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前回のこの「ロシアによるウクライナ侵略」カテゴリーの記事で、ちょうど
ニュースサイト「ウクライナ・プラウダ」が2023年6月に南部オデーサの徴兵事務所をめぐる汚職疑惑を報道し、その後の捜査当局の調べで、同事務所長は徴兵免除と引き換えに受け取った賄賂などで1億8800万振りブナ(約7億3千万円)の収入があり、2022年12月に家族がスペインで高級住宅を購入していた、などとされていました。
そこでゼレンスキー大統領はウクライナ保安庁(SBU)などの捜査の結果、全国の徴兵担当者33人を112件の罪状で訴追したと明らかにしたうえで、声明で
「戦時の収賄は国家への反逆だ」
「(前線の兵士らは)健康を失い、手足も失い、それでも尊厳を保っている。
彼らが信頼できる招集制度でなければならない」
と主張し、疑惑と関係のない全州の軍事委員会トップをも全員解任するという思い切った手を打ちました。
もともと旧ソ連に属するウクライナでは汚職が最大の社会問題で、ウクライナの公式メディアであるウクライナフォームによると、汚職・腐敗防止活動を行う国際NGO法人「トランスペアレンシー・インターナショナル」(TI)による2022年の世界汚職度ランキングでウクライナはスコアを1点改善したものの、国別ランキングにて180か国116位だそうです。
ちなみに2021年は、122位だったのだとか。
ウクライナが加盟を目標としているEUでは汚職対策が加盟のための絶対条件になっていますし、そもそもロシアの侵略に対抗してNATO諸国から援助を受けた兵器や資金が、汚職大国ウクライナから横流しされてしまうのではないかという懸念もNATOから持たれているのが実際のところです。
そこで、ゼレンスキー政権は汚職対策に躍起になっているわけですが、そもそも徴兵制も一定の年齢の男性の出国禁止も日本国憲法下なら職業選択の自由や移動の自由と外国移住の自由(22条)を奪い、それどころか憲法18条が禁止する「奴隷的拘束」と言え憲法違反ですから、国際法秩序から見ても違法とまでは言えなくても決して望ましいことではありません。
まして、その徴兵制度をテコに徴兵逃れをする富裕層を見逃す代わりに賄賂を受け取っている徴兵係のトップが一人でもいるとなれば、それは市民が憤激するのは当たり前です。
ウクライナが戒厳令・総動員令を3か月延長。ゼレンスキー大統領が男性の出国の自由を求める署名に対して「署名者は生まれ故郷を守ろうとしていない」と拒否。これが日本国憲法に緊急事態条項を創設する恐ろしさだ。
ただし、親露派陰謀論者が吹き上がっているように、だからNATOがウクライナに軍事支援をすべきではない、ウクライナはもうロシアに屈服して停戦をすべきだと言うことにはもちろんなりません。
むしろ戦争中にもかかわらず、軍絡みの汚職が国営メディアで暴かれるウクライナの方がロシアよりもはるかにまともと言えます(ひょっとしたら日本よりも)。
そもそも、このウクライナ戦争はロシアとウクライナのどちらが腐敗しているかを競う競争ではないのです。
それに、そんなことを言い出したら前述の汚職ランキングでも137位でウクライナ以下のロシア政府なんて、プーチン大統領の政敵のナワリヌイ氏に対して毒殺未遂をした上に身柄拘束して禁固19年の刑にしたばかりですし、プーチン政権に批判的なジャーナリストたちをすでに数百人も暗殺しているのですから、そもそもそんなロシアに肩入れする親露派の人間がウクライナの人権状況を批判する方が笑止千万というべきです。
ブチャ虐殺さえも否定してウクライナのフェイクだインボーだと言い募り、ロシアの戦争犯罪には全て目をつぶって偏った論陣を張るような反米こじらせ・親露派陰謀論者が弁護士!にさえいるのですが、お寒い限りの事実認定能力かつ判断能力の持ち主だとしか言いようがありません(日常業務、できとんのか(-_-;)。
だいたい、欧米からウクライナへの軍事支援はウクライナがロシアに侵略されていて、そのまま放置すれば戦争犯罪し放題のロシア軍にどれだけウクライナ市民が殺戮されるかわからないから肯定されるのであって、ウクライナという国の民度だけでその是非が決まるわけではありません。
