4月28日。
本日は資料館所蔵の刀剣のお手入れ。
当館には、第七代横綱稲妻雷五郎関係の刀剣類や
中世の常州東条庄高田郷の鍛冶(岡澤九郎兵衛一門)関係の刀剣、
それに寄贈を受けた刀剣など一〇口(ふり)ほどが所蔵されています。
今回は、これまで第二展示室に展示してありました
①脇差「常住英定作/天正(以下切れ)」
②脇差「家善作」
の2口をお手入れして、白鞘(しらざや)に納めて休めます。
白鞘のことを俗に「休め鞘」というのは、太刀や刀の
拵え(こしらえ)よりも密閉度が高く、刀剣保存に適している
ことから名付けられたとも言われています。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/thumbnail/1e/ef/e4e4f4b50446d435544d2d6702336066_s.jpg)
そして代わりに…
③脇差「常州東条庄高田住英定/元亀ニニ癸酉年正月吉日」
④脇差「常州高田住綱貞」
を新たに展示します。
①~③は、いわゆる「平造り」と呼ばれる造り込みで、
刀身の側面にある稜線(りょうせん)である「鎬(しのぎ)」
がありません。
これらは長さが、およそ一尺以下であれば普通に
「短刀」と呼ばれるものです。
①~③はそれぞれ長さが一尺を越えていますので、「脇差」に
分類されますが、俗に「寸伸び短刀」などとも呼ばれるようです。
④の造り込みは、「菖蒲造り」というもので、
菖蒲の葉のような形をしていることから名前が付いたようです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/thumbnail/32/be/2321bde6b74cc8195649cfaabb503e67_s.jpg)
③の刀剣は、実は今回が初公開です!
英定は、室町時代末期の常州東条庄高田郷の鍛冶の頭領であり、
中々見事な作があります。この脇差は、少し研ぎ減ってはいますが
美術刀剣として見ることができる英定の作例で、製作年の明らかな
もののうち最も古いものです。
④を造った綱貞は、東条庄高田郷の鍛冶の嫡流(ちゃくりゅう)
として名前の分かる最後の鍛冶です。
綱貞は天正頃に活躍した鍛冶と考えられていて、地金の感じも
英定や家善などと比べると、やや硬い感じがします。
綱貞は英定の息子ですが、今回の③と④では地金の感じが
ずいぶんと違います。同じ東条庄高田郷の鍛冶であっても、
時代によって刀を造った地金に変化があったのかなぁ…
とちょっと気にとめて見ていただけると
よいかとおもいます。。
本日は資料館所蔵の刀剣のお手入れ。
当館には、第七代横綱稲妻雷五郎関係の刀剣類や
中世の常州東条庄高田郷の鍛冶(岡澤九郎兵衛一門)関係の刀剣、
それに寄贈を受けた刀剣など一〇口(ふり)ほどが所蔵されています。
今回は、これまで第二展示室に展示してありました
①脇差「常住英定作/天正(以下切れ)」
②脇差「家善作」
の2口をお手入れして、白鞘(しらざや)に納めて休めます。
白鞘のことを俗に「休め鞘」というのは、太刀や刀の
拵え(こしらえ)よりも密閉度が高く、刀剣保存に適している
ことから名付けられたとも言われています。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/thumbnail/1e/ef/e4e4f4b50446d435544d2d6702336066_s.jpg)
そして代わりに…
③脇差「常州東条庄高田住英定/元亀ニニ癸酉年正月吉日」
④脇差「常州高田住綱貞」
を新たに展示します。
①~③は、いわゆる「平造り」と呼ばれる造り込みで、
刀身の側面にある稜線(りょうせん)である「鎬(しのぎ)」
がありません。
これらは長さが、およそ一尺以下であれば普通に
「短刀」と呼ばれるものです。
①~③はそれぞれ長さが一尺を越えていますので、「脇差」に
分類されますが、俗に「寸伸び短刀」などとも呼ばれるようです。
④の造り込みは、「菖蒲造り」というもので、
菖蒲の葉のような形をしていることから名前が付いたようです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/thumbnail/32/be/2321bde6b74cc8195649cfaabb503e67_s.jpg)
③の刀剣は、実は今回が初公開です!
英定は、室町時代末期の常州東条庄高田郷の鍛冶の頭領であり、
中々見事な作があります。この脇差は、少し研ぎ減ってはいますが
美術刀剣として見ることができる英定の作例で、製作年の明らかな
もののうち最も古いものです。
④を造った綱貞は、東条庄高田郷の鍛冶の嫡流(ちゃくりゅう)
として名前の分かる最後の鍛冶です。
綱貞は天正頃に活躍した鍛冶と考えられていて、地金の感じも
英定や家善などと比べると、やや硬い感じがします。
綱貞は英定の息子ですが、今回の③と④では地金の感じが
ずいぶんと違います。同じ東条庄高田郷の鍛冶であっても、
時代によって刀を造った地金に変化があったのかなぁ…
とちょっと気にとめて見ていただけると
よいかとおもいます。。