リーメンシュナイダーを歩く 

ドイツ後期ゴシックの彫刻家リーメンシュナイダーたちの作品を訪ねて歩いた記録をドイツの友人との交流を交えて書いていく。

59. 2人旅の始まり

2017年04月23日 | 旅行

2016年・ドイツ14回目の旅  No.15

  [パート2] 三津夫との2人旅
    ・ドイツの友人を再訪する
  ・三津夫の見たい祭壇を訪ねる
  ・主にリーメンシュナイダーの弟子、周辺作家の作品を訪ねる


                              

                    シュヴェービッシュ・ハル 聖ミヒャエル教会の聖ミヒャエル


▼シュヴェービッシュ・ハル 10月23日~25日(2泊)
  ◆10月23日(日) 元気そうでも心配な二人空港から 

   昨夜電話を入れておいたマリアンヌ。元気そうな声で安心しましたが、ホルストが昨年脳梗塞で倒れ、彼女は病院通いで大変だったのです。万が一ホルストの具合がまだ万全ではなかったら病院までお見舞に行かなければならないと思い、ルートとしては逆戻りになるけれども、けい子さんを送り出してからシュヴェービッシュ・ハルを訪ねることにしていたのでした。それでもホルストはもう家で過ごしているというのでホッとしました。
  シュトゥットガルト中央駅に10時20分頃に到着。シルヴィア、クラウス、アンゲリカ、ヴィリーが揃って見送ってくれました。この駅は数年前から大工事が行われていてあちこち不便で落ち着かない状態です。ヴィリーは「日本の京都駅は2年で作っちゃったんだからここの工事をする人間は日本に研修に行かないとダメだ。15年もかかるっていうんだから」と怒っていました。帰国して調べると京都駅ビルは3年7か月で竣工していましたが、確かにドイツの工事の進み具合は2年前とあまり変化が見られないような気がします。4人の笑顔の見送りを受け、準急列車でシュヴェービッシュ・ハルに向かいました。


              


  シュヴェービッシュ・ハル・ヘッセンタール駅では手動式ドアが開かず、あせりました。隣にいた若い男性が頑張って開けてくれたので助かりましたが、未だ古い車両はこんな事が起きるので恐怖です。
  ホームに下りるとホルストの白髪頭が見えました。少しほっそりしたかなと思いましたが「いやいや、体重は増えているよ」とのこと。マリアンヌも何となく足取りが不安定な気がして胸が痛みました。それでもお二人が元気で今まで通り家に居て漫才のような掛け合いを見せてくれることに安堵しました。シュヴェービッシュ・ハルでの目的はこれで充分だったのですが、マリアンヌはなんと私たちが滞在する間の食事を全部用意してくれていたのでした。この日の昼食は南瓜スープにマウルタッシェンという水餃子のようなお料理、ポテトサラダ。夕食は写真の通りの美しいサラダ。デザートは手作りケーキと盛りだくさん。三津夫は普段以上に頑張って食ベてはおかわりしたので、マリアンヌもご機嫌でした。食事の時間になると足取りもシャキッとして以前のマリアンヌに戻った気がして嬉しくなりました。
  一方、ホルストは一時マリアンヌの名前も覚えていない状態になって毎日彼女に名前を何度も聞き直し、少しずつ記憶を取り戻したと話してくれました。途中で歩き出そうとすると足下がまだふらつきます。座って話している限りは声も大きく、笑い声も相変わらずですが、目が離せない状態であることが伝わってきました。このような状況下で、忙しくてとても疲れているような様子のマリアンヌ。彼女がどんなに愛情をこめて、時間をかけてお料理してくれたのかと思うと心の中で手をあわせながらいただきました。下の写真は食べるのが専門のホルストのコレクションから。

 

                


  昼食後、マリアンヌが話があるというのです。何の話かと緊張したのですが、"Haller Tagblatt"という地方紙に私を紹介し、インタビューの段取りを付けてくれていたのです。記事として大きく載るかどうかはわかりませんでしたが、とりあえず写真は今日でないと写せず、ヨハニターハレ(美術館)にカメラマンが来てくれるというのです。その取材を受ける気はあるかというので、もちろんお願いしました。
 夕方3人でヨハニターハレに行きました。普段は堂内での撮影は禁止なのですが、この日は若い男性カメラマンに私の好きな彫刻の前で写していただくことができました。インタビューは明日です。
 夕食にはまたマリアンヌの家でご馳走になった上に明日の朝の分までパンやらおかず、ケーキをいただいてしまいました。下の写真は彼女の手料理です。まさにレストラン・マリアンヌ!

      

※ このブログに掲載したすべての写真のコピーをお断りします。© 2015 Midori FUKUDA

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