もとより、ウクライナ=絶対善・ロシア=絶対悪だとか、ゼレンスキー大統領=真っ白・プーチン大統領=真っ黒だとか、逆に親露派陰謀論者のようにその反対だとか、子どもじみた図式で世界を単純化したがるのが間違っています。
どちらの国も真っ白ではないグレーだけれども、侵略しているロシアとされているウクライナとは「どっちもどっち」ではもちろんなく、侵略に加えて戦争犯罪をしまくっているロシアの行為の違法性が桁外れに大きい。
そのリアルの中で、無辜のウクライナ市民の多数の命を守るために、NATO加盟国からウクライナへの(違法な兵器以外の)軍事支援は肯定するのが苦渋の、しかし正しい選択なのです。
「 ロシア占領下のウクライナ南部拘置施設に拘束されていた多数のウクライナ人が拷問や性的暴行を受けていた」とする調査結果を国際的専門家チームが公表。ロシア軍占領の現状を固定化する停戦は今はできない。
国際刑事裁判所(ICC)から子どもの連れ去り容疑で逮捕状が出ているロシアの「子どもの権利」担当のリボワベロワ大統領全権代表が「ウクライナから子ども70万人以上を受け入れた」と言い出した(恐)。
2023年3月30日 NHK『調査報告・ロシア軍 ~“プーチンの軍隊”で何が~」より
ハルキウ州検察は2022年4月7日、ハルキウ州イジューム地区フサリウカ村にて、ロシア軍が住民3名に拷問を行い、その後3名を燃やしたと発表した。
関連記事
国連総会がロシア軍に対して「即時・完全・無条件」の撤退を求める決議を圧倒的多数で可決。ウクライナのインフラ・民間施設への攻撃の停止も求め、ロシアの戦争犯罪に対する調査と訴追の必要性を初めて明記。
国際刑事裁判所が戦争犯罪容疑でプーチン大統領らに逮捕状発令。国連人権理事会が殺害・性的暴行・子どもの連れ去りなどロシア軍の戦争犯罪があったとする調査報告書を公表。橋下徹氏、伊勢崎賢治氏らは沈黙。
プーチン大統領によるウクライナ4州の併合条約調印に対して、ゼレンスキー大統領がNATO加盟手続きを加速する申請書に署名。この非は一方的にロシアにあり、プーチン大統領がまず4州併合を撤回するべきだ。
国際刑事裁判所(ICC)に逮捕状を出され南アでのBRICS首脳会議にはビデオ出席となってしまったプーチン大統領が、ICCの赤根裁判官を指名手配。法の支配を守るためにロシアの戦争犯罪は見過ごせない。
ロシアがクリミア橋を攻撃された報復に、ウクライナ産農産物の輸出合意の履行を一方的に停止して離脱。 全世界の飢えた人々を危険にさらしたことで、国際的な猛批判を受けているのは当然だ。
ロシアのメドベージェフ前大統領がウクライナの反転攻勢に「1945年の米国による広島と長崎への原爆投下と同じことをしたら戦争はすぐに終わらせられる」と威嚇したことは国際法違反で絶対に許されない【改】
EU加盟のために汚職社会を払しょくしなければならないウクライナと比べて、汚職を一掃するための動機も必然性も全くないロシアですから、汚職や人権侵害がロシアではますます進行し、両国の清廉性にますます差がついていくのは明らかでしょう。
少なくとも、ゼレンスキー政権は汚職を理由にまだ疑惑のない州も含めて全州の軍事委員会のトップの首を挿げ替えるという大鉈をふるえるのですから、自浄作用があり、改善の期待が持てると言えます。
これは韓国と日本を比べて、大統領の汚職がその辞任後に毎回暴かれる韓国の方が、森友・加計・桜などのどの疑惑も疑惑のままに終わってしまう日本よりもはるかにまともなのと同じです。
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ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は11日、国内各地域の徴兵責任者を解任するとSNSで発表した。総動員令が敷かれたウクライナでは、徴兵逃れや徴兵関連の汚職が深刻化している。今回の解任は、ロシア軍に対する大規模な反転攻勢が続く中で態勢立て直しを図るのが狙いだ。
ゼレンスキー氏は「戦争中の賄賂は反逆罪にあたると理解している人々が(徴兵を)担うべきだ」と強調した。徴兵関連の犯罪が110件以上あり、刑事手続きが進んでいることも明らかにした。
ウクライナで全州の徴兵責任者を解任 徴兵逃れに絡む 汚職が相次ぐ
8/12 (土) 01:09 テレビ朝日
ウクライナでは徴兵逃れに絡んだ汚職が相次ぎ、すべての州の軍事委員会のトップが解任されました。
