地域のために、利用者さまのために

REHA planning(リハビリ訪問看護ステーション東大阪)での日々の業務や、勉強会等の様子をお伝えしていきます。

第5回 日本小児理学療法学会学術大会

2018-12-24 | 勉強会関連

こんにちは 理学療法士の丹野です

おそらく、年内最後の投稿となります

今年も一年、多くの方に拝見していただきました

ここに、感謝の意をお伝えいたします

第5回日本小児理学療法学会学術大会に参加してきました

分科会連合での学会ではなく、分科学会としては初めての学術大会で、

テーマは、『小児理学療法 アートとサイエンス』でした

まさに、臨床での経験と、科学的根拠の双方的な働きかけ、照らし合わせの機会となりました

特別講演が2題、臨床セミナーが2題、シンポジウムが1題、その他、一般演題48題、ポスター演題40題と多種多様な内容でしたが、

初日のみの参加となったため、ここに伝達します

専門的な内容になってしまいますが、最後まで読んでいただけたらと思います

 

理学療法士協会の重役が多数出席しており、大会に対する力の入りようがひしひしと伝わってきました

ボバース関連の学会ではよく言われていることですが、科学的根拠との照らし合わせを意識した発表が多かった印象があります

3つの会場に分かれていたので、聴講した5つの講演について伝達することにします


 ①まずは、大会長の日浦先生による「小児理学療法 アートとサイエンスの世界」ですが、普段聞き慣れた講義内容ではあるものの、

科学的根拠を意識し、またあえてボバースという単語を使わずに、わかりやすくお話しされていたのが印象的でした。


 ②次に、工学を専攻されている浅田先生による「もし、ロボットが痛みを感じたら」ですが、ロボットを医療に活用する最先端の世界を話していただきました。

AIの発展で、人間に近い、また人間以上の働きができてきている反面、患者と共感することや、患者の気持ちをイメージすることの難しさを問われていました。


 ③「痙縮に対する評価と治療」をテーマにした花井先生は、ボトックス治療を効率よくするためにどうすればよいかの内容をお話されました。

花井先生は、GMFCSのレベルを考え、注射とハンドリングを同時に行いながら、最適な部位、最適な量を探しながら施注していくとのことでした。

そうすることで、一部の筋レベルではなく、QOLの改善につながりやすくなると感じました。


 ④続いて、一般演題5題を聴講しました。支援学校等で働かれている先生方の発表でありましたが、総じて、他職種との連携のメリットデメリットを、実体感をもとにお話されました。

病院や医療機関だけではない場所でのセラピストの活躍に、新たな可能性を感じました。


 ⑤最後に聴講したのが、脳性麻痺を患いながら現役の医師として活動されている熊谷先生による「動きの誕生 身体外協応構造」でした。

「リハビリの夜」の著者でもある先生は、当事者(患者とは言わない)としての立場を非常に重要視され、良かれと思ってやる「先回り行為」に注意し、当事者が望む行動、タイミング、声かけを共有することが大事であるとおっしゃっていました。

また、あらゆる事象に対するレビュワーに、当事者を入れる運動も増えてきていることを教わりました。
 

 「科学的根拠」、「共感」、「共有」、「当事者」などを強く感じさせられた学会であり、小児に携わる立場としては、アップデートできて非常に満足しています。

また、懐かしい先生方や、お世話になった上司、学生時代の恩師にも会うことができました

みなさんに一歩でも近付けるよう、また頑張らないと

 


ピアはーとさんの茶話会での講演

2018-01-26 | 勉強会関連

遅くなってしまいましたが、みなさま、明けましておめでとうございます

今年もどうぞよろしくお願いいたします

今年も月2回くらいを目標にブログを更新していく予定ですので、

たまに覗きにきてください

1月25日、河内長野のラブリーホールにて、ピアはーとさん主催の「はーと茶話会」にて

僭越ながら講演させていただきました

ピアはーととは、大阪府河内長野市で活動されており、サポートブックはーとを持つ保護者らの集まりで、

サポートブックの活用や色々な思いを共有し合い、行政ともタッグを組んで、

子供らがスムーズに学校や社会に参加していけることを目指しておられます

 

