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弁護士・元ロースクール教授宮武嶺の社会派リベラルブログです。

ウクライナのゼレンスキー大統領が電撃来日しG7広島サミットにも参加。せっかく憲法9条を持ち戦争放棄と武力不保持を誓った日本は、ウクライナに殺傷能力のある兵器を供与することだけはしてはならない。

2023年05月20日 | ロシアによるウクライナ侵略

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 ウクライナの公共放送「ススピーリネ」によると、ウクライナのダニロウ国家安全保障防衛会議書記は2023年5月19日、ゼレンスキー大統領が広島市で開催中の主要7カ国(G7)サミットに参加するために訪日すると明らかにしました。

 ダニロウ氏は

「我が大統領の出席は、我が国に起きている出来事について、明確な提案、明確な根拠を提供するために重要だ」

と述べました。

 そんなに堂々とゼレンスキー大統領が来るっていっちゃって、警護は大丈夫なのかと思っていたのですが、ウクライナの国家安全保障防衛会議の報道部はその後、ゼレンスキー大統領が広島市で開催中の主要7カ国(G7)サミットに、訪日ではなくオンラインでの参加をすると発表しました。

 しかしまあ、ゼレンスキー氏はもうサウジアラビアまでは来ているのですから、日本にも来るのでしょう。

戦争当事者のウクライナのゼレンスキー大統領に日本の国会で演説させるのは、憲法9条を持つ平和国家日本として非常に危険。「参戦」を求めてくる同大統領の「煽り」に浮足立つくらいなら今からでも断るべきだ。

ウクライナのゼレンスキー大統領国会演説に備える。どんな「突風」が吹いても落ち着いて。日本は憲法9条を持つ平和国家で他のG7の国々のような「普通」の国にはならないという断固たる意志を示そう。

ゼレンスキー大統領が国会でオンライン演説。日本政府が「真珠湾攻撃には触れないでくれ」と要望(呆)。理不尽な戦争で攻撃を受けている国の代表者を呼ぶならベトナム戦争のホーチミン氏も呼ぶべきだった。

 

 

 そのゼレンスキー大統領が日本の国会でオンライン演説するときにも何度も書いたのですが、日本のナショナリズムと軍国主義がこれで勃興する可能性はあり、それは非常に危険で、恐ろしい話です。

 しかも、ウクライナに軍事支援をしているNATOの主要国がこのG7には結集しているのですから、当然、ゼレンスキー大統領はもっと兵器を、もっと軍事支援を、と力一杯アピールするに決まっています。

G7広島サミットに向けて、イギリスからウクライナへの劣化ウラン弾供与中止を呼びかける新たなネット署名運動が始まりました!(今回の署名は簡単です!)。私も賛同しました!ぜひご協力を!
 
 
米独がウクライナへの戦車提供を決定。ウクライナ戦争はより危険な領域へ。国連憲章に反してウクライナを侵略し、戦争犯罪を繰り返しているロシアのプーチン大統領は直ちに停戦し軍を撤退させるべきだ。

 

 

 そのサミットの議長国である日本は、ウクライナ戦争を口実に大軍拡を進めようとしており、反撃能力=敵基地攻撃能力=先制攻撃能力まで具備しようとしています。

 そして、武器輸出禁止三原則を緩和に緩和した防衛装備移転三原則をさらに緩和して、ウクライナにも武器を供与できるような体制にしようとさえしています。

 ゼレンスキー大統領来日の衝撃に便乗して、日本の産軍複合体に押された岸田首相がよもやの殺傷兵器供与までゼレンスキー大統領に約束しないように監視し、もしちょっとでもそんなことを口の端に乗せようものなら、猛烈に抗議する覚悟を良心的な市民は持っておかなければなりません。

中古防衛装備の輸出条件を緩和 政府、戦車やミサイル: 日本経済新聞

下から二つめの「被侵略国」にウクライナは該当してしまう。

岸田政権が殺傷能力を持つ武器も輸出解禁をもくろむ!戦車、ミサイル、次期戦闘機も輸出。安倍政権が武器輸出禁止3原則を放棄した結果が今ここに。憲法9条を持つ日本が死の商人になることは許されない!

