ここ数日、ちょっとまいっていた。
いや、何か悩みがあったとか、病気や怪我をしたとかではない。
勝手に落ち込んで、体調不良も併発というところ。
本好きの妄想家なもので、
本を読んでいて、夢中になると、その世界に入り込んでしまう。
子どもの頃から変わらない。
今回は、けっこう重症。
まず・・・
広島サミットにあわせるかのような2冊。
図書館で予約していた、
林重男・井上祐子『原爆写真を追う~
東方社カメラマン林重男とヒロシマ・ナガサキ』(図書出版みぎわ)が
到着。
広島も長崎も原爆直後の写真は、
あれもこれも、林氏の撮影だったのか・・・と
いまさらながら驚かされる。
あれもこれも、林氏の撮影だったのか・・・と
いまさらながら驚かされる。
第一部は岩波書店から出ていた、林氏の著書『爆心地広島に入る』。
ご本人が撮影の背景などを語る。
第二部は井上祐子氏による林氏の小伝。
後半生は、平和運動に携わっていたと初めて知る。
写真は私の持っているヒロシマ関連の書籍で、お馴染みなのに、
それでも頭がクラクラしてしまう・・・
辛い。
そんなとき・・・
阿川弘之『春の城』(新潮文庫)を読み終わる。
広島出身である阿川氏のデビュー作、自伝的小説だ。
長らく絶版と言われていた本書を、大和ミュージアムのショップで見つけ
小躍りしながら買った。
あれは3月、すぐに読み始めたのに、こんなに時間がかかってしまった。
それでも、投げなかったのは、阿川氏の筆力。
学徒出陣した青年(阿川氏を投影)を主人公にした
青春小説めいたところも良かったのだろう
でもでも・・・
広島サミットに合わせるかのように、作中で原爆が投下されてしまった。
阿川氏は復員してすぐに、故郷で聞き書きをしたというだけあって、
当時を知る地元の生の声が描かれる。
真実を追究するドキュメンタリーとは、また違う、
小説体裁の中に現われる真実。
辛い。
さらに・・・読みたかった
阿久澤武史『キャンパスの戦争 慶應日吉1934-1949』
(慶應義塾大学出版会)を読み終えた。
最近、あちこちで書評を見かける、
塾高(慶應義塾高校)・校長先生の著作。
テーマは慶應義塾の日吉キャンパスだ。
理想を掲げ開校した戦前から一転、海軍と賃貸契約を結び、
海軍連合艦隊総司令部の地下壕まで掘られてしまった・・・
(慶應義塾は、ここまでされるとは、寝耳に水だったはず。)
戦後は、アメリカ軍に接収・・・
キャンパスが戻ってきたのは、敗戦4年後のこと。
その後、新制高校としてスタートした塾高は、
キャンパスが戻ってきたのは、敗戦4年後のこと。
その後、新制高校としてスタートした塾高は、
接収されていた校舎に入り、今に至っている・・・
と言う内容。
と言う内容。
2段組ながら、読みやすい文体で、
どんどん読み進めてしまったけれど、
内容は重い。
本来、学生を育み守る場・大学キャンパスが、
戦争の加害の場となってしまった・・・
慶應といえば、本書でも登場する上原良司のように、
多くの若者が学徒出陣兵として戦死している。
ちなみに上原は、『きけわだつみのこえ』(岩波文庫)の
最初に遺稿が出てくる、「自由主義者」だ。
日吉は、彼らが学び、また青春を謳歌しただろう地なのに・・・
と思うと、いたたまれない。
辛い。
・・・と、ここしばらく、ちょっと事情もあって、
他にも戦争関連のあれこれを読み続けていたので、
完全に、頭と心は1945(昭和20)年前後に飛んでしまった。
当然、心がやられるから、身体も、疲れの抜けない日々。
「これじゃいかん!」と
今日は、発売したばかりの大好きな、
よしながふみ『きのう何食べた?』21(講談社)を
読みふけり、笑い転げる。
やっと気分が晴れた感じ。
シロさん、ケンジ、どうもありがとう♫
自分でも呆れるが、本当にメンタルが弱い。
それなのに、こんな気持ちが落ち込む本ばかりを
何で読むんだろう?
でも、読んじゃうんだよね。
明日は、朽木祥『かげふみ』(光村図書)の発売日。(冒頭画像)
朽木氏は、わたしと同世代、広島出身の作家さんで
原爆をテーマにした児童文学作品を書き続けていらっしゃる。
国語の教科書にも載っているそうだ。
近所の本屋に当日入荷はないそうなので、取り寄せてもらうつもり。
ほらね、またズズ~ンと重たくなるんだよね。
読まずにはいられないなら、
せめて切り替えをできるようにならなければ・・・
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おつきあいいただき、どうもありがとうございます。
本人も、かなりまいっていたので、
本当にお読みいただいて、感謝です。
重たい作品、読みたいよりも、読まねば!が強い時あります。なかなか戦争ものは読んでいませんが、社会派の作品や事件のルポ的なものを時々手にしては泣きながら(映像でも本でも、本当によく泣きます)読み終わります。
それをこんなふうに言葉で改めて綴ったり、それこそ読書会で語ることによって、きっと少しではありますが昇華されていると思います。
どうもありがとうございます。
地味に地味に、細々と綴っているブログです。
読書ネタもありますが、歴史に関わることばかりなので
本好きさんには物足りないかもしれません・・・
どうぞ、お気のむいたときに、ぶらりとお出かけ下さいませ。
ふふ、わたしも泣きます、昔からそうでしたが、
加齢と共に涙腺が弱くなるのだと「チコちゃん」でも聞きました。
最近、とみに泣いています
もしかしたら、拙ブログで、お読みいただいたかもしれませんが・・・
40代半ばでサバイバーとなってしまった衝撃は大きく、
以来、ダークツーリズムへの勝手な使命感を抱いてしまいました。
面倒臭いヤツだなぁと自分でも呆れています。
お恥ずかしいです。