ウクライナのゼレンスキー大統領は11日、国家安全保障国防会議を開き、徴兵の責任者である軍事委員会のトップをすべての州で解任したと発表しました。
ウクライナでは軍事委員会の幹部らが徴兵逃れに絡んで賄賂を受け取る汚職が相次ぎ、112件の刑事手続きが進められているということです。
ゼレンスキー大統領は後任について「最前線で負傷しながらも尊厳を保っている勇敢な兵士」を据えたとしています。
ロシアの軍事侵攻を受け、ウクライナでは「国家総動員令」が出されていて、18歳から60歳の男性は原則、出国が禁止されています。
ウクライナ政府は11日、徴兵を逃れたい希望者から賄賂を受け取り、国外脱出を支援していたとして、国内各地の徴兵担当者を解任した。政府が進める汚職撲滅運動の一環。
ウォロディミル・ゼレンスキー大統領はソーシャルメディアに投稿した動画で、ウクライナ保安庁(SBU)などの捜査の結果、全国の徴兵担当者33人を112件の罪状で訴追したと明らかにした。
大統領は、訴追された徴兵担当者らは徴兵対象者から現金あるいは暗号資産を受け取り、出国の手助けをしたと発表。戦争中にこうした賄賂を受け取ることは、「国に対する重大な裏切り」だと非難した。
「我々は地方の軍事委員全員を解任する」とゼレンスキー大統領は言い、「この(徴兵の)システムは、戦争が何かをはっきり認識し、戦時中の冷笑や賄賂がなぜ国に対する重大な裏切りなのかはっきりわかっている人間が動かすべきだ」と述べた。
大統領は現在の徴兵制度が「まともに機能していない」として、各地の徴兵担当が「戦士を、まるで自分の職務を扱うようにずさんに扱っている。まったく道徳にもとる」と批判した。
大統領は声明で、こうした汚職の疑いは「ウクライナの国家安全保障を脅かし、ウクライナ国家の制度・機関に対する信用を損なう」ものだと述べた。
徴兵担当者の後任は、戦地での経験を持ち、保安庁が身元確認などを済ませた対象者から選出するという。
ウクライナでは総動員令が施行されており、18歳以上で戦闘可能な男性は全員が徴兵対象。加えて、60歳未満の成人男性のほとんどが出国を認められていない。
ウクライナもロシアも、2022年2月の侵攻開始から何人の兵士が戦死したか、公表していない。しかし、消耗戦が続く中で両国ともさまざま方法で兵員を増やそうとしている。
ゼレンスキー政権は汚職撲滅の取り組みを続けており、今年1月には汚職の疑いを指摘された高官11人が辞職。2月には富豪や元内相を家宅捜索し、5月には国家反汚職局と反汚職専門検察が汚職の疑いで最高裁長官を拘束した。
ウクライナでは開戦前から、公務員の汚職問題が長年にわたりはびこってきた。欧州連合(EU)への加盟を求めているウクライナにとって、汚職対策はEUから課せられている重要な要件のひとつ。他の西側機関も、ウクライナに汚職対策を要求している。
各国の腐敗・汚職に取り組む非政府組織トランスペアレンシー・インターナショナルの2022年の汚職国家ランキングでは180カ国中116位。前年は180カ国中122位だったため、近年の対策が評価されている様子がうかがえる。
(英語記事 Ukraine fires military conscription officials for taking bribes)
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「悪とされてるほうがほんとは正しいんだ~!」か「やめて~!こんなことやめて~!」しかない。
よろしかったらご参照ください。
“去年の夏”の段階で西側諸国の武器支援は『ウクライナの年間軍事予算数十年分』に及んだ…という情報を得て、かなり頭が痛くなったのを覚えています。
その後もほぼ同様の支援が行われたようですから、さらに“数十年分の軍事予算”に匹敵する支援が行われたと推測され、ウクライナの“標準の年の”軍事予算が約『6000億円程度』から類推すると…累計『60兆円程度(正確な数字は持っていませんが)』の支援が行われたと思われます。
(※裏情報ではそのうち『3割程度しか現場に到着していない』という話もあり(途中でロシア軍に破壊されたり、拿捕される等々)、それが本当ならすさまじい“無駄”なのか、それも“必要経費”と判断するのか…。)
そのこと自体も問題ですが、ウクライナ支援の根拠の「武器貸与法」が第2次大戦時は『貸し付け法案』だったことは無視できないのではと思います。
