リーメンシュナイダーを歩く 

ドイツ後期ゴシックの彫刻家リーメンシュナイダーたちの作品を訪ねて歩いた記録をドイツの友人との交流を交えて書いていく。

250. 絵の背景となった「マリア祭壇」

2021年03月29日 | 日記

▶絵の背景となったクレークリンゲンの「マリア祭壇」

 


宮城千春さんの絵 リーメンシュナイダー「マリア祭壇」のある部屋


▶宮城千春さんからのメール

 「突然のメールをお許しください。
  まだコロナウイルスに収束の兆しは見えませんが、日毎にしのぎやすくなってまいりました。恙なくお過ごしのこととお察し申し上げます。
 
江古田の会場でリーメンシュナイダーの『聖母祭壇』を拝見したのは去年の暮でした。会場の正面に飾られた大きな写真を見た瞬間、しばらく離れられない自分がおりましたことを、昨日のように思い出しております。」

という書き出しで始まるメールが宮城千春さんから届いたのは2020年9月のことでした。前年に練馬区のギャラリー古藤で開催した福田緑写真展「祈りの彫刻 リーメンシュナイダーを歩く」においでくださった方だったのでした。宮城さんは白日会という絵画団体に「会友」として所属され、毎年、会の催す展覧会に出展していらっしゃるとのこと。今年の春の出品作品に「聖母祭壇」の写真を背景に構図を組み立ててみたくなったそうです。そのため、私の写真集からマリア祭壇の写真を利用する許可を求めてメールをくださったのでした。私は喜んで「どうぞ」とお返事しました。

 その成果がここにある

 リーメンシュナイダー 「マリア祭壇」のある部屋

となりました。

 宮城さんから白日展への招待券をいただいたので、27日に連れ合いの三津夫と一緒に六本木の国立新美術館まで出掛けたのでした。その時に写した写真をご紹介しておきます。ただ、こうした絵やレリーフの平面作品を真っ正面から写すのは大変難しく、気をつけていても斜めになってしまいます。多分三脚を使うと、もう少しまともに写すことができたのではないかとは思いますが、残念。修行が必要ですね。

 


こちらは額まで入れた写真です。トップの写真は額を切り取ってみました。
 


こちらは斜め右下からアップで写してみました。モデルさんと、背景の祭壇との兼ね合いは難しい課題ではなかったかと思われます。
 私は、このモデルさんの柔らかな微笑みが好きです。

 
  なにはともあれ、初めての白日展は大作に続く大作で驚きました。私の写真が
宮城さんの力作に少しでもお役に立てたことを嬉しく思います。この作品は皆さまにご好評とのこと、心よりお喜び申しあげます。

※このブログに掲載したすべての写真のコピーをお断りします。© 2015-2021  Midori FUKUDA

 

 

 

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249. ドイツと日本 春の花較べ

2021年03月07日 | 日記

▶日本の春とドイツの春 たまたま揃った花較べ

 


こちらは友人宅の春の花 立金花(リュウキンカ)

 

▶日本の春の花の写真を送ったら…

 わが家には庭らしき庭がありません。仕方なくベランダにプランターで球根を植えたり、買ってきた花を植えたり、細い通路に自然に生えてきた花を楽しんだりしています。友人のKさん宅の庭はこの辺りでは広いのですが、K夫妻はご高齢なのでなかなか手入れができないと嘆いていらっしゃいました。そのため、数年前から娘と友人を含めた4人のグループでお庭の手入れをしています。

 トップの写真は、このK宅で真っ先に咲き誇る春の花、立金花(検索先によっては姫立金花となっています)です。数年前に何本か自然に出てきた花ですが、今はどんどん広がってきました。この金色の花にはなぜか元気をもらいます。ブログ248で出てきた編み笠の説明の写真と共にこの写真をヴェニガーさんに送ったところ、折り返しドイツの花の写真が送られてきました。まさに立金花によく似た花がありますが、彼の書いた花の名前にはそれらしきものが入っていません。もしかしたら立金花の仲間かなとも思いましたが、葉っぱの形が違うので何とも言えませんね。その送られてきたドイツの花の写真を以下に載せておきます。

 上から順番に、立金花に似た花(花の名前は不明)、Märzbecher スプリング・スノーフレーク、Schneeglöckchen スノードロップ、 Krokusse クロッカスです。ただ、検索した限りではスノードロップの画像はすべて白い花で、彼が送ってくれたような青い花の写真はありませんでした。ドイツにはあるのでしょうか。
 それにしてもクロッカスの咲き誇る原っぱって、あまりこの辺りではみかけません。一度見てみたいものです。

 








マティアス・ヴェニガーさん撮影 春の花

 

▶紅梅白梅の写真から

 そしてまた面白かったのが、近所のお宅に咲いていた紅梅白梅の写真も送ったところ、ヴェニガーさんは日本が左側通行をしていることと電線が地上に出ていることにびっくりしたそうです。ヨーロッパでは電線は地下に埋蔵されていて見たことがないと。地上に出ていて台風の時などに困らないのかと心配していました。ただ、地震も台風も多い日本ではどうなのでしょう。電線を地下に埋蔵したときに大きな地震があったら電線の修理も大がかりになるでしょうし、かといって台風で電柱が倒れる心配はなくなるし、景観を損ねていることも確かだし…、と考えてしまいますね。

 それにしても花の写真を送れば日本の交通や電線に興味が湧き、玄関の写真を送れば編み笠に興味を持ち、ヴェニガーさんはやりとりしていて楽しい方です。その紅梅白梅の写真も載せておきます。


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248. わが家の玄関はドイツコーナー

2021年03月07日 | 日記

▶わが家の玄関にドイツからの壁掛けが加わりました。



マティアス・ヴェニガーさんから送られた壁掛け

 

▶壁掛けはおばさまの形見とのこと

 この壁掛けは、亡くなったおばさまが残したものだそうです。247で書いたように、ヴェニガーさんは、ローテンブルクのマルクト広場が織り込まれているので私に送ったらどうかと考えたのでした。最初に問い合わせがあり、三津夫に話してみたところ、彼の部屋の大きな本棚にかけるとごちゃごちゃしたものが隠れて良いかもしれないから欲しいということでした。そしてヴェニガーさんから「ついでにチョコレートも入れようと思うけど、日本ではじかれることはないだろうか」「税金を取られることはないだろうか」などの問い合わせが2~3回あって、ようやく届いたプレゼントだったのでした。三津夫が早々と彼のブログに写真を載せてしまいましたが、ようやく私のブログにも登場してもらいます。

