必用なのでしょうね。
返信する
Unknown (森川文人)
2015-07-19 14:43:18
誰の「存亡の危機」なのか、誰が「やられた」のか、を見極めることだ大事だと思っています。戦争をしようとする資本と政府を滅亡させ、戦争をやめる、ということはあり得ます。自分を国と同一視させようという策動=ナショナリズムに抗して、自分にとってどうか?と問うことが大事だと思います。
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今度のガイドラインの「離島防衛」の内実について (L)
2015-07-21 13:46:33
 こんにちは。安倍は”南シナ海で中国とやる”と言っているようですが、アメリカ筋の腹は違うでしょう。経済超大国中国とアメリカをはじめとする国々はいわばシャム双生児のようにつながっており、中国を攻撃すれば自分も出血多量で死んでしまいます。つまり、何百兆何千兆の金の貸し借りや取引の動きで結びついていて、大きな何かが起きただけで、金の動きが滞ったり、激しく逆流したり、雲散霧消したりして大恐慌になってしまいます。逆もしかりです。
 アメリカは、日本の軍事的肩代わりを当て込んで軍事費を削減したといいますから、相手は熱核戦争まで覚悟の中国ではないでしょう。水島朝穂さんの見立てだと「アフリカ」だそうです。残された最後の資源や市場がありますが、アフリカ諸国と英仏など旧宗主国によってアメリカは懐になかなか手を突っ込むことができないところです。ここに、平和国家ヅラさせた自衛隊を送り込む腹だそうです。
 また、今度のガイドラインの「離島防衛」の内実についてですが、http://lib21.blog96.fc2.com/blog-entry-3247.html#trackback によると、前のガイドラインと同じで、自衛隊が第一の責任を持つ約束で米軍は、The United States Armed Forces will conduct operations to support and supplement the Self-Defense Forces' operationsだそうで。
 もちろん、米国憲法・安保条約に従い、無人の岩礁のために米兵の命はかけないという腹に則って、議会は参戦の承認はしないでしょうね。
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腑に落ちました (リベラ・メ)
2015-07-22 11:26:07
森川氏の「自分と国を同一視させる=nationalism」を聞いて、腑に落ちました。日本への批判や抗議に対して、何故あれだけ過敏に反応するのか…と思っていましたが、合点がいきました。そう云う動きに染まって流されないようにしないといけませんね。
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なるほど (kei)
2015-07-23 10:13:24
森川さんの指摘は目が覚めますね。

慰安婦問題で「日本を責める韓国」という図式をまるで「自分が文句を言われているように感じる」と言う友人が居まして、「違うよ、あれは韓国政府の責任としてが日本政府に責任を果たすよう申し入れている事で、あなた個人に文句は言ってないでしょ。」と言ったところから、徐々に聞く耳を持ってこれるようになったのでした。

人ってそんなものなのですね。生真面目で純粋な人ほどナショナリズムに陥りやすい危うさを感じます。
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排外的ナショナリズム (森川文人)
2015-07-24 18:21:30
ナショナリズム、とか国家、民族、人種という概念から「自由」にあることはかなり難しいことですね。私だって完全に自由とは思えません、つい、サッカーでも日本代表を応援してしまうし・・・。まあ、それくらいはいいのかもしれないけど、なぜ、自分はそうなのか?日本代表チームが出ていなければ、アジアという観点で中国代表チームを応援したりするのか、そうしない心情はなんなのか、と常に自分を問うようにしています。
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