「セラピストの視点」というテーマのもと、

評価、分析のポイントを講義と実技で行い、実際行ったセラピーの動画を見て、

最後に、ご用意いただいた動画(子供が自転車や縄跳びに苦戦しているところ)を

元に評価、アドバイスをさせていただきました

肢体不自由児と発達障がい児の保護者、児童デイの職員、看護師らに参加いただいたのですが、

セラピーを受ける機会もなかなかないかなと思い、色々体感してもらいました

みなさま非常に熱心に聞いてくださり、いい雰囲気のもと2時間、お話しさせていただきました

PTの治療対象になかなか上がってこない発達障がいの方々でも、専門的な目線によるサポートは必要とされており、

今後も積極的に関わっていくべきだと実感しています

動画ではなく、直接子供らを拝見し、評価できる機会や催しを、主催者が検討してくださっていますし

よかったらピアはーとさんの活動内容もチェックしてみてください

 


2017年度 ボバース研究会 近畿ブロック小児部門研修会1

2017-09-11 | 勉強会関連

こんにちは

理学療法士の丹野です

夕方、帰社するときが段々寒くなってきました

9月10日、森之宮病院での、ボバース研究会の近畿ブロック小児研修会に参加してきましたので、

ご報告させていただきます

日時:平成29年9月10日

テーマ:発達障害を合併する脳性麻痺の治療

講師:吉田真司先生(PT 森之宮病院、ボバース小児領域基礎講習会インストラクター)

   小室幸芳先生(OT 森之宮病院、アジア小児ボバース講習会専任講師)

 

研修会のプログラムは、講師による治療デモンストレーションの後、グループワーク、ワークの発表、ハンドリング練習といった流れでした

デモンストレーションのケースを、感覚運動発達的要素・姿勢コントロール・神経性要素・非神経要素・選択運動と運動シークエンスに分類して評価し、プラス面とマイナス面の両方面から治療の手がかりへと順序立てていくといった内容で、グループワークを行いました

PVL(脳室周囲白質軟化症)発達障害(自閉症スペクトラム、アスペルガー症候群、ADHDなど)を併せ持った症状をお持ちの子に対するセラピー

・PVLであるため、全身的に抗重力伸展活動が乏しく、活動の範囲も拡がりにくい

・発達障害であるため、複数の感覚入力を統合することが苦手で、視覚や聴覚や触覚(本ケースは聴覚だった)のどれかに固執してしまいやすい

そういった症状に対し、触覚と視覚などの感覚統合を図りながら、子の持てる最終可動域、運動範囲をいかに拡げていくかを、

改めて考えさせられる一日となりました

どうしても、日ごろ、姿勢コントロールやシークエンスばかりに目がいってしまい、

ストーリー性のある順序立った課題の設定や、感覚入力・統合を意識した課題などを疎かにしていたな~と思いしらされました


外部講師による勉強会

2017-09-08 | 勉強会関連

こんにちは

理学療法士の丹野です

急に朝晩が肌寒くなってきて、体調の管理も難しくなってきています

服や布団で温度の管理をし、秋の長雨にもご注意ください

当事務所での勉強会に、初の試みとして、外部より講師を呼び、講演していただきました

講師は、森之宮病院勤務、作業療法士の三浦正樹先生です

小児の発達、またセラピーについて、臨床、研究の両方面からの視点でお話いただきました

定型発達と非定型発達の違い、動作におけるバリエーションの重要性、環境に応じたバリエーションの重要性、上肢帯の運動と下肢の関連性、などなど

日頃より大量の英語論文を読み漁っておられ、最新の研究内容を、日頃の臨床で実証しながら、知識を深めておられる先生なので、

非常に分かりやすく、かつ臨床で活きてきそうな話ばかりでした

三浦先生、ありがとうございました

打ち上げは、行きつけの焼肉『ピッコロ』での接待、となりました


気象病

2017-08-14 | 勉強会関連

こんにちは

理学療法士の丹野です

夏は暑いけど、甲子園やら世界陸上やらプロ野球やらでテンション上がりますね

もうすぐサッカーW杯のオーストラリア戦もあります

今回は勉強していることのご報告を

天候の変化や、季節の変わり目に体調を崩されること、ありませんか

一年を通して利用者さまと関わっていくと、毎年、夏前や冬に体調を崩し入院される方や、台風や急激な天気の変化で痛みが強くなる方が意外と多いと感じます

それらは、気温、気圧、湿度、日照時間、風、紫外線量、大気汚染などが影響している可能性があります

気象予報士の資格を持つアナウンサーやドクターによって書かれた本で、

四季ごとに特徴的な天気、発症しやすい症状、天気予報の見方などがわかりやすく記載されています

おススメです

最近は天気予報の精度も上がってきているため、自分の日々の生活にも活かせられています