 壁掛けは少し傷んだ場所があり、幅が120cm近くあったため、まずは一度軽く押し洗いをしてから傷んだ箇所を修理しました。三津夫が飾りたいと思っていた本棚には少し大きすぎて彼のイメージに合わないことがわかり、どこならこの大きさの壁掛けがかけられるだろうと相談して、玄関でみんなを迎えるという方が良いだろうと決めました。その後、長いポールやネジ釘などを探して購入、ようやく取り付け終えたのがトップの写真です。思っていた以上に存在感があります。ヴェニガーさんのおばさまはよろこんでくださっているでしょうか。わが家の玄関では手狭で申し訳ない気もします。もしかしたらポールに通すよりは直接壁にピンで留めた方が良かったのかしら…。でも壁板には裏張りのあるところとないところがあり、ちょうど良い場所では下がりすぎてしまうしと、悩んだ挙げ句にこうなったので仕方がないのですけれど。




こちらは全体の様子です。

 

▶玄関にはドイツからの品物が他にもたくさんあります。

 わが家の玄関には他にもドイツからやって来た品々が置いてあるのです。パッと目に付くのが聖バルバラ像。これは留学中にヴュルツブルクまで出掛けた際に大聖堂横の本屋さんで見つけたレプリカです。シュヴェービッシュ・ハルに戻ってから三津夫にメールで買っても良いかどうかと尋ね、次に友人が訪ねてきたときにまたヴュルツブルクに行き、ようやく買ったものでした。でもドイツって梱包などしてくれないのですよね。確か、大きめの袋に入れて渡されたような気がします。これではシュヴェービッシュ・ハルまで持って帰れない、どうしようと悩んで大きなバッグを探して回り、ようやくスポーツ用品店でラケットバッグを見つけて入れてみたらピッタリ入ってくれたのです。そのバッグを背負って帰った品でした。

 リーメンシュナイダー作の聖バルバラ像はヴュルツブルクのマインフランケン - ヴュルツブルク美術・文化史州立博物館と、ミュンヘンのバイエルン国立博物館が有名です。どちらも清楚で素敵な像ですが、ヴュルツブルクの方はハウベが取れてしまったものか、頭には何も被っていないのですが、ミュンヘンのバルバラは頭にハウベを被っています。後者の方が少し大人びていて、買った彫刻はこちらのタイプのものです。顔はどうしてもなかなかオリジナルのようには彫れていませんが、清楚な雰囲気は出ていると思います。このバルバラさんは写真展にも展示して、皆さんにも菩提樹の手触りを感じていただいています。

 その手前に並んでいるのは今は亡きペーターが、毎年送ってくれるクリスマスプレゼントに入れてくれた天使たちです。裏には私たちの名前がペーターの手で書き込まれていて、わが家のシュッツ・エンゲル(守護天使)となり、今も見守ってくれているのです。

 でも、こうした写真をヴェニガーさんに送ったところ、彼が一番反応したのは廊下にかかっているベトナム風の笠でした。これはストローでできているのかという質問にまだ答えられていません。ちゃんと返事を書かなくては。

 



2006年の留学中にヴュルツブルクで買い求めた聖バルバラ
と、ペーターからの天使たち

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247. ドイツからのプレゼント

2021年02月21日 | 日記

▶ヴェニガーさんからたくさんのプレゼントが届きました。

 


こちらは昨年贈った私からのプレゼント ヴェニガーさんは自転車で引き取りに。

 

▶ヴェニガーさんの前書きと写真提供に感謝して

 昨年11月、『完・祈りの彫刻 リーメンシュナイダーと同時代の作家たち』ができあがったときに、前書きを書いてくださって、しかもたくさんの素晴らしい写真を提供してくださったヴェニガーさんに、お礼の気持ちでできあがった本を贈りました。この本を入れた箱は大変重くなっていたので航空便では送料がとてつもなく高くなってしまうため(1冊だけは先行してクリスマスのプレゼントとして送っておいたのですが)、残りは船便で送り出したのでした。それがようやくドイツに届いたのが1月のこと。一月末、ドイツは大雪に見舞われました。そんな中をヴェニガーさんは自転車で税関まで(確かミュンヘン空港のと書いていらしたと思いますが)引き取りに行ったのでした。その時の写真が上のものです。身長の高い彼がこのような可愛らしい自転車に乗っている姿を思うと微笑ましくなります。でも雪の中、さぞ大変だったのではないかと思います。

 追記:ヴェニガーさんは税関で私からの贈り物であるにも拘わらず、税金を26ユーロも取られてしまったそうです。でも大した金額ではなかったので気にしないでと言ってくださいました。それにしても本のプレゼントはそんなに税金を取られるものなのでしょうか。1冊6,600円だと正直に書いたからでしょうか。どうしたら良かったのかと悩みます。

 

 わが家からの荷物は、以前にも書きましたが、切手がたくさん貼り付けてあります。色とりどりの切手がヴェニガーさんにはとても楽しかったそうです。そのため、彼も今度は日本の私たちにいろいろな切手で贈り物を届けたいと思ったらしく、下のような荷物が今日届いたのでした。

 ヴェニガーさんの荷物に貼られた切手はなかなか盛りだくさんで、しばし虫眼鏡まで引っ張り出して「これはどこの切手だ」「これはどこにあるんだろう?」と三津夫と楽しませてもらいました。三津夫が一番気に入ったのはションガウアーの作品切手で、私が一番気に入ったのは、二人の女性が肩を組んでいるベルリンの作品切手です。今度ベルリンに行ったら是非見てみたいものです。ヴェニガーさんも私同様に切手収集の趣味があったものか、急ぎ買い集めたものかわかりませんが、この切手も贅を尽くしたプレゼントでした。そして、切手の貼られた包み紙は、切り抜いて戸棚に飾りました。

 


届いた荷物(上)と、
 ヴェニガーさんが送り出した荷物(ヴェニガーさん撮影:下 住所は加工してあります。)



 そして、プレゼントの中味はこんなにたくさんの品々でした。

 右の椅子にかかっているのがヴェニガーさんがおばさまからもらったという壁掛けで、ローテンブルクのマルクト広場が織られています。それに彼の住んでいるフライジングの名品のチョコレート、バイエルン国立博物館の年鑑というのでしょうか。ヴェニガーさんも一部記事を書いていらっしゃいます。三津夫が今、辞書を引き引き読んでいるところです。他にお茶やクッキー。もう一度クリスマスが来たような楽しい日でした。

 今日、早速お礼のメールを書きました。このおばさまからの壁掛けはわが家の玄関にかけようと思っています。

 



 


ヴェニガーさんからいただいた1月の雪景色の写真をもう一枚載せておきます。ミュンヘンのバイエルン国立博物館

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246. 図書館情報を更新しました。

2021年02月08日 | 日記

 

▶公立および大学図書館の第四巻所蔵館が増えています。

 


近所のバラ1

 