岸田政権がウクライナ戦争に乗じて日本を「死の商人」にしようとしている。「同志国」に「防衛装備品」=兵器を提供し、ODA対象外の軍支援「政府安全保障能力強化支援(OSA)」に踏み出す方針。

岸田首相がG7サミットの「地ならし」と称して欧米各国を歴訪中。バイデン大統領への防衛費倍増と兵器爆買いの手土産も言語道断だが、憲法9条を持つ日本はウクライナに絶対に軍事援助を約束するべきではない。

 

 

 しかし、ロシア軍によるウクライナ市民の虐殺・強姦・子どもの連れ去りなどの戦争犯罪を防ぐために、現状でNATOがウクライナに軍事支援をしていることはいたしかたなく、必要な事ではあります。

 それは第二次大戦でナチスドイツに抵抗するフランスなどのレジスタンスやユーゴスラビアなどのパルチザンに連合国が武器の供与などさまざまな軍事支援をしていたのと同じこと。

 また、大日本帝国の軍隊に抵抗している中国の国民党軍に、欧米が蒋介石ルートを通じて軍事支援していたのとも同様です。

 どんなに徹底した非軍事的解決を模索する立場でも、かつてのナチズムや絶対的天皇制の軍隊による市民の大虐殺を見過ごさずに、連合国側の欧米が被侵略国を軍事支援したことを非難する人はいないでしょう。

これだけ他国に攻め込んで自分の国土の何十倍も占領しておいて、全部「邦人保護のため」「自衛のため」と言い張った大日本帝国。

プーチン大統領がウクライナ侵攻を「自衛」の軍事作戦だと正当化。大日本帝国が「自衛」戦争だとして中国を侵略したのとそっくりだ。すべての侵略戦争は「自衛」目的で始まる。だから憲法9条が必要なのだ。

ウクライナのゼレンスキー大統領が、米国議会の演説で日本軍による「真珠湾攻撃」を持ち出したことに狼狽する右翼の貧困なる精神。戦前の大日本帝国は今のロシアと同様の悪質な侵略国家だったの!

 

 

 そして、ロシア軍がウクライナ侵略の中で、原発攻撃、無差別殺戮、強制連行、強姦などの戦争犯罪を繰り広げていることを否定できる人もいないはずです。

れこそナチス以来の戦争犯罪。

ロシアがウクライナの民間人に数百発のクラスター爆弾を使用。ウクライナ全土のインフラ施設にミサイル攻撃。ザポロジエ原発がロシアのミサイル攻撃で外部電源停止。ウクライナ戦争を泥沼化しているのはロシアだ。

橋下徹氏がロシアへ強制連行されたウクライナ市民について「ロシアに避難ができて命が守られるのであれば、僕は重要な選択肢だと思うんです」。強制連行自体がジェノサイド条約違反の戦争犯罪なんですが?

国際刑事裁判所が戦争犯罪容疑でプーチン大統領らに逮捕状発令。国連人権理事会が殺害・性的暴行・子どもの連れ去りなどロシア軍の戦争犯罪があったとする調査報告書を公表。橋下徹氏、伊勢崎賢治氏らは沈黙。

 

 

 ロシア軍によるブチャなどでの虐殺は日本のテレビ局も「報道特集」などで実証しました。

なぜウクライナのゼレンスキー大統領は停戦できないのか。それはプーチン大統領が領土の割譲を禁じ刑罰を科する規定を憲法などに設けたため、停戦交渉でロシアが併合した地域を返還することが不可能だからだ。

国連総会での非難決議、経済制裁、パリ五輪からの締め出し、そしてフィンランドのNATO加盟。ウクライナを侵略したロシアに「お灸」が据えられることで侵略は割に合わないと全世界に知らしめることが大事。

国連総会がロシア軍に対して「即時・完全・無条件」の撤退を求める決議を圧倒的多数で可決。ウクライナのインフラ・民間施設への攻撃の停止も求め、ロシアの戦争犯罪に対する調査と訴追の必要性を初めて明記。

 

 

 ロシア軍はウクライナ全土で国際法違反のクラスター弾も使用しています。

ウクライナ「キーウ州全域奪還」 市民多数犠牲、虐殺か - 日本経済新聞

ロシアがウクライナの民間人に数百発のクラスター爆弾を使用。ウクライナ全土のインフラ施設にミサイル攻撃。ザポロジエ原発がロシアのミサイル攻撃で外部電源停止。ウクライナ戦争を泥沼化しているのはロシアだ。

