稲敷資料館日々抄

稲敷市立歴史民俗資料館の活動を広く周知し、文化財保護や資料館活動への理解を深めてもらうことを目的にしています。

資料館内大掃除&資料の写真撮影

2012年09月03日 | 日記

8月31日(金)
館内清掃、写真撮影

実習生のK子です。
この日は、館内整理日で資料館は閉館し、大掃除を実施しました。
市町村合併後、江戸崎や新利根などから新たに入ってきた資料や図書、
新たに作った館報などが床をふさいでいたため、それらを一旦外に出し、
半年に一度の床掃除を行います。




物を運び出した後の燻蒸室兼物品庫です。
床掃除後、資料の燻蒸を兼ねてバルサンを焚きました。

展示室では、吸湿剤の取り換えを行いました。
展示ケースの床下には、ニッカペレットという吸湿剤が入っています。


この交換を行うには、展示ケースの中に入る必要があります。
そのために、まず展示中の資料を外したり退けたりします。


企画展示中の掛け軸の取り外しです。


第三展示室のケースの中での作業の様子です。
大型の資料が多く、簡単に出し入れができないため、
資料と共に展示ケース内に入り交換を行いました。

絵画や掛け軸など様々な資料に触れられる機会であり、
緊張もしましたが良い経験となりました。



この日の午後は、資料の写真撮影をしました。
被写体は、現在企画展示中の、鈴木草牛の『江戸崎風景』と『新利根川』です。

ポスト塗替えや掃除の様子など記録用の写真は一眼レフデジカメで撮影していますが、
ポスターや図録に使用する資料を撮影する時には、6×7の中判のフィルムカメラで撮影します。
普段からイチデジを愛用しているカメラ女子の私でも見たことのないような立派なカメラです。


図書館の会議室を借り、ボードで窓から入る光を遮断し、写場を作りました。
完全に光を遮断できませんでしたが、この中で資料にライトを当て撮影します。

フィルムカメラはデジカメと違い、撮影した写真をすぐに確認できないので、
ポラロイドで撮影し露出やアングルを調整していきます。

この日私たちは1枚の絵のアングルを決めるのに1時間近く要しました…。
まだフィルムで撮った写真を現像していませんが、
出来上がりが心配でもあり楽しみでもあります。

学芸員の仕事には、企画展や講座開催など華やかに見える仕事もたくさんありますが、
それを行うまでの準備だったり、資料保存の為に行う地味で体力勝負といった作業もたくさんあります。

実習はあと1週間です。
学芸員の仕事は数え切れないほどありますが、できるだけ多くの経験をしたいと思います。