▶図書館にも第四巻が増えています。

 第四巻の写真集『完・祈りの彫刻 リーメンシュナイダーと同時代の作家たち』の図書館の所蔵状況を以前ブログ242でご紹介したときには、公立・大学図書館での所蔵館合計は31館でした。そして、他の既刊3巻についても、12月に調べたときより以下のように増減していることがわかりましたのでここでご報告しておきます。

 第一巻『祈りの彫刻 リーメンシュナイダーを歩く』(2008年12月刊行)   
     公立図書館 121館  大学図書館 85館   合計  206館(5館減) 2021年1月27日調べ
 
 第二巻『続・祈りの彫刻 リーメンシュナイダーを歩く』(2013年1月刊行)
     公立図書館 103館     大学図書館 72館   合計  175館(10館減)2021年1月27日調べ
 
 第三巻『新・祈りの彫刻 リーメンシュナイダーと同時代の作家たち』(2018年8月刊行)
     公立図書館   72館     大学図書館 33館     合計  105館(5館増)2021年1月28日調べ
 
 第四巻『完・祈りの彫刻 リーメンシュナイダーと同時代の作家たち』(2020年11月15日刊行)
     公立図書館   61館  大学図書館 15館   合計76館(45館増)2021年2月6日調べ
 
 
▶図書館数の「増」はわかるけれど、何で「減」があるのでしょうか。
 
 それには以下の事情がありました。
 CiNiiという大学図書館のサイトでは第一巻と第二巻については『祈りの彫刻 リーメンシュナイダーを歩く』正・副として表示されています。そのため、第一巻しかない図書館もうっかり第二巻の所蔵館として数え、第二巻しかない図書館でも第一巻の所蔵館と数えてしまうことがあったというカウントの混乱があったことがわかりました。1月に気が付いて必死で調べ直した結果、上で述べたとおりの増減がありました。大変申し訳ありません。

 なお、カーリルにしてもCiNiiにしても日本にあるすべての図書館を網羅しているわけではありません。また、以前は名前が出ていた図書館が最近は名前が出なくなっているという浮動的な面もあります。これは書庫にしまわれてしまったのか、廃棄されたのかと思ったりしますが、理由ははっきりとはわかりません。ときには再び名前が復活してくることもあるので、調べたときにたまたま反応しなかったということもあるのかなぁと勝手に想像しています。でも、廃棄されているとしたらちょっと悲しいですね。多くの本が出版される現代においてはやむを得ないことなのかもしれませんが。
 というわけで、あくまでも目安としてカウントしています。
 
 それでも、貸し出し中は黄色い「貸し出し中」のマークがついて出てくるのです。あぁ、今どなたかが読んでくださっているのだなと思うと「ありがとうございます」とつぶやきながら調べています。同じ区や市で2箇所の図書館で所蔵してくださっているところもあって、本当に嬉しく思っています。

 それにしても、第一巻は地元の朝日タウンズで第一面に掲載されましたし、第二巻は朝日新聞の書評で取り上げられました。そして第三巻も写真展に関する新聞記事で取り上げられたことがありました。そのおかげでこれだけ図書館にも入れていただけたのではないかと思っていますが、第四巻はまだそうした機会がまったくないにもかかわらず、こんなにたくさん入れていただいているというのは、感謝を通り越して不思議でもあります。皆さまのおかげなのだと思うしかありません。
 この場所を借りて、リーメンシュナイダーというマイナーなドイツ中世の彫刻家についての本を手に取って読んでくださる方、図書館に要望してくださる方、ご購入いただいた方々に心から感謝申しあげます。
 
 
近所のバラ2
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245. リーメンシュナイダー写真展について

2021年02月01日 | 日記

▶第2回リーメンシュナイダー写真展を来年には何とか…

 


ボーデ博物館『竜と闘う聖ゲオルク」をもう一枚
 ティルマン・リーメンシュナイダー 1490~95年頃

 

▶まず、日経新聞の写真展に関する動画と記事についてです。

 ブログ244で日経新聞の記事で動画も見られることを書いておきました。その後、私自身も時々見て楽しんでいたのですが、一昨日、動画が開けなくなっていることに気が付きました。おや、残念…。でもせっかく短編ではあるけれどリーメンシュナイダーのエキスを紹介してくれている動画をこのまま見られないのは残念と思って、無料会員になってみました。そうしたら動画も記事も最後までバッチリ見られるようになったのです。いろいろなサイトの会員になるとコントロールも大変なので是非にとお薦めすることはできませんが、もし動画を見たいけど有料会員になるのは…とためらいがある方は無料会員でも見られますよとお伝えしておきます。(ただし、無料で見られる記事は一ヶ月に10本までだそうです。)日経新聞さんには、申し訳ない気持ちですが。

 

▶第2回リーメンシュナイダー写真展の予定を少しずつ考えています。

 国分寺のUさんのおかげで本当なら昨年秋にと考えていた第2回リーメンシュナイダー写真展ですが、コロナ禍に押されて延び延びとなっていました。でもご熱心なUさんが国分寺駅そばで会場を予約する場合、日程が最大8日間しか取れないこと、4ヶ月前からでないと予約できないことから、「こちらはどうでしょうか」といくつかの会場を探してくださっています。一つは駅からは歩くけれど私設のギャラリーなので予約が早めにできるというメリットがあります。しかも吉祥寺という集客メリットも大。そして冬なら料金が安くなる! これは大きな魅力です。もう一つは、やはり国分寺から少し歩くけれど公的な場所です。でもなかなか競争率は高いようです。

 来年、2022年にはドイツのシルヴィアとクラウス夫妻が新婚旅行を兼ねて、友人のアンゲリカ・ヴィリー夫妻と一緒に日本に来たいと言っているので、その前後ということになりますが、彼らが来日する夏休みの前に第2回写真展をやっておきたいなと思っています。どちらかというと写真展前の方が心理的にも実務的にも忙しくなりますから彼らを迎える忙しさと重なると大変かなと思うのです。だからといって、春となればやはり競争率も高くなりますので、冬の間にやれればと考えています。つまり、2022年の1~2月頃でしょうか。そうすれば今年の夏頃から準備を始め、かつコロナの様子を見て具体的に動き出せるのではないかと考えています。Uさんにはお世話になりますが、どうぞよろしくお願いいたします。

 


ボーデ博物館『竜と闘う聖ゲオルク」最後の一枚
 ちょっと
しつこすぎたかしら?

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244. 写真展の動画を発掘

2021年01月10日 | 日記

▶写真展から1年1か月が経って…

 


ボーデ博物館『竜と闘う聖ゲオルク」
 
ティルマン・リーメンシュナイダー 1490~95年頃 

 

▶こんな動画が出てきました。

 昨日、三津夫から「こんな動画があるの、知ってた?」とあるサイトのアドレスが送られてきました。それがこちらです。

祈りの彫刻家リーメンシュナイダーに光あれ: 日本経済新聞

1999年、ミュンヘンのバイエルン国立博物館。私は薄暗い小さな部屋で、全身を毛で覆われ、天使に取り囲まれた彫刻「聖マグダレーナ」を見た。天使...