第2次大戦時終了後、イギリスはアメリカに『数十年かけて支援分のローンを支払った』はずですから、普通にこの法案を適用したら、『約60兆円程度の支援の代価のローンをウクライナ国民が数十年かけて返済する』ことになるわけですが…(※そのままの適用は“見送る”旨の記事を読んだような記憶も…。)
(※米軍準機関紙の星条旗新聞が『NATO諸国軍の現場の武器が不足しかねない』くらい支援に放出した…というニュースもあり、『支援できる武器』の枯渇リスクも指摘されています。)
「武器貸与法」が適用されるようなら『ロシアに損害賠償請求すればいい』と言っている方もおられました。
実際にどの程度『賠償を勝ち取れるか』不明の部分もさることながら、『ロシアとドイルの共同資産』であるノルドストリーム爆破がどうも『ウクライナ軍の仕業』で決着しそうな流れになっているようにも見えるのも懸念材料ですね。
“建設費だけで1兆円を超える”ノルドストリームパイプラインは『ロシア、ドイツ、フランスなどに莫大な経済的な利益をもたらすもの』でしたから、この件では逆に「ドイツとロシアから膨大な損害賠償請求』されそうですよね。
純粋に経済的な視点から見ると、世界中が相当配慮しないとウクライナの抱えた『財政問題』はとんでもないことになりそうです。
※ノルドストリーム爆破がロシア説…はプーチン大統領が『小学生の算数すらできないポンコツ』でない限り、破壊のデメリットが大きすぎて採用しないと思います。
『現場のロシア軍の暴走』の可能性がないとは言えないので、断言まではしませんが。
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB243PU0U3A420C2000000/
☆世界の軍事費3.7%増、過去最高に ウクライナは7倍
2023年4月24日 日経
◎ウクライナは前年比640%増の440億ドル。ロシアの侵攻や中国の海洋進出強化の影響で、世界的に軍縮の流れが大きく後退している実態が浮き彫りになった。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220510/k10013618411000.html
☆アメリカで「武器貸与法」成立 ウクライナへの支援が加速へ
2022年5月10日 NHK
https://www.cnn.co.jp/world/35205178.html
☆オランダ諜報機関、ウクライナがパイプライン攻撃を計画とCIAに警告 蘭公共放送
2023.06.14 CNN
(CNN) オランダ軍の諜報(ちょうほう)機関が昨年、米中央情報局(CIA)に対し、ウクライナが計画したとされる海底パイプライン「ノルドストリーム」の爆破について警告を発していたことが分かった。警告から3カ月後、ロシアと欧州を結ぶこのパイプラインは実際に爆破された。オランダの公共放送NOSが13日、情報源を特定することなく報じた。
今年の1月までで総額約20兆円なので、現時点では30兆円強…くらいでしょうか❓
※アメリカは合計で15兆円程度支援したことになります。
アメリカはレンドリース法ではなく、“無償支援してきた”というコラムもありましたが、なぜかNHK等の大手メディアは『レンドリース法が通った』としか報じていないようです。
※『ただほど高いものはない』というのは“詐欺”への警告です。
『15兆円の支援が(建前上で)無償』の場合、『日本を台湾有事に無理やり巻き込もうと画策』しているアメリカの支援を『正義と好意』と額面通り信じていいものかどうか、個人的には非常に懸念しています。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230224/k10013989781000.html
☆ウクライナへの支援額 1位はアメリカ GDP比の上位はバルト3国
2023年2月24日 14時24分
ドイツの「キール世界経済研究所」は、各国が表明した軍事支援や人道支援などを含む支援額について2022年1月から2023年1月15日までの総額をまとめ、今月21日に公表しました。
それによりますと、支援額が最も多いのがアメリカで731億ユーロ、日本円でおよそ10兆円にのぼり全体の支援額(1436億)の半分を占めています。