英国からウクライナへの劣化ウラン弾の供与を「核の成分を使い始めた」と称して、ロシアがベラルーシに戦術核兵器を配備するのはNPT条約違反。ロシア自身が劣化ウラン弾を保有・使用しているのに言語道断だ。

プーチン大統領がロシアの新しい「外交政策の概念」を発表。「ロシアは独特な国家文明で単なる国家ではなく、ユーラシアと太平洋地域の強国として特別な地位」「自国民の保護のため他国に侵攻する」(恐)。

 

 

 だから、ウクライナへの軍事支援も今は必要不可欠な事なのですが、それはやはりあくまでも緊急避難的な措置であり次善の策であって、軍事的な支援や解決はいつまでも続けていいことでも続けられることでもないことも事実です。

 もちろんまずは、戦争の違法化の今現在の到達点である国連憲章に記載されている侵略戦争だけは許されないという一線を踏み越えたロシアの蛮行は許してはなりません。

 しかし、人類が生き残るためには、いずれは国連憲章のその侵略戦争だけを禁止するという到達点を超えて、あらゆる戦争の放棄と武力の不保持という理想を掲げた日本国憲法9条が志向する非軍事の世界に、国際社会全体が向かわなければなりません。

 だから、その憲法9条を持つ日本だけは平和を希求し、勇気をもってG7の中でも独自の立場を取り、ウクライナ戦争後の世界で平和的な貢献をできるように準備をしているべきですし、現在のウクライナへの支援も非軍事的・人道的なものに限定して行なうべきなのです。

平和構想提言会議が岸田政権の安保3文書を批判して「戦争ではなく平和の準備を―“抑止力”で戦争は防げない―」を発表!「軍拡のための『戦略』ではなく、平和のための『構想』こそが求められている」。

ロシアによるウクライナ侵略開始から1年(完結編)。日本が果たすべき役割は非軍事と人道的支援に徹底した関与と、核兵器禁止条約に参加して米ロなど核保有国と全世界が核兵器を廃絶することに貢献することだ。

 

 

 ところで、G7広島サミットで、バイデン大統領ほか各国首脳が広島の原爆資料館に行ったという報道を聞いて、実は私は本当に驚いたし、正直嬉しかったですね。

 もちろん、G7首脳がそろって資料館を訪れるのは初めてで、しかも岸田文雄首相の案内で視察し、各国首脳は被爆者とも対話したのだそうです。

 曲がりなりにも日韓の関係が正常化の方向に転換したのに続いて、「外交の岸田」の面目躍如、岸田政権の唯一の得点といったところです。

広島サミット開幕 G7各国首脳が原爆資料館を見学 慰霊碑に献花 歴史的な1日に|FNNプライムオンライン

 

 

 ただし、原爆資料館に各国首脳がいたのはわずか40分!(-_-;)

 あの資料館をちゃんと見るには半日、少なくとも数時間はかかりますから、彼らの訪問は儀礼的なもので、これで先進国首脳が核兵器の恐ろしさにあらためて目覚める。。。。という効果は期待できません。

 現に、岸田首相はその19日夜、廿日市市・宮島で行なわれたG7首脳によるワーキングディナーで、

「NPT(核拡散防止条約)の維持・強化を図ることこそが、『核兵器のない世界』を実現する唯一の現実的な道」

と語りました。

広島選出で「核のない世界」を目指すことを売り物にする岸田首相が、首相としての初めての広島平和祈念式典での挨拶で、核兵器禁止条約について触れないだけでなく、一言も「核兵器廃絶」とさえ言わなかった。

本気で核廃絶をめざす気もないのに、コロナ感染拡大と統一教会・安倍国葬問題から海外逃亡してNPT再検討会議に出席した岸田首相が、案の定、核禁条約について触れず。恥さらしは早く帰ってこい!