日本経済新聞

 

 

 これですぐ思い出しました。日経新聞の若い記者、岩本文枝さんが写真展開催の前日にギャラリー古藤まで取材に来てくれたのです。その時にとてもお話しが弾んで、彼女が動画を作りたいので写真が欲しいと行って社に戻っていったのでした。夜、急ぎ数枚の画像をお送りしたところ、忙しい中、岩本さんが落ち着いた音楽をバックに入れてこのような動画にまとめてくれたのでした。

 ところが、当時は写真展まっしぐらで、この動画を皆さんにご紹介するのをすっかり忘れていたようです。三津夫が発掘してくれたので、ちょうど良い機会だと思い、皆さまにも見ていただければと思ってここに載せておくことにしました。いつまで見られるのかはわかりませんが、もし見られなくなったときにはお知らせいただければと思います。日経新聞の会員さんは記事も読めるはずです。

 

 ちなみにここで紹介した「竜と闘う聖ゲオルク」は以前「聖ゲオルグ」と表記していたのですが、昨年の写真集4冊目で原稿を見なおした時にゲオルクと書くようになりました。ローテンブルク、ヴュルツブルクなど、最後の音の「 g」 の発音には気を遣います。混同しているところもあるかと思うのですが、わかった範囲でより正しい音に近い表記にしていきたいと考えています。

 


ボーデ博物館の「竜と闘う聖ゲオルク」の後ろ姿も載せておきます。

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243. 六草いちかさんの『いのちの証言』を読んで。

2021年01月04日 | 日記

▶六草いちかさんの『いのちの証言』(晶文社 2017年)を読んで。

 


バイエルン街のユダヤ人に関する戦時中の標識「記念碑」所在地一覧

 

▶まずはご挨拶

 昨年は世界中に新型コロナウィルス感染症が広がり、多くの死者を数えるという大変な年でした。身近な方々の中にこうした死を体験された方々に心よりお悔やみ申しあげます。また、このコロナ禍で仕事や住居を奪われたり、倒産を体験されたり、日常生活が難しくなったりした方々に一日も早く希望を取り戻すことができる年となりますようにと祈ります。
 私も
健康には十分注意しながら、少しずつできることを広げていきたいと思っています。
 今年もどうぞよろしくお願いいたします。

  2021年1月4日

 

▶ベルリンの旅 二つ目の目的地 ー Bayerischer Platz

 ブログ 229. ベルリンの新たな魅力 『鴎外の恋』のご紹介 で書いたように、私たちは次回ベルリンに行くことができるようになったら森鴎外と恋人エリスの生きていた場所を訪ね歩いてみたいと思っています。そこに、もう一つ新しい目的地が加わりました。

 私は昨日、三津夫が既に読んで感動していた『いのちの証言』をようやく手に取り、読み終えることができました。   
 そこにはナチスの迫害を直接身に受けた人たち、あるいはその体験を聞いていた人たちの証言が生々しく記録されていました。また、戦時中に命の抹殺対象となったユダヤ人を見捨てられずに助けたドイツ(アーリア)人や日本人が思っていた以上に多くいたことが報告されていました。
 こ
うした方々のお話をベルリンに住む人の誰もが聞き取ることができるわけではありません。証言者と記録者とを結びつけるチャンスがあり、そのチャンスを掴むことができ、そして記録に書き留めることのできる人でなければこうした証言を後世に残すことは不可能だったでしょう。六草いちかさんには、きっとどこかのどなたかに「こうした人々の証言をしっかり聞き、書き留めなさい」という使命が課されていたに違いないと感じました。『いのちの証言』の「あとがき」には六草さんの思いがこのように書かれています。

 けれどもその作業の中で新たに発見したことがあった。それは、「いのちは続く」ということ。
 生き残った人々が戦後に新しい人生を歩み、子孫を生むことで受け継がれる「命」というものがあるけれど、それとは別に、生き延びた人々が語ることによって伝わる「いのち」というものがある。無念のうちに死んでいった人々のことも、生き残った人が思い出せば、その「いのち」は甦る。それを人に伝えれば、伝承という形でいのちは続いていく。(212頁)

 今回の「命の証言」を聞いて歩くという作業(偉業です)もまた、ひょんなきっかけからスタートしたというのも興味深いことです。
 そのきっかけとなったのは在ドイツ日本国大使館だったそうですが、生き残ったユダヤの方々の証言を直接聞くきっかけとなった区役所は恐らく下の写真のバイエリッシャー・プラッツ駅から300~400mのところにあるのだろうと思われます。この一画に六草さんご一家は以前住んでいたことがあるそうで、80枚あるユダヤ人への差別を忘れないための「記念碑」(トップの写真)を小さなお子さんと見て回ったと書かれていました。
 私は三津夫と2018年にここを訪ねました。でもたくさん歩いた後だったので疲れていたのと、夕方の日差しがまぶしくてなかなかくっきりと写真が撮れなかったのとで、また時間が取れたらもう一度来たいと思ってホテルに戻ったのでした。

 本書には近くの小学校で毎年のように高学年の子どもたちがグループで近くに住んでいたユダヤ人の家族についてどのような暮らしをし、どのような運命を辿ったのかを調べ、家族の名前を刻んだレンガブロックを積み上げているとも書かれています。是非そのブロック壁も見てみたいものです。六草さんにその小学校の名前を教えていただかなくては…。そして区役所に行って記念碑の内容も書かれているという地図を買いたいですね。区役所には平日に行かないと買えないのかもしれないですが、もし駅のカフェで買えるのなら助かります。

 また、柱の上の方に掲げられている標識(看板)はなかなかうまく写せなかったのですが、多少遠くまで写せる望遠レンズを買ったので、できれば町の風景と共に極力写してきたいと思っています。ただ、三津夫にこんなに時間のかかることはつき合いきれないと言われて地図でがまんすることになりそうな気もするのですが。

 


バイエリッシャー・プラッツ駅(地下鉄4番、7番)


杖の絵(上)
絵の説明文章(下)
 「混雑時におけるユダヤ人の公共交通機関の使用は禁止。
  他に立っている人がいないときだけ座席に座る事を許可」(1941年9月18日)


