結婚式会場だった護国神社では新郎がまだ来ないと大騒ぎだった。過去、ここで結婚式の司会を3回ほど勤めていたこともあり、担当者とは旧知の仲だった。タクシーから降りた俺を「真打が来ましたね」と迎えてくれた。
結婚式ではケーキ投げをやらかした。ハレの行事にはケーキ投げ・・・大阪で暮らしたアイデンティティを具現化したイヴェント、それを俺の結婚式というハレの日にやらかしたのだ。奥さんが言う、「あなたの気配を感じて、新郎側来賓が一斉に腰を上げようとしたのに驚いた。今から何が起こるのかしら・・・って」 俺の来賓、ダチばっかだったが「来た!」と察知、すかさずテーブルナプキンでディフェンスしながら逃げ惑った。俺はケーキを手に持って追いかけた。結婚式場は競馬場のようになった。新婦側は唖然としてその騒乱を眺めていた。
あれから34年らしい・・・俺は今も塾を続けている。
娘たちが買ってくれたケーキ・・・投げるために買ったのではなく食べるために買ってくれたのだ。
この時刻には津駅から特急に乗車。新郎新婦の友人たち総勢30人で、借り切った鳥羽の民宿に向かっている。
29期生からの差し入れ・・・まずは蓮(津西3年)が頂いている。
日が傾いてくる。