今日やっと開会する国会を放って、政権浮揚のために2月にウクライナに行くという自己中な岸田首相。憲法9条を生かして両国を平和的に調停するのではなくウクライナ支援をテコに軍拡を進める岸田政権は超危険だ

 

 

 つまり、核保有国に対して核兵器禁止条約の締結を求める国際世論には背を向け、核保有国の核兵器は温存して拡散しないことだけに専念すると言うわけで、岸田首相がしょっちゅうお題目のように唱える「核のない世界」は口先だけなんです。

 こんなことでは、NPT条約で核保有が合法化されているロシアが核兵器を使うぞという威嚇をしつづけていて、そのせいでヨーロッパに核戦争の危険が具体的に迫っている現状はむしろ固定化されてしまいます。

「唯一の被爆国」日本と言いながら、アメリカの核の傘の下で、核兵器の脅威の継続を積極的に支持しているのも岸田首相なのです。

ロシア専門家の廣瀬陽子慶大教授が「核が抑止力でなくロシアの自由度を高めている。核抑止論者にとっては衝撃的」。岸田首相はNATO首脳会議でなく、核兵器禁止条約の第1回締結国会議に出席すべきだ。

「ロシアが核の威嚇射撃を行い、NATOがこれに小型の攻撃で応戦すると、最初の数時間に9000万人以上の死傷者が出る」(プリンストン大学)。核兵器禁止条約の全国家批准しか、人類の生き残る道はない。

 

 

 G7サミットで目一杯目立って、6月の解散、7月の衆院総選挙を虎視眈々と狙っているであろう岸田首相。

 正直、その通りに実行されてしまうと、今のまともな野党の様々な問題、ゆ党や悪党の暗躍を見る限り、与党や悪党が圧勝してしまう恐れは十分あります。

 その形勢を一気に逆転するような起死回生の一打があるわけではありません。

 サミットの議長国として岸田首相がやり過ぎな行動をすればすかさず正確に批判する。

 そういう地道な努力をコツコツと積み上げるしかないと覚悟して、5月20日のゼレンスキー大統領来日、21日のG7サミットへの参加を監視したいと思います。

 

大久保賢一弁護士(日本反核法律家協会会長)がウクライナ危機に乗じる核共有論者や非核三原則見直し論者を弾劾する。「彼らは、人類社会に死をもたらす死神の手先なのだ」。

 

 

ラディカル弁護士の親友森川文人くんはもう何日も前から広島に乗り込んで、G7広島サミットそのものに反対し、もちろんゼレンスキー大統領来日にも反対。

それどころか前から、プーチン政権打倒!ゼレンスキー政権打倒!!とまで言ってます(笑)。

彼らから見たら、岸田首相がG7の首脳を連れて形ばかりの原爆資料館見学をさせたパフォーマンスに喜んでいる私などは噴飯物で、だからリベラルはダメなんだと思っていると思います。

でも、それだけでもいかに大変かもよくわかるんですよ、核兵器廃絶運動をしてきた人間なら。

ノーベル平和賞をもらったオバマ大統領だって原爆資料館で見学はしませんでしたよね(10分間ロビーにいただけ)。

だから、原爆投下国のアメリカのバイデン大統領を含む首脳全員を原爆資料館に連れて行き、被爆者の方々にも会わせたというのは、岸田首相のレガシーになると私は思ってます。

甘ちゃんだから(笑)。

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ウクライナ政府の高官は、ゼレンスキー大統領が来日し、G7広島サミットに対面で出席することを明らかにしました。
ゼレンスキー大統領としては、G7サミットに対面で出席することで、ウクライナへのさらなる支援を訴えるものとみられます。

ウクライナ政府で安全保障を担当する国家安全保障 ・国防会議のダニロフ書記は19日、現地の公共放送のインタビューに対し、ゼレンスキー大統領が来日し、G7広島サミットに対面で出席することを明らかにしました。

そのうえでダニロフ書記は、「非常に重要なことがサミットで決まる。ウクライナの利益を守るためにも、ゼレンスキー大統領が現地に行くことが重要だ」と述べ、サミットに出席する意義を強調しました。