▶心に重く残っていること

 戦後を生きている私たちはナチスの迫害のひどさも知っていますし、それでもユダヤの人々をかくまった人々がいたことも知っています。私自身も日常生活の中でこのような事態が起きても助ける側の人間でありたいと思います。でも戦時となって、国のために戦い、全てのことを我慢することが当然という社会になったときに、それでも人を助けられるのかどうか…。ただでさえ少ない食料を、秘密裏にかくまった人々にも分け、生活を助け、自分たちが殺されるかもしれない状況になっても本当に彼らをかくまい続けられるのかどうか…。回りの状況を考えて忖度するようにならないだろうか。考えると答えが出ないのです。「絶対そうはならない」と断言できない弱さを持っていると感じるからです。だからこそ、戦争状態になってしまったら遅いのだと思っています。何とか戦争のない世界にしていかなくてはと。でも、その方法は簡単には見つかりそうもありません。

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242. ドイツ大使館からのお手紙

2020年12月14日 | 日記

ドイツ大使館から嬉しいお手紙が届きました。


個人情報については青い羽根で加工してあります。



▶『完・祈りの彫刻 リーメンシュナイダーと同時代の作家たち』贈呈に対するお便り

 今回、第四巻を贈呈した宛先は、現ドイツ大使でいらっしゃるイナ・レーペルさんです。
 ホームページでお写真を拝見すると、温かい笑顔の女性です。今まで写真集を4回贈呈してきましたが、第二巻『続・祈りの彫刻 リーメンシュナイダーを歩く』を贈呈したときにはフォルカー・シュタンツェル大使から心のこもったお礼の手紙をいただきました。今回のお手紙を拝見して、やはり本が届き、私の気持ちが届いたことがわかるお便りをいただくと、こんなに嬉しいのだと実感しています。ここにレーペル大使のご了解を得てコピーさせていただきましたが、どうも文字がくっきり出てきません。画像ではもっとクリアに写っているのですが、残念です。

 お手紙の内容は、本書に対するお礼と、ヴュルツブルクで作品をご覧になっていたこともあって、写真を見て心に染みましたと書かれています。「本のタイトルもとても的確ですね。本書の助けによって、日本とドイツにおいて中世のティルマン・リーメンシュナイダーと同時代の作家たちへの関心と尊敬が目覚めますように。」とも書いてくださっています。大変嬉しい内容で心が温まりました。昨年の写真展のときにはなかなかドイツ大使館との連絡がつかず、ようやく職員とお話ができてもチラシさえ受け取っていただけなかったのです。第四巻を贈呈しても本当に受け取ってもらえるのかどうか…と半分あきらめていましたが、このようなお手紙をいただくことができ、レーペル大使には心から感謝しています。

 

▶図書館にも第四巻が入り始めています。

 第四巻の写真集『完・祈りの彫刻 リーメンシュナイダーと同時代の作家たち』が書店に並んだのは11月中旬でしたが、一ヶ月経った12月14日現在の図書館の所蔵状況を「カーリル」で調べてみました。すると、公立図書館には26館、大学図書館には5館いれていただいていることがわかりました。合計31館です。

 ちなみに第三巻までの所蔵図書館数は以下の通りです(2020年12月8日現在)。

 第一巻『祈りの彫刻 リーメンシュナイダーを歩く』(2008年12月刊行)   
     公立図書館 118館、大学図書館 93館 合計  211館
 第二巻『続・祈りの彫刻 リーメンシュナイダーを歩く』(2013年1月刊行)
     公立図書館 101館、大学図書館 84館 合計  185館
 第三巻『新・祈りの彫刻 リーメンシュナイダーと同時代の作家たち』(2018年8月刊行)
     公立図書館   69館、大学図書館 31館 合計  100館
 
 図書館側としても、高価な本をそう簡単には購入できないでしょうから、これほど早く入れていただけているとは思ってもいませんでした。今後、少しずつでも所蔵図書館が増えていくことを願って、今、私にできることをコツコツとやっていきたいと思います。
 
 
初冬の蔦

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241. 郵便が無事に届いているようです。

2020年12月06日 | 日記

▶郵便が届いたという連絡が入り始めました。

 


フランクフルトのルースが送ってくれた今年のアドヴェントクランツの写真

 

▶ここ数日、毎日のようにドイツから数通のメールが届きます。

 それは、11月17日に発送した第四巻『完・祈りの彫刻 リーメンシュナイダーと同時代の作家たち』と、ささやかなプレゼントが届き始めたからなのです。彼らの感想は今のところ大変好評で、特にたくさんの素敵な写真を提供してくださったマティアス・ヴェニガーさん(「刊行に寄せて」を書いてくださったバイエルン国立博物館の博士)がとても喜んでくださったのが嬉しい反応でした。ご自分の写真頁については全く触れられていないので心配しましたが、私の方から「いかがだったでしょうか? 私は素敵にできたと気に入っているのですが、遠慮のないところをお知らせください」と返信したところ、「いや、あなたの写真に目を奪われてそちらに集中してしまいました。私の写真頁も良くできていて嬉しく思っていますよ」とのお返事をいただきました。まぁ、仮に少し気に入らないところがあってもなかなか言いにくいことかとは思いますが、ホッとしました。

 ヴェニガーさんは、なぜか、私の写真の視点が独特でとても素晴らしいと言ってくださいます。一度どのように独特なのかと聞いてみたのですが、「とにかく独特なんですよ」としかお返事くださいませんでした。どう独特なのか、不思議です。

 

 いずれにしても郵便事情が悪いため、例年より早めに荷物を送り出したことと、SAL便がなくて航空便で送ったことが重なり、いつもよりずっと早い到着となったようです。何人かの友人は、「クリスマスツリーの下に置いてあるのよ。クリスマスに皆と一緒に開きます」と書いてくれました。さすがはドイツ、コロナ禍でもちゃんとクリスマスツリーを飾り、アドベントクランツを手作りして静かに毎日を過ごすのですね。2016年の冬、一人、ヴュルツブルクのアパートでアドベントクランツに蝋燭をともした日々を思い出しました。

 


2016年 ヴュルツブルクのアパートで、大家さんが作って届けてくださったアドヴェントクランツに火をともしました。

 

▶夫の図書館速報も度々。

 連れ合いの三津夫は私の新刊本がどの図書館に入っているのか、早速調べ始めて時々報告してくれます。まだそれほど多くはありませんが、東京都の図書館には既に11館ほど入っていると聞いて驚きました。自分でも調べてみようと思ったのですが、なかなかうまくスタートができません。何かが違って限られた地域の図書館を選ぶ画面になってしまいます。三津夫に調べ方を教えてもらったところ、ちょっとしたクリック箇所の違いで目的のページに行けることがわかりました。これで調べて一覧を作ることにします。

 なお、『完・祈りの彫刻 リーメンシュナイダーと同時代の作家たち』を三津夫がアマゾンプレイスの本屋さん、「猫家族」でも取り扱いを始めました。書店よりも安くお手に入りますので、ご希望の方は検索してみてくださいね。高くて買うにはちょっと…と思われる方、是非お近くの図書館に要望を出してみてくださいませ。

