困った。
失敗した。
どうしよう。
最初は一刻も早く、目的地に行かなきゃって頑張ってた。
生まれて初めて「黒い森」の屋敷から出て、ぱあっと明るい青空が見えたら、
凄くわくわくして、逆に足取りはどんどんのんびりになっていった、みたいで。
「柳谷」の長い道のりを終えて、「ぎざ岩山」のふもとに着いた時には、
すっかり太陽は沈んでいた。
夕闇は、本物の暗闇に変わっていた。
バルサスの砦の尖塔は、物々しく禍々しく、
夜空にあるのに黒光りしてるようにさえ見えた。
ちょっと疲れたから、砦の壁の少し手前で一休みしようかな、と思ったのが本当に大失敗。
何となく、この砦に入ったら二度と出られないんじゃないかという気持ちになって、
鳥肌が立ってきた。
だめだめ、こんなトコで怖がってたら、お兄ちゃんに笑われる。
あたしは地図をちらと見て、門を目指した。
地図のメモには、「衛兵は言いくるめれば何とかなる」と書かれている。
あたしとしては楽だけど、ノンキな衛兵さんね。
お喋りは得意だもの。切り抜けてみせるわ。
失敗した。
どうしよう。
最初は一刻も早く、目的地に行かなきゃって頑張ってた。
生まれて初めて「黒い森」の屋敷から出て、ぱあっと明るい青空が見えたら、
凄くわくわくして、逆に足取りはどんどんのんびりになっていった、みたいで。
「柳谷」の長い道のりを終えて、「ぎざ岩山」のふもとに着いた時には、
すっかり太陽は沈んでいた。
夕闇は、本物の暗闇に変わっていた。
バルサスの砦の尖塔は、物々しく禍々しく、
夜空にあるのに黒光りしてるようにさえ見えた。
ちょっと疲れたから、砦の壁の少し手前で一休みしようかな、と思ったのが本当に大失敗。
何となく、この砦に入ったら二度と出られないんじゃないかという気持ちになって、
鳥肌が立ってきた。
だめだめ、こんなトコで怖がってたら、お兄ちゃんに笑われる。
あたしは地図をちらと見て、門を目指した。
地図のメモには、「衛兵は言いくるめれば何とかなる」と書かれている。
あたしとしては楽だけど、ノンキな衛兵さんね。
お喋りは得意だもの。切り抜けてみせるわ。