ゼレンスキー大統領は、5月に入り、ドイツやイギリスなどヨーロッパ各国を相次いで訪問し、ミサイルや無人機などの軍事支援を取り付けました。

その後、イギリスなどが、ウクライナのパイロットに戦闘機の訓練を実施するほか、戦闘機の調達などを支援する「国際的な連合」の構築を進める方針を示していて、ゼレンスキー大統領としては、G7サミットでも、かねてから求めてきたF16戦闘機の供与などウクライナへのさらなる軍事支援を訴えるものとみられます。

また、G7サミットにはインドやブラジルなども招待国として参加する予定で、ウクライナへの支援に消極的な姿勢をとる国との議論も行われるかが焦点となります。

日本政府関係者 “大統領は20日にも来日”

ウクライナの政府高官が、ゼレンスキー大統領がG7広島サミットに対面で出席することを明らかにしたのを踏まえ、日本政府は、日程の詰めの調整や警備態勢の確認などを急いでいます。

政府関係者によりますと、ゼレンスキー大統領は、20日にも来日し、21日のウクライナ情勢に関する討議に、G7各国の首脳らとともに参加する方向で調整が進められているということです。

また、岸田総理大臣との首脳会談や原爆資料館の訪問なども検討されています。

一方で、日本政府は、19日夕方の時点でも、公式には、ゼレンスキー大統領はオンラインでサミットに出席する予定だとしたままで、議長国として安全面で万全を期すため、情報保全を図る考えもあると見られます。

“訪問の際 バイデン大統領と首脳会談” 米有力紙

アメリカの有力紙、ニューヨーク・タイムズは、ゼレンスキー大統領がいつ広島に到着するかについて複数のアメリカの政府関係者は安全上の理由から明らかにしなかったとしています。

そのうえで、ゼレンスキー大統領が広島を訪問した際には、アメリカのバイデン大統領と首脳会談を行うことになるだろうと伝えています。

また、インドのモディ首相やブラジルのルーラ大統領などもG7広島サミットに招待されていることを踏まえ「ゼレンスキー大統領がG7に出席することで、インドやブラジルなどの指導者らがウクライナ支援に対して消極的な姿勢をとり続けることをより難しくする可能性があると、アメリカの政府関係者は指摘している」と報じています。

ゼレンスキー大統領のねらいは

ウクライナのゼレンスキー大統領は、欧米側に軍事支援を継続、強化するよう直接対面で訴え、領土奪還に向けた反転攻勢の成功につなげたい考えです。

また、サミットを通じてロシアへの圧力が一層強まり、ロシアを国際的に孤立させることを期待しています。

広島での会合には、グローバル・サウスと呼ばれる新興国や途上国も出席し、中間的な立場をとっている国も少なくないことから、幅広く支援を訴えたいとの考えもあるものとみられます。

また、核をめぐる議論も重要なテーマととらえています。

ロシアのプーチン大統領は、核戦力の使用も辞さない構えを繰り返し示しています。

そして、ロシア軍が占拠を続ける南部のザポリージャ原子力発電所では安全性への懸念が強まっていて、ゼレンスキー大統領は4月には「ロシアが原発の施設を利用して世界を脅す機会を与えてはならない」と強調しています。

このため被爆地・広島で、核の脅しを許さないという強い姿勢を示すねらいもあるとみられます。

岸田総理大臣がことし3月にウクライナを訪問し、ゼレンスキー大統領と会談した際に出した共同声明の中でも、ロシアによる核兵器使用の威嚇が国際社会の平和と安全に対する深刻、かつ容認できない脅威だとして非難しています。

そのうえで、過去77年間の核兵器不使用の歴史をロシアが壊してはならないと強調する内容が声明に盛り込まれました。

さらに、ゼレンスキー大統領としてはサミットを通じて、自身が提唱するロシア軍の撤退やウクライナの領土の一体性の回復などを含む10項目の和平提案への支持も取り付けたい考えです。

ウクライナから避難の女性「戦争止めるための具体策を」

ウクライナのゼレンスキー大統領が来日し、G7広島サミットに出席する見通しになったことについて、ウクライナの首都キーウから息子と2人で日本に避難しているシェウチェンコ・オレナさん(44)は、「広島は核兵器が落とされた都市で、世界にとって重要な意味をもった場所です。その広島でG7サミットが開催され、ゼレンスキー大統領が出席することはとても素晴らしいことで、ロシアとウクライナの戦争を止めるために、非常に大きな意味を持っていると思います」と話しました。