※このブログに掲載したすべての写真のコピーをお断りします。© 2015-2020  Midori FUKUDA

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240. 郵便発送終了

2020年11月29日 | 日記

▶年末の大仕事が一つ終わりました。



ある日の木と空


▶ようやく荷物を発送し終えました。

 11月17日、ここ数日間必死で取り組んだ発送作業が終わりました。

 郵便局は、海外発送の小包が一つでもあると集荷に来てくれます。海外の友だちにクリスマスのささやかな贈り物を詰めた箱を送るようになって約20年になりますが、今年ほど早く終えた年はありません。例年11月末に発送できれば良い方でしたし、昨年は写真展が終わってからの発送で、クリスマスを過ぎてからやっと届いたはずです。今年のようにコロナ禍で郵便事情が悪くなった場合は少しでも早く送り出しておいた方がいいと考え、11月始め頃からカレンダーやお菓子などのプレゼントを買ったり、『完・祈りの彫刻 リーメンシュナイダーと同時代の作家たち』をビニール袋に入れたりして準備はしていましたが、壁の塗り替え工事が入っていたので部屋に荷物を広げることができたのは15日でした。そして16日、17日は箱詰め、梱包し、内容物を書き込んだ小型包装物用の書類を書くのがまた大変なのでした。何をいくつ入れたか、その重さは何キログラムか、値段はいくらかも記入するのですから、これが一番の大仕事です。秤で量って、数を確認して、きつくガムテープで梱包しているうちに、腰も指先も痛みが次第に強くなりました。16日の夜には背中もギシギシ痛んで叫びたいほど。湯船に浸かってようやく痛みが和らぎました。

 梱包が済むと、重さに応じた送料をメモして三津夫にバトンタッチ。彼の一番の楽しみはこれからです。私が長い間かかって買い込んであった記念切手を計算して送料分貼り付けるのですが、三津夫はこうして何かをきちんと使い切るというのがとても嬉しいらしいのです。(普段、生協の荷物が届いたり、無農薬野菜が届いたりして冷蔵庫の中が一杯になったときも、それをどう使い切るかを楽しみながら料理をしていきます。)今年は航空便でしか送れないので郵送料が高騰、何十枚もの記念切手が並ぶのですから、まぁ、それは満艦飾と言って良いほどの光景でした。受け取った友人はどんな顔でこの箱を開けるのだろうと思うと、何だか可笑しくなります。

 こうして準備ができた箱を玄関に並べ、まるでお店屋さんのような状態にスタンバイできたのはようやく17日のお昼過ぎでした。午後2時には集荷の方が見えました。きっと内心「嫌になっちゃうなぁ」と思ったでしょうねぇ。この忙しい時期に、一々送料が合っているのかどうか、切手を数えて計算しなければなりませんから。心の中で手を合わせながら見守ります。航空小包だけは現金払いとしました。5000円分の切手を貼るスペースはとてもありませんから。30分ほどはかかったでしょうか、やっと担当の方の引き取りが終わりました。お疲れさまでした!!



ある日の木と空

 

▶来年からは…。

 こうした発送作業は楽しみな面もありますが、21年前に交通事故で打った腰の後遺症がひどく出てくるのです。そろそろ体力の限界かもしれないと思うようになってきました。「来年からは徐々に縮小して小さめなプレゼントにするしかないかなぁ。75歳になったらクリスマスカードを送ることでよしとしようかしら…」などと考えています。でもシルヴィアとトルステンからの小包が初めて届いたときの喜びは今でも覚えているのです。毎年のように家の周りや友だちの家で拾ったクルミや孫たちへのチョコレートを送ってくれたペーターの箱もとても楽しみでした。でも、彼も思いがけず早く天国に行ってしまいました。いただく喜びを思い出すと、たとえ本当にささやかでも、カードだけではない贈り物を続けたいという気持ちがやはりどこかでうごめいてきます。まぁ、来年までゆっくり考えることにしましょう。

 

これは何の木?

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239. いまどきの郵便事情

2020年11月07日 | 日記

▶驚きました。いまどきの郵便事情はコロナ禍で変わったのですね。

 




ウルム大聖堂 聖堂内陣席の彫刻より 
   ミヒェル・エーアハルト 1469~1474

 

▶発送作業がとてもわかりにくくなりました。

  毎年、クリスマス前には私の部屋はカオスとなります。昨年は合計18個のプレゼントを海外に送りました。2kgを超える箱もありましたが、大半は2kg以内の小型包装物でSAL便というリーズナブルな料金で送れるタイプです。今年も同じように考えて準備を進めていましたが、写真の掲載許可をいただいた美術館、博物館にも見本を送るため、もう少し数が増えます。

 先日、ちょうど郵便局に行く用事があったので小型包装物の用紙をもらいました。すると「どちらに送るのですか?」と聞かれるので、主にドイツとアメリカですと答えたところ、「アメリカはなかなか厳しい状況です」と言われました。来年からは手書きのアドレスの小包は送れなくなりますとのこと。

  そこで郵便局のホームページ(以下HP)を開いて見ました。
 どうやら郵便局のHP経由でダウンロードしたフォームにデジタル入力をし、プリントアウトしたものしか送れなくなるらしいのです。さらにSAL便で送るのは大丈夫かどうか尋ねてみると、今はSAL便は送れませんといわれてしまいました。送るなら航空便か船便だと言うのです。私の『完・祈りの彫刻 リーメンシュナイダーと同時代の作家たち』は980g弱(約1kg)です。包装して1kgを超えるか超えないか微妙なところ。HPで料金を調べてみました。

 ★もし包装後で1kgにおさえられれば…

  航空便 1,860円   SAL便 1,080円   船便 770円   [ 国際eパケットライト 1,320円 ]

 ★もし1kgを超えて1.1kgになると…

  航空便 2,085円   SAL便   1,180円   船便 1,080円      [ 国際eパケットライト  1,590円 ]

 ★何度も泊めてもらったり案内してもらった友人には他のプレゼントも入れるのですが、なんとか2kgでおさめるとすると…

  航空便 2,760円  SAL便 2,080円   船便 1,080円  [ 国際eパケットライト  2,400円]

 ★それでもおさまらずに2.5kgになったとすると……

  航空便 5,900円  SAL便 5,000円   船便 2,900円  [ EMS(国際スピード郵便)5,800円]

 

 この料金一覧表には「国際eパケット(国際書留付き航空小形包装物)」「国際eパケットライト」というタイプも載っていて、航空便よりはリーズナブルです。国際郵便マイページサービスから入って入力するタイプですね。きちんと相手に届いたのかどうかを追跡できるようです。今のような閉鎖的な時代には、こちらを使っておいた方が確実に届くのかもしれません。…と思ったのですが、念のためもう一度郵便局に問い合わせてみました。すると、とにかく今は航空便か船便しか送れないということなのです。今年はやむを得ず極力重さが2kgを超えないように努力して送るしかありませんね。年内は手書きの、あるいは個人作成の宛名でも大丈夫という話でした。でもせめて早くSAL便が復活してほしいものです。


