この曲、前回書いた『マチネの終わりに』の作者平野啓一郎さんのTwitterで知ったのですが…いや~心ある医療関係者ほど大ウケでしょうねぇ!
(平野さんはわかってくれたが、医療関係者以外はわかってくれるのだろうか?)
歌っているヘンドリック・ヴィーディグリアンさんは、スウェーデンの耳鼻咽喉科医だそうです。
なんだかおかしい医療や科学の実態(他の曲もあり)、そしてネット情報の胡散臭さをこんなユーモラスに表現するとは!――アメリカ人もびっくりでしょう!!
友人の奥さんも、午前中に病院へ行ったのに「子どもの熱が下がらない…」と心配になって、いろいろとググってしまったようなのです。
すると「熱が下がらない場合は…白血病の疑いが…」みたいなことが書かれているではありませんか!
友人はそれまでの経過から「大丈夫だよ」と言ったそうなのですが、奥さんはググればググるほど心配になって…夕方違う病院へ行くことに……。
すると、小児科にはもっと重症そうでゲホゲホと咳をしている子が何人かおり、その近くには遊具コーナーが!
無症状だった弟くんは目を輝かせ、そのコーナーへ飛んで行き、汚染しているかもしれないオモチャをベタベタと触りまくる事態に!!(子育てあるあるですよね~)
311の原発事故で経験しましたが、見えないゆえに、ネガティブな想像力をかき立てられるものって、人によっては想像以上の爆発力を持ってますね。
その小児科の先生は、病の経過を聞き、母親の心配をしっかりと受け止めた後…「白血病の子はこんなにいい顔色してないから大丈夫よ!」と笑顔で言ってくれたそうです。
電子体温計はバグというかムラがある製品があったり、測り方によっても正確性は失われるので、何度か測ってみたり、数値だけでなく、顔色や活力(目に力がないなど)の症状(東洋医学的には脈診や舌診もあります)も考慮して判断した方がいいでしょう。
以前、軽症ケースであったにもかかわらず、後にネットを見て心配になった飼い主さんから、「なんで(ネットに書いてある通りの)検査してくれなかったんですか!」と電話で怒られたこともありましたね。
☆当院では生死にかかわる緊急性がなければ、必要に応じて段階的に検査をします――実は一部の医療関係者も気づいていない過剰医療による医原病もけっこうあるので、体に負担がかかって本末転倒となりうる検査ほど慎重に!
(◎こういうことは今問題の新型コロナウィルスにも関係することなので、医師が書いた共通項の多い記事を貼っておきます。
新型コロナで「情報汚染」されたメディアが報じない「5つの真実」(現代ビジネス) - Yahoo!ニュース
毎日のように、新しい感染者が発表される新型コロナウイルス肺炎。国内流行に伴い、SNSに「お湯で予防できる」などのデマが飛び交っていることが報...
Yahoo!ニュース
印象的な所を一部抜粋&コメント:
①もともと新型コロナウイルス感染に対するPCR検査は感度(感染している人の中で陽性の結果が出る確率)が高くはなく、30~70%程度といわれている→100%正しくないのに、陰性、陽性と白黒はっきりついてしまう検査のせいで、素人もプロ?も混乱。
(◎PCR検査の感度は、臨床系の方は70%くらいがリーズナブルで、基礎系の方は90%以上と言っている傾向があるように感じます。日本では五輪開催のため陽性者を減らしたい?そして検査代をケチりたい勢力と前者が、検査でもうけたい勢力?と後者がごちゃ混ぜになって、本来ならば協力し合える人たちまでが、ネット上で言い争っているようで悲しくなりました。
お互い自分の専門のプロ・スイッチみたいなものが入ってしまうと融通がきかなくなってしまうのかもしれませんが、情報伝達の高速化と新型コロナの相乗効果によって、ここまで世界が混乱するとは思いませんでした。
信頼できると思っていた人が??なことをしてしまったり、ごちゃ混ぜ傾向は増え、より難しいかじ取りが必要な時代になってきているのでしょう。
PCRも抗原検査もメーカーによってクオリティが違うから、さらに議論がすれ違ってしまうんですよね。
まあ、芸能人などでも5回目でやっとPCR陽性…なんて話もありましたし、臨床をやっていると、高度な検査とやらにガッカリさせられた経験も多いのです。
外注しなければいけないので、PCRの臨床的手ごたえに関して私は経験不足であり、偉そうなことを言える立場にありません。しかし新型コロナにも使われている抗原検査が当てにならないのは臨床上強く実感しています。だから、このような新しい感染症の場合、PCR検査をしていくしないというのはもっともな意見です。)
②「検査を行っても治療法や対処法が変わらない場合、その検査は行う意味がない」と考えるのが医学の原則なのだ→権威に弱く、ただ上から言われたことだけやっている人に不足しがちな、問題を解決するための想像力ですね。
③ワイドショーに出てくる「検査を断られた」という例は、多くの人が二度、三度と病院を変わり、ドクターショッピングしている。複数の病院を受診すると、かえって適切な診断がなされないことがあることを覚えておいたほうがいいだろう→情報過多&時間に追われる現代人の悪循環なのですが、動物病院でもあるあるな話…明らかにおかしい病院もあれど、「後医は名医」とよく言われます。
④中国からの論文では、発症した全患者の中で院内感染が4割を超えるという報告もあり、中国では医療従事者への感染が問題になっている→新型コロナは、80%は軽症で済む中、症状が曖昧で病の経過が長く、それに伴ってウイルス感染リスクも長期化!…と、まさに効率化社会の苦手分野!)
結局、動物病院に限らず、どこの業界でも検索してもいないのに出てくるような所ほど高額の広告費を払っているし、そういうことをしないと来ないようなヤバイ所ってことです。
ネットの世界は、恐怖を煽ったりしてサプリだの何だのを売りつけようとするような輩がみなさんが思っている以上に強いので、お気をつけ下さい(みなさん、けっこうダマされてますよ)!
アマゾンなどの口コミでもこんな実情があり(→Amazon.co.jpに蔓延る不正レビュー問題)、この記事で書かれている「不正をすることで得られる利益と、不正に対する罰のバランスが取れていないため、ズルをした方がお得......な状態なんですよね」というのは、考えてみればネット社会全般に言えることなのです。
ネット情報は話半分以下にして、リアルな知り合いの口コミなどで信頼できる病院などを探しましょう!!