そのうえで、「ゼレンスキー大統領には、ウクライナでは今も女性や子どもたちをはじめ、多くの命が失われ続けているという現実を世界に訴え、戦争を止めるための具体策を決めてほしいです。世界のリーダーたちとの協議が実りあるものとなり、人々が、また幸せな日常を取り戻すことを期待しています」と話していました。

ゼレンスキー大統領とは

ボロディミル・ゼレンスキー大統領は45歳。

ウクライナ東部のドニプロペトロウシク州出身で、もともとはコメディアンや俳優として活動する人気タレントでした。

大統領の役で出演したドラマが大ヒットしたことを受けて、4年前、政治経験がないまま大統領選挙に立候補すると、若者を中心に幅広い支持を集め、決選投票では70%を超える得票率で、現職を破りました。

この年、天皇陛下の即位の礼に参列するため、オレーナ夫人とともに日本を訪れ、当時の安倍総理大臣と会談も行いました。

ウクライナ東部では、当時すでに親ロシア派武装勢力との戦闘が続いていて、ゼレンスキー氏は東部の安定化を目指すとともに、ロシアとの対話も重視する姿勢を示していましたが、ロシアの圧力が強まる中、ウクライナ国内では「弱腰だ」と批判する声も上がっていました。

ロシアによる軍事侵攻後、ゼレンスキー大統領は首都キーウの大統領府に残って、ロシアに屈しないという意志をSNSなどで積極的に発信しました。

連日、ウクライナの国章をあしらった服などに身を包み、SNSの動画で国民に語りかけて結束を訴えたり、国際社会に対して支援を呼びかけたりしています。

また、欧米各国の要人との会談や国際会議での演説を重ね、プーチン政権に軍事侵攻の継続を断念させる追加の強力な経済制裁を科すよう訴えるとともに、ウクライナに対する軍事的・人道的な支援を求めてきました。

ウクライナ軍が領土の奪還を目指してロシア側への抗戦を続ける中、積極的に現場に赴き、4月には東部ドネツク州の激戦地の一つのアウディーイウカを訪れ、現地の司令官から報告を受けたうえで「望むことは勝利だけだ」として戦闘を続ける兵士らを激励しました。

毎年、世界に最も影響を与えた「ことしの人」を発表しているアメリカの雑誌「タイム」は、去年、ゼレンスキー大統領と「ウクライナの精神」を選んでいます。

ことし3月には、G7広島サミットを前に首都キーウを訪れた岸田総理大臣とも会談し、日本が議長国として果たす役割に期待を示していました。

ゼレンスキー大統領の外国訪問

ウクライナのゼレンスキー大統領は、ロシアによる軍事侵攻が始まって以降初めての外国訪問先として、去年12月、アメリカの首都ワシントンを訪れました。

ワシントンでバイデン大統領と首脳会談を行ったほか、連邦議会で演説し「皆さんの支援は慈善行為ではない。世界の安全保障と民主主義への投資だ」と述べ、支援の継続と、さらなる兵器の供与を求めました。

ゼレンスキー大統領は、5月に入って外国への訪問を相次いで行っていて、初旬にはフィンランドとオランダ、5月13日から15日にかけては、イタリア、バチカン、ドイツ、フランス、イギリスを訪問しました。

これまでゼレンスキー大統領は軍事侵攻以降、欧米各国以外に訪問したことはなく、日本を訪れた場合、アジアでは初めての訪問先となります。

 

 

 被爆地・広島市で19日に開幕する先進7カ国首脳会議(G7広島サミット)では、各国首脳が原爆資料館を見学する方向で調整している。7年前、現職の米大統領として初めて広島を訪問したオバマ氏は、資料館に足を運んだが、滞在は10分間だけで、目にしたのは収蔵品の一部だった。核兵器による「被爆の実相」に十分触れたとはいえず、館長だった志賀賢治さん(70)は「同じことは繰り返してほしくない」と語る。(柚木まり)