 そしてさらに来年4月1日からは海外への郵送料が相当上がるそうですから、そろそろ頭の切り替え時なのでしょう。デジタルデータを郵便局の国際郵便マイページを通して入力し、
その書類を入れるという専用パウチももらっておいて発送作業をしなければならなくなります。やれやれ、来年は今まで以上にややこしい発送作業となりそうです。何歳までこの作業が続けられるのかちょっと心もとなくなってきました。

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238. 『完・祈りの彫刻 リーメンシュナイダーと同時代の作家たち』ができあがりました。

2020年11月01日 | 日記

▶これでリーメンシュナイダー写真集は完結です。

 


『完・祈りの彫刻 リーメンシュナイダーと同時代の作家たち』(丸善プラネット 2020年11月15日発行)

 

▶リーマンショックで始まり、コロナで終わった4冊の写真集

 今まで何回も書いてきたように思いますが、4冊の写真集を目の前に、もう一度だけここに至る思いを書いておきたいと思います。

 

 私が『祈りの彫刻 リーメンシュナイダーを歩く』(丸善プラネット)を自費出版したのは2008年のことでした。この年は秋からリーマンショックが始まり、世界中の景気が悪くなった大変な年でもありました。当時、株を持たない私たちはあまりそのショックを大きく感じないでいましたが、働く人たちや経済にとっては大きな衝撃だったことを思い出します。ようやく2008年12月末に写真集第一巻ができあがりました。
 この『祈りの彫刻 リーメンシュナイダーを歩く』は自分で見ても誤字や脱字が多く、せっかく写真を提供してくれた故ヨハネス・ペッチュからは「この赤い色は一体どうしたんだ。いつ印刷し直させるんだい?」と怒られたことが忘れられません。印刷会社と色合いについてのやりとりができるかどうかも全く知らず、毎回「もっと赤みをとってください」と言い続けたのに…と正直悲しく、残念な思いが残りました。

 

 このままではヨハネスに申し訳ないと、「ヨハネスのためにも、彼の満足のいく写真集をもう一冊出そう」と思い直すようになり、まず彼の赤くなってしまったローテンブルクの聖血の祭壇を彼の望む色合いで焼き直すことを第一に、そしてこのときには撮影が許可されなかったヘルゴット教会のマリア祭壇も、トーマス・ブルク牧師さんがご自分で撮影した写真とクレークリンゲン市の担当者が撮影した写真とで載せることを第二の目的に、そしてその後撮影し続けたリーメンシュナイダー作品を紹介する事を第三の目的として作ったのが『続・祈りの彫刻 リーメンシュナイダーを歩く』でした。
 この2巻目は最終段階で初めて色の調整に印刷会社まで出向き、色の調整も強く働きかけて仕上げていただきました。今まで拝観し、撮影してきたリーメンシュナイダー関係作品の一覧も載せたので、「リーメンシュナイダーの追いかけ人(びと)」としての集大成とも言えます。

 こうしてできあがったばかりの2巻目を持ってヨハネスの家を訪ねたのが2013年の1月です。ヨハネスは、2010年に脳梗塞を患って以来ことばが話せなくなっていました。お連れ合いのフリーデルともコンタクトが取りにくくなって不機嫌なことが多くなっていたのですが、2巻目の彼の写真頁を見せたときには笑顔でOKと示してくれました。ようやくホッとして、「これで私の任務は終了!」と思ったのでした。

 

 ところが、同時代の作家の魅力にはまっていた三津夫から、「中世の作家の作品はリーメンシュナイダーだけじゃないんだよ。あなたはそれを僕と一緒にたくさん見てきたでしょう? 良い写真も撮ってきたでしょう? それをもう一冊写真集にまとめて日本に紹介したいんだよ」と強く薦められ、とうとう3冊目の写真集を出すことになりました。
 そして2018年にできあがったのが『新・祈りの彫刻 リーメンシュナイダーと同時代の作家たち』でした。ここにはリーメンシュナイダーだけでなく、同時代の作家たちの作品を38点載せました。どちらかというとリーメンシュナイダーよりもそちらに力点を置いた写真集となりました。
 さらに、
2019年11月~12月には第一回目の福田 緑写真展「祈りの彫刻 リーメンシュナイダーを歩く」を開催しました。日本自費出版文化賞でグラフィック部門の特別賞を受賞するという幸運が重なって2週間で500人を超える方が足を運んでくださいました。

 

 「もう本当にこれで完結編」と思っていたのに、さらに三津夫に「まだ同時代の作家たちのもっと良い作品写真が一杯ある。それをまとめた本が日本にはまだないからこそ紹介したいんだ」と何度も促され、作品のパワーと三津夫の熱意に根負けして作ることにしたのが『完・祈りの彫刻 リーメンシュナイダーと同時代の作家たち』です。「もう本当にこれで最後だからね」と三津夫にも念を押して、今まで集めた資料から膨大な作品一覧を作りました。コロナ禍のStay Home の中でじっくりと時間をかけ、エネルギーを注いでまとめた一覧です。

 その4冊目の写真集が10月31日、わが家に届きました。
 色合いは、もう少し暗めの教会や博物館の雰囲気を伝えたかったのですが、比較的明るいトーンの、でもきれいな写真集となりました。三津夫と二人でじっくり眺め終えて、ホッと一息ついたところで彼が言うには、「この1枚1枚に思い出があるんだよね。写真だけでは伝わらないなぁ…。ねぇ、解説本を書かない?」。でも、私は書きません。一つ一つの語りたい思い出は、写真展でみなさんに伝えていこうと思っています。

 


2冊目の写真集を届けた日のペーターとイングリッド 
 ヴュルツブルクのペーター宅にて

 

▶クリスマスの贈り物に…。

 ペーターを始め、大変お世話になった方々(ご家族)にはちょうど時期もクリスマスに近いので、クリスマスの贈り物として送り出したいと思っています。ペーターは11月6日に中央墓地に葬られるそうです。それには間に合いませんが、イングリッドか息子さんのペーターにできあがった第4巻を墓前で見せてもらえたらと思っています。

 

 『完・祈りの彫刻 リーメンシュナイダーと同時代の作家たち』(福田 緑著・撮影 丸善プラネット)が書店に出回るのは恐らく今月中旬になると思われます。三津夫のアマゾンプレイスの本屋「猫家族」でも、いずれ取り扱う予定です。でも、なにしろ価格が 6000円+税 と高価ですので、あまり無理をなさらずに、お近くの図書館に購入希望を出していただけると大変嬉しいです。



