好事家の世迷言。

調べたがり屋の生存報告。シティーハンターとADV全般の話題が主。※只今、家族の介護問題が発生中です。あしからず。

某詩人風。(その8)

2016-06-15 | 詩編
悲劇を喜べる人は幸せだ。
その苦しみを知らずに済んでいる証。

惨劇を楽しめる人は幸せだ。
その恐ろしさを知らずに済んでいる証。

私は何も要らない。
今ここに在る事、それだけで手一杯。

道を歩く。

2016-05-28 | 詩編
皆の願いを叶えようと努力した。
多くの人が喜んでくれる中で、ある人がこう言った。
「あなたの正直な気持ちを教えて」

私の願いを叶えようと努力した。
多くの人が喜んでくれる中で、ある人がこう言った。
「おまえの言ってるのは綺麗事だ」

右へ行っても、左へ行っても、尖った石が刺さる道。
一緒にいた人たちは構わず走り、とっくに背中も見えなくなった。
気づけば私は今ここに、ただ一人で立っていた。

腰をおろして空を見た。
私はこれから、ゆっくり歩こう。
最初に一歩踏み出せた、あの時の喜びを忘れずに。

ことのは。

2016-03-21 | 詩編
言葉はすぐに、棘になる。
心を刺して痛くて抜けない。

言葉はすぐに、毒になる。
心を染めて苦くて消えない。

だけど、私たちは話さずにはいられない。
言葉は心を癒す、魔法にもなるのだから。

パーフェクト・プレイ。

2016-02-03 | 詩編
物を成すとは、走ること。
最後まで、奇跡を信じて走り抜く。

物を成すとは、踊ること。
最後まで、絶対に間違うまいと踊り抜く。

最善の機会を逃さずに、祈るが如く遊びましょう。
皆で紡がれる物語は、それだけで既に美しいから。

正義とは何かと問われたら。

2015-12-24 | 詩編
芥(あくた)の上で黒猫は鳴く。
吸い殻、紙切れ、缶に瓶(ビン)。
きりなく落ちる、誰かのカケラ。

それらはまるで傷のよう。
この街という体に、斬りつけられた怪我のよう。
やがては体に広がって、治せない病となろう。

冬の空の下、街を歩く勇者たちよ。
どうかその手を、戦う以外にふるっておくれ。
足で避けている街の傷を、一つでいいから癒しておくれ。

そして出来れば、ボクの昼寝の邪魔も
しないでくれたら、もっといいかな。
今日は皆で仲良くする日だって聞いたから。

――そんな風に、黒猫は鳴いた。

無題 (詩編)

2014-09-22 | 詩編
「わたしは好きなときに好きなことをしたいのに
みんなはわたしを助けてくれない」

「わたしは好きなだけお金をつかいたいのに
みんなはわたしにお金をくれない」

「わたしはみんなのために言ってあげているのに
みんなはわたしの話を聞いてくれない」

「だからわたしは一人で死ぬの
嗚呼 なんてわたしは不幸なのかしら」


なるほど確かに不幸な人だ。
自らの目も耳も塞いでる貴方には、
私たちの声も届かない。

荒れ野に咲く花。(続・旅人は歌う)

2014-03-09 | 詩編
森の奥の荒れ野には、風だけが吹いていた。

ある日、遠い地から運ばれた種たちが蒔かれ、
芽吹き花咲き実を結んだ。
そして荒れ野は、鮮やかな色に満たされた庭になった。

ある日、花々を見かけた旅人はそれを摘み、
きれいに形を整え運んで広場に置いた。
そして広場は、より多くの人と物とが集う町になった。

ある日、商人たちが町を訪ねて庭を知り、
もっともっと花々を得ようと、庭と町とに道路を敷いた。
そして辺りは、花を荒らす恐ろしい獣たちの巣になった。

ある日、庭に住む者たちは身を守ろうと、
無数の矢を掛け罠を置き、あらゆる獣を追い出した。
そして庭は、道路も塞がれ密やかに森にこもった。

どうか誰も忘れないで。
そもそも、町に置かれた花はどこから来たか。
そもそも、庭に蒔かれた種はどこから来たか。

今日も荒れ野に花が咲く。
色を変えても。
かつて旅人が惹かれた美しさは変わらずに。

某詩人風。(その7)

2014-02-07 | 詩編
助けてほしいと悩んでいる人がいた。
私は全力で彼を助けた。

守ってほしいと苦しんでいる人がいた。
私は全力で彼女を守った。

そんな私を救ってくれる人は、この世界のどこにいるのか。
飲み干す酒は、教えてくれない。

某詩人風。(その6)

2013-11-21 | 詩編
私は真実を伝えたかった。
誰も聞いてはくれなかったけど。

私は真実を広めたかった。
誰も信じてはくれなかったけど。

幾千万の傷を経て、それでも私は訴える。
この世界で私だけは、私を裏切らないために。
コメント (2)

某詩人風。(その5)

2013-10-17 | 詩編
あなたのことを愛しています。
だからわたしを求めてほしい。

あなたのことを信じています。
だからわたしを頼ってほしい。

そう訴え続ける、貴方に願う。
どうか私の道を塞がないでと。