 原爆資料館 正式名称は広島平和記念資料館。広島市中心部の爆心地近くに設けられた平和記念公園内にあり、世界の人々に核兵器の恐怖や非人道性を伝えて「ノーモア・ヒロシマ」を訴えるため、原爆の被害実態を伝える写真や証言、犠牲者の遺品を展示・紹介している。被爆10年後の1955年に開館し、これまでの総入館者は7500万人を超える。2016年には原爆を投下したアメリカの現職大統領として初めてオバマ氏が訪れた。長崎市にも原爆資料館がある。

◆展示をきちんと見て「何が起きていたのかを感じてほしい」

 オバマ氏が広島を訪れたのは、G7伊勢志摩サミット終了後の2016年5月27日。平和記念公園での演説で「核兵器なき世界」への決意を表明し、被爆者と言葉を交わした。
 オバマ氏が見たのは、原爆症のため12歳で亡くなった佐々木禎子さんの折り鶴20羽のほか、原爆投下前後の市内の様子を比較する写真パネル、犠牲者の弁当箱など数点のみだった。
 志賀さんによると、資料館の訪問が「極めて短時間」と知らされたのは直前。館内を回るには最低30分から1時間は必要なため、本来は何も展示していない玄関ロビーに収蔵品を急きょ、集めた。常設の展示品を運ぶのは時間的、技術的に困難で、収蔵庫から職員が運搬できる軽量で、英文が用意されているものを運んだ。そのため、被爆者の写真や被爆者の描いた絵などは置けなかった。
 禎子さんの折り鶴はオバマ氏の関心が高いと聞き、特別にアクリルケースを外し展示。オバマ氏はしゃがみ込んで熱心に見ていたという。その後、芳名録に記帳して資料館を後にした。
志賀賢治さん(本人提供)

志賀賢治さん(本人提供)

 志賀さんは「オバマ氏への対応は例外中の例外。展示品はぽつんと抜き出して見せるものではなく、全体の構成の流れの中で感じてもらうもの。展示を見ていただいたとは言えず、非常に心外だった」と振り返る。
 オバマ氏に対応したのは当時の安倍晋三首相や岸田文雄外相、広島県知事や広島市長で、説明は岸田氏が行った。資料館職員はみな地下の事務室で待機させられ、志賀さんだけが離れた場所から様子を見守った。
 志賀さんはG7首脳が広島を訪問することを高く評価する。その上で、資料館の展示をきちんと見て「遺品の向こうにいた一人一人の人生を原爆が抹殺したこと、きのこ雲の下で何が起きていたのかを感じてほしい」と望む。

 

 

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3 コメント

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【 ナショナリズムを失えば、国は亡ぶ! 】 (三角四角)
2023-05-20 09:22:31
 『 日本のナショナリズムと軍国主義がこれで勃興する可能性はあり、それは非常に危険で、恐ろしい話です。 』

 軍国主義が何故日本で生まれたと思っているのですか?(注)
 原因が分からないで、怖い怖いと言っているだけだと、又軍国主義が生まれますよ!

 帝国主義全盛の時に、日本は列強の一国として、帝国主義国のメインプレーヤーとして参加する為に、軍国主義国になったのです。

 そうしなければ、日本は他の列強の植民地になっていました、
 そうすることによって、日本は天皇と日本語と日本文化を護ることが出来ました。

 ブラジルがキリスト教国(カトリック)で、ポルトガル語を話すのは、ブラジルがポルトガルの植民地であったからだし、アルゼンチンがキリスト教国(カトリック)で、スペイン語を話すのは、アルゼンチンがスペインの植民地であったからです。

 新たな帝国主義が生まれるかも知れない予感の中で、「日本のナショナリズム勃興のる可能性を非常に危険で、恐ろしい話」というのは時代錯誤でしょう。

 平和な時に、ナショナリズムと軍国主義を掻き立てて、他国といざこざを起こし、戦争を始めるのは、確かに非常に危険で、恐ろしい話です。
 しかし、中国が台湾を狙い、その先に日本本土を見据え、ウクライナを侵略したロシアが北海道を狙っているとすれば、『 日本のナショナリズムと軍国主義がこれで勃興する可能性はあり、それは非常に危険で、恐ろしい話です。 』などという考え方こそ恐ろしいと言わざるを得ません。

 古市憲寿氏という社会学者が或る年の終戦記念日にテレビ出演したそうです。
 その時、他の出演者から、戦争になったら如何しますかと訊かれたそうです。
 古市氏は、逃げると答えた模様です。