友人宅の庭で 薔薇


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237. 悲しい知らせが届きました。

2020年10月27日 | 日記

▶今回はペーター・シュミットの思い出の写真集となります。

 


マインフランケン - ヴュルツブルク美術・文化史州立博物館(撮影当時はマインフランケン博物館)にて
 初めて出会った1999年8月11日に「悲しむマリア」像の前で。三津夫撮影
  ※写真の日付は8月10日となっていますが、旅の記録で日時を確かめてあります。

 

▶ペーターの訃報

 2020年10月25日の朝、1通のメールが届きました。ヴュルツブルクに住むペーター・シュミットの息子さん(彼もまたペーターさんです)からで、お父さんのペーターが10月3日に脳内出血でヴュルツブルク大学病院に運ばれ、治療の甲斐なく22日の夜中から23日の朝の間に亡くなったというのです。ショックでした。昨年、足の手術をした病院にお見舞いに行き、「痛みが取れたよ」と満面の笑みを見せたペーターと別れてから1年2か月。コロナでしばらくドイツには行けそうもないとは思っていましたが、ペーターに会えないとわかったときには心にぽっかりと穴があいたような気持ちでした。

 唯一の救いは、恐らく痛みや哀しみに強く煩わされることなく静かに逝けたのではないかと思えることです。私の母も7年前に脳梗塞で入院し、1か月ちょっと意識が戻らないまま静かに病院で過ごし、眠るように逝きました。人によっては最後まで痛みに苦しんで亡くなることもあるそうです。周りで見守る家族は大変辛かったとその方から伺いました。息子のペーターには、今度ヴュルツブルクに行けるようになったらお墓参りをさせてくださいねとお悔やみの返事を書きました。4巻目の写真集ができあがったら、今まで写してきたシュミット家の写真をもう一度まとめて、マンションに一人残されたイングリッドにお礼と共に送るつもりです。

 




2014
年9月17日のペーターとイングリッド
 上はペーター宅にて 下はお寿司屋さんにて

 

▶ペーターとの出会い

 ペーターとの出会いは、1999年にミュンヘンでリーメンシュナイダーの作品と初めて出あって「リーメンシュナイダーの追いかけ人(びと)」になると決意した日から6日後の8月11日のことでした。ミュンヘンからヴュルツブルクに回り、世界で一番たくさんリーメンシュナイダーの作品を展示しているマインフランケン博物館を訪ねたときのことです。初めて入ったリーメンシュナイダーの部屋には他に参観者もなく、私たち二人だけの貸し切り状態でした。どの作品もじっくり見ていたのですが、私は木に縛り付けられ、矢で打たれているにもかかわらず遠い目をしている聖セバスチアンの像の前で佇んでしまいました。以前にも書きましたが、縄で縛られたセバスチアンの手の血管が浮き上がり、まるで生きているかのように見えたからでした。すると背の高い監視員のおじさまがドイツ語で私に話しかけてきて、何やら「矢で撃たれた跡がここにもここにもあるんですよ」と説明してくれているようです。当時私はNOVAのドイツ語コースでドイツ語会話を学び始めて4ヶ月しか経っていなかったので、簡単なドイツ語しかわかりませんでしたが、私たちの熱心に鑑賞している様子が彼を動かして話しかけてくれたのではないかと感じました。まだドイツ人に私から話しかける勇気はなかった頃のことです。それでもリーメンシュナイダーの作品を大切に思う気持ちが通じ合って、親しみを覚えました。そのとき、三津夫が写してくれた写真がトップの写真です。「悲しむマリア」の前でにこやかなペーターと私…。21年前の写真ですから若かったなぁとしみじみ思います。この日は名前を伺う勇気もないまま失礼したのでした。

 翌年、今度は娘の奈々子も一緒にドイツを回り、そのおりにもう一度マインフランケン博物館を訪ねたときに、また前の年に写真を一緒に撮ったおじさまが歩いているのを見かけました。ほんの少しドイツ語も上達していたのか、度胸がついたのか、私は思わず彼に話しかけ、この前写した写真があるのでお送りしたいからお名前とご住所を教えていただけないかと言ったのです。それからしばらくの間は博物館の住所でペーターに手紙を送りました。その次に行ったときに確かご自宅の住所も書いてくれるようになって、友人としてのやりとりや、お宅に伺ってのおしゃべりを交わすようになったのです。お連れ合いのイングリッドとも会って話をするようになりました。その後はドイツに行けばほぼヴュルツブルクを訪ねてはペーターとも会ってあちこち車で連れて行ってくださるようになりました。バスや電車を乗り継いでの教会巡りは結構大変なので、とても助かりましたし、本を作るとマインフランケン博物館に来る日本人に彼の方から私の写真集を見せて話しかけたりするようになったのです。ペーターから紹介されたと、見知らぬ方からお手紙も来るようになりました。でも私のことを「大学で教えているんだよ」と勘違いして宣伝してくれたりしたのにはちょっと困りましたが。多分数え切れないぐらい一緒に会ったり、あちらこちらを案内していただいたり、食事に行ったりしています。私のドイツの友だちの中では3番目に長い付き合いでした。大切な友人、ペーター・シュミットに心からの感謝を送ります。今まで本当にありがとうございました。

 これからは軽くなった足で、またどこかリーメンシュナイダーと出会える場所に案内してくださいね。


2019年7月17日のペーターとイングリッド  
 一緒に旅した京子さんが写してくれたこの写真が最後となりました。

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236. 中川岳さんのご紹介

2020年10月20日 | 日記

▶第四巻『完・祈りの彫刻 リーメンシュナイダーと同時代の作家たち』に載せなかった画像から。

 


ウルム大聖堂 聖堂内陣席の彫刻より 
   ミヒェル・エーアハルト 1469~1474

 

▶中川岳さんのご紹介

 中川岳さんは、私の第一回福田緑写真展「祈りの彫刻 リーメンシュナイダーを歩く」の動画に音楽を提供してくださった若いチェンバロ奏者です。昨年写真展に来てくださった国分寺のUさんから中川さんのコンサートに誘われて、心洗われる演奏を聴いてからファンになりました。チェンバロの音色は私の憂鬱な思いや雑念にとらわれる心を洗い流してくれるような響きを持っています。この音色に出会わせてくれたUさんには心から感謝しています。そのUさんから今朝届いた嬉しいニュースです。10月18日に開かれたコンサートの音楽と中川さんのインタビューが10月26日まで期間限定で聴けるそうですので、ここで急ぎご紹介しておきます

https://www.nhk.or.jp/radio/player/ondemand.html?p=5674_01_41892


 また、今後の演奏については以下のサイトで見られるそうです。

https://gakurecital.wixsite.com/home

 Uさんからは画像付きで送られてきますが、私にはその技がまだ使えません。どうしたら画像付きの紹介ができるのか、今度Uさんに教えてもらうつもりです。

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