2016年・ドイツ14回目の旅 No.11
モースブルク 聖カストゥールス教会
▼ミュンヘン 10月19日~21日(2泊)
◆10月19日(水) 壊れたトランク 20337歩
駆け足のニュルンベルクでしたが、今日はミュンヘンへ向かいます。朝7時に起きて、駅の地下へ。早朝にもかかわらずサブウェイが開店していたので、野菜たっぷりのサンドイッチを2種頼み、ホテルの部屋で珈琲とともに朝食。二人分で7ユーロ弱でもお腹いっぱいになりました。列車は9時2分発。まだ空いていてゆっくり座れたのがラッキーでした。啓子さんの話では昨日の町歩きで麦の守護聖人の教会があったとのこと。麦のリースが面白かったというので、次回チャンスがあれば見てみようと思いました。
ミュンヘン中央駅について重たいトランクを列車から下ろし、歩き出したとたんにトランクがバタンと倒れてしまいました。起こして歩こうとしてもまったくタイヤが転がらないのです。よく見ると一つのタイヤがグラグラしていて壊れてしまっているのでした。このトランクは私には大きくて扱いにくいものでしたが、2006年に留学したときに、半年分のあれこれを詰めるのに必要で買ったものでした。その後、普段の旅では三津夫がこれを使い、長めの旅、冬の旅など荷物の多いときには私はこのトランクを使っていたのですが、どうしても背丈が不足していて階段を下ろすときに角の足が階段にぶつかるのです。もう最近はそれでも動いてくれることを良いことにがつんがつんぶつけながら下ろしていました。さすがのトランクもその衝撃に耐えきれず、寿命が尽きてしまったということのようです。三津夫には「だから乱暴すぎると言ったのに」と睨まれましたが、ごめんなさいするしかありません。この街で新しいトランクを買うというミッションが付け加わってしまいました。
とりあえず、ホテルまでは三津夫がなんとか運んでくれて、私が三津夫のトランクを運んだのですが、私のものより軽いし、車がよく動くので、トランクを運ぶってこんなに楽なものだったのだと改めて思いました。
ホテルクリスタルは今回の旅で一番高級な部類のホテル。チェックイン時にトランクルームに荷物を預けて、「このトランクは壊れてしまったのですが、引き取ってもらえますか?」と聞き、大丈夫と言われてホッとしました。今日は三津夫が楽しみにしていたモースブルクまで電車で出かけます。
ミュンヘン中央駅まで戻り、25番線を探しますが見当たらず、赤い帽子の職員に聞いたらずっと向こうだと教えてくれました。本当に端っこまで行くと既に準急列車が停車していたので乗り込み、テーブル席を確保。11時24分の出発時にはほぼ満席になりました。2つ目のモースブルクまで33分で着き、下車してすぐに若いお兄さんが近寄ってきました。三津夫が手に持っていたカストゥールス教会の写真を見て、「ここに行くならあちらの道ですよ」と教えに来てくれたのです。皆で「親切なお兄さん!」と感激しました。途中の曲がり角で迷うところがあり、ちょうど歩いてきた若い女性に声をかけると、こちらですよと先に立って歩き出します。角まで来て「ほら、あそこです」と指さした方向に教会の尖塔が見えました。みんな本当に親切です。中に入るとハンス・ラインベルガー祭壇が堂々とそびえていました。堂内には珍しい黒いマリア像もありました。
ミュンヘンに戻り、三津夫の先導でアルテ・ピナコテークまで歩き始めましたがどこかで方向を間違えたようでなかなか着かず、2回道を尋ねてようやく到着しました。私は足が疲れてしまってカフェで休憩。啓子さんは初めてなのでエネルギッシュに回り、三津夫は全体をサッと見に行き、ポイントを押さえて回っていました。2年前に発見したミヒャエル・パッハーの祭壇画を含め、工事中で見られない部屋が多かったそうです。カフェのテーブルには3人のうちの誰かがかわりばんこに休んでキープ、私も著名な作品だけもう一度拝みに行きました。ここのミュージアムショップで三津夫はさんざん悩んだ末に、とても分厚い『Michael Pacher』(Lukas Madorsbacher著 DKV出版)という本を買いました。重いから持って歩くのは嫌だけど、ここで買わなければ日本では手に入らない貴重な資料です。この後、三津夫は宿で時間があると、この本を眺めていました。
夕食前、もう一度町に出てトランク探しをしました。近くの店で見て、一番品物の多いところはどこなのか聞いて回り、カールス門近くのトランク専門店に入りました。大きさと赤い色合いから選んだトランクはサムソナイトで2万円強。高い買い物でした。でも品物がちゃんと入るかどうか不安で夜、荷物の引っ越し。思っていたより可塑性があってまだ少し余裕があるぐらいでホッとしました。古いトランクは捨ててくださいとメモを付けておきました。
この写真は、道に並べてあった木の実の顔。疲れた足がほんのちょっと楽になりました。
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