こんにちは、作業療法士の加藤です
今回は、改造スプーンを作成した1例のご紹介です。
手のひらの中の筋肉の筋力低下や指の各関節の可動性の低下などがあり、手のアーチが崩れ、手指の力の入り方や力の入る方向がバラバラになってしまっており、上の写真のように、非常に不安定なスプーンの持ち方になっています。食事をすくう際にはスプーンがグラグラするし、口に運ぶ際には食べこぼしも多くありました。
すくったり、口に運んだりの操作が操作しやすくなるように、柄の部分を改造します。写真はその作業風景です。熱で変形させることのできるプラスチックを用いて、柄の部分を持ちやすいように造形してます。
何回かお試しで作った結果、今回はこの形で落ち着きました。
手のひらにしっかりと当てを作ることで、手のアーチを補助して、指の操作が安定することを期待しています。また、握りの部分があることで手指のばらつきを防いでいます。また握った際に、親指や人差し指は、スプーンの取り込み部分の方に向くようにして、スプーンの向きと指の操作する向きが一致しやすいように工夫しました。あとは、取り込み部分自体をやや手前に曲げることで、スプーンが口に向かいやすいようにしました。
実際に使っているところです。小指は可動性の問題もあり、握りきれていませんが、それ以外は、指のばらつきもなくなっており、リラックスして、かつ、しっかりとスプーン操作が行っているように思います。良かったです
以上、スプーン改造の報告をさせてもらいました
写真掲載にあたりご本人様に了解をいただいております
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