 他国が日本を侵略しようと思って、攻めて来た時、日本国民が全員古市憲寿氏と同じ考えだと、日本は滅亡して、地球上からも歴史上からも永久に消滅します。

 だから、ナショナリズムはあり過ぎるとやっかいですが、少なすぎると非常に危険で、恐ろしい話です。

 戦争には2種類しかない。
 日本が仕掛ける戦争と、日本が仕掛けられる戦争です。

 日本の右派は、日本が仕掛けられる戦争ばかりに夢中で、日本が仕掛ける戦争は眼中に無い。
 それに対して、日本の左派は、日本が仕掛ける戦争ばかりに夢中で、日本が仕掛けられる戦争は眼中に無い。

 何方も歪な考え方で、国を危うくすると思います。


 (注)【 goo 辞書 軍国主義
 ぐんこく‐しゅぎ【軍国主義】 の解説
https://dictionary.goo.ne.jp/word/%E8%BB%8D%E5%9B%BD%E4%B8%BB%E7%BE%A9/
 軍事力の強化が国民生活の中で最高の地位を占め、政治・経済・文化・教育などすべての生活領域をこれに従属させようとする思想や社会体制。ミリタリズム。
 出典:デジタル大辞泉(小学館) ©NTT Resonant Inc. 】
返信する
Unknown (月乃兎)
2023-05-22 00:38:15
今回の「G7」ってまさに岸田ホストクラブ(wara…否、怒!)

>三角四角さん
いつものようにツッコミどころ満載ですね…
逐一ツッコむのはやめにして…

私はナショナリズムこそが殺戮・破壊の根源であると思います。
歴史を持ち出すまでもなく、今のプーチンの愚行・蛮行こそロシア・”ナショナリズム”が引き起こした暴力であるのではないですか?

>戦争には2種類しかない。
>日本が仕掛ける戦争と、日本が仕掛けられる戦争です。
否、アメリカの言いなり・アメリカに巻き込まれて行う戦争(アメリカのせいで攻撃される!のもアリ)、これが今の日本には「戦争」への一番の現実的シナリオかと
返信する
ロシア非難だけでなく、劣化ウラン弾も…。 (ロハスな人)
2023-05-22 08:04:13
☆岸田首相が国会で劣化ウラン弾が通常兵器だと答弁した後、広島市は公式HPでそれまで掲載していた劣化ウラン弾の説明を全部削除したようです。機転のきく方が元のスクショをとっておられたのはすごい。「これを吸い込むと、化学的毒性により腎臓などを損傷するとともに癌などの放射線障害を引き起こします。また、土壌などに付着し、半永久的に環境汚染も引き起こします。」とありました。 >

岸田首相は『 唯一の被爆国の日本の首相であり、“被爆地広島”出身 』と言っていたのは“口先だけ”だったそうです。

また、『平和都市広島』にも“核廃絶より忖度”という人たちががたくさんいるという話ですね。
※広島でどんどん『子供の頃慣れ親しんだ“はだしのゲン”撤去』が進んだのも…。

※『劣化ウラン弾は通常兵器』とデタラメを言って使用を強行している英米首脳の来広はただの『迷惑行為』ですね。
 ロシアの“核の脅し”をしっかり非難するのは当然の話ですが、“準核兵器の劣化ウラン弾”へは沈黙どころか隠蔽する岸田首相は…。
 
https://twitter.com/masha7142124/status/1641094850165760000?s=20
☆マーシャ
@masha7142124
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『 広島の被爆者団体がウクライナへの劣化ウラン弾の提供に抗議するなか、広島市がHPから関連記述を削除した模様。
広島市はもう、平和サミット開催地の道義的権利を失ったも同意。 』
2023年3月30日

☆モゲット
@mukuge137
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『 被爆地の広島市が小さな核兵器である劣化ウランを肯定するのか。広島市はウクライナのためなら放射能を撒き散らす劣化ウランも支持すると宣言したに等しい。広島が世界に発信した平和宣言を自ら否定する行為で、全ての原爆犠牲者と被爆者に対する冒涜だ。忖度で被爆地の価値を貶めるつもりか。 』
2023年3月30日
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