1月27日(月)のあさ空。
朝から雨で、桜島ビューもなし。
コンビニでの支払いがあったので、小雨になったタイミングで出かけてみたところ、いきなり強く降り出して濡れるという…雨女?ぶりでした。
水の買い置きもなくなって来たので、2ℓを1本だけ買ったものの、重くてやっとこさで車に運ぼうとしていたら、うしろから人が走って来て、「これ、鍵を落とされませんでしたか?」と車の鍵を差し出す男子高校生が。
「あ。私のです。申し訳ありません。わざわざありがとうございます。本当に助かりました」と頭を下げながら、笑顔を向けると、パアっと明るい笑顔になって、ぺこりと頭を下げて、走って行かれました。ご親切に感謝。好青年に感心。本日はレスキューするのではなく、された高齢者でした(笑)
車の鍵を落とすなんて、どうやって家に帰ればいいのか。反省と恥ずかしい思いもありましたが、レスキューされるときほど、人のご親切をありがたく思う瞬間はない気がします。
東京に住んでいた学生時代。朝の通勤通学ラッシュ時の山手線構内。私は階段を踏み外して、中段くらいから下まで転げ落ちてしまったことがあります。それを見ていてた乗客の方たちの多くがそろって、「あーっ」と大きな声を上げたので、ものすごく恥ずかしかった。幸いなことに、ほかの方を巻き込むことはありませんでしたが、人目が多かったので、いやもう、穴があったら入りたかった。大きなけがはなくても、打撲で痛いし、持っていたものが散らばってしまって焦るしで、結構にパニックになったことがありました。
多くの方は痛みでうずくまる私のことを冷たく一瞥して去って行かれたのですが、おひとりだけ「けがはありませんか」と声をかけてくださって、荷物を一緒に拾ってくださった男性がいたことを思い出します。おそらく、そのとき、私が転落したことを見ていた人たちは軽く100人以上はいらしたと思いますが、助けてくださったのはただひとり。東京の方はこういったときの対応は「冷たい」と思い込んでいた私にとっては、「こういったご親切な方もいらっしゃるのだ」と、本当にありがたく、心温まる思いでした。
このことを思い出したのは、2001年1月26日に日韓両国で大きく取り上げられた山手線新大久保駅の人身事故で亡くなった韓国人留学生の遺族の方が来日されて追悼されたというニュースを見たからでした。人を助けようとした方が亡くなってしまった痛ましい事故のことは忘れられない方が多いと思います。
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NHKのホームページから引用させていただきます。
JR山手線 新大久保駅の転落事故から24年 遺族らが駅構内で追悼
JR山手線の新大久保駅で、ホームから転落した人を助けようとした韓国人の留学生と日本人の男性が電車にはねられ死亡した事故から26日で24年となり、来日した留学生の遺族などが駅の構内で黙とうをささげて追悼しました。JR山手線の新大久保駅では2001年1月、韓国人の留学生イ・スヒョン(李秀賢)さん(当時26)とカメラマンの関根史郎さん(当時47)がホームから転落した男性を助けようと線路に降り、入ってきた電車にはねられて3人とも亡くなりました。
事故から24年となった26日、来日したイさんの母親のシン・ユンチャン(辛潤賛)さんが韓国のパク・チョルヒ駐日大使などとともに新大久保駅を訪れました。
そして駅の構内にある慰霊のためのプレートに花束を手向けたあと、黙とうをささげました。
追悼式には、およそ150人が参列し、シンさんが「出会った方々とともに息子が成し遂げようとした韓日両国の友好のため少しでも力になれることが私にとって大きな励みになります」とあいさつしました。
イさんは生前、日韓両国の懸け橋になりたいと話していたことから、両親らが見舞い金などをもとに基金を設立し、これまでに19の国と地域のあわせて1236人の留学生が奨学金を受け取っています。
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当時、このニュースは落としどころがないといった複雑な心情を抱いた方が多かったのではないでしょうか。人を助けたいという思いでの勇気ある行動はもんくなしに称賛すべきですが、尊いいのちが亡くなってしまったというのは救いがない。これは3人の方のいのちのすべてが救われてこそ成り立つはずだったのだと思うと、当日、電車を運転していた運転手さん、泥酔されていた方のご家族はどんな思いだったのか。人生は思うにまかせないことばかりですが、どうすべきなのか、どうすべきだったのかの正しい結論が出ないことがあると思わされました。
同じ山手線の駅でのことです。その人は50代くらいの男性だったと思いますが、「網走刑務所から出て来た」と、腕にある多くの傷痕を見せて絡んで来ました。上京したばかりで、まだ、10代だった私は逃げることもできずに立ち往生。酔っている様子だったので、どこかのタイミングで逃げようとは思っていましたが、私の背中側は建物で、その男は私を追い詰めるといった感じで向き合わせで立っているので、男を突き飛ばして逃げ道を確保しなければならない状態。すると、男には見えていませんが、男の背中側から警察官2人が駆けてくる姿が見えました。彼らは男の肩をぐいっと掴んで振り向かせ、「おいっ。何をしているんだ?」と大きな声で怒鳴りつけて、私はその絡んだ来た男よりも警察官の方の声の方が怖くて震えてしまいました。やはり、犯罪者に常に対応なさってる警察の方の迫力は違うんだなあと、感心してしまいました。
「被害を訴えますか?」と聞かれましたが、特に何かされたわけではなかったので、「大丈夫です」と答えると、その男はふたりの警察官に連れて行かれてひと安心。助けていただいて、本当にありがたく思いましたが、その警察の方がどこから来たのかと思うと、私がいた駅の反対側の交番ではないかと思い当たり、私が男に絡まれて困っている様子を見ていた人たち(駅なので、このときも階段転落のときと同様に多くの人たちが私たちのことを見ていました)の中で、交番にわざわざ行って助けを求めてくださった方がいらしたのだろうと思います。困っていても何もしない方がほとんどであっても、見て見ぬふりができない方がおひとりでもいらっしゃることを心からありがたく思い、私にもできることがあれば、勇気は持っていたいと願っています。
今日は一日雨でした。
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