リーメンシュナイダーを歩く 

ドイツ後期ゴシックの彫刻家リーメンシュナイダーたちの作品を訪ねて歩いた記録をドイツの友人との交流を交えて書いていく。

63. ザルツブルクまで来ました

2017年04月27日 | 旅行

2016年・ドイツ14回目の旅  No.19

   

                    

                     ザルツブルク ドーム前            


▼ザルツブルク 10月27日~29日(2泊)
  ◆10月27日(木) 遅れてラッキー!  14951歩

  5時45分に目覚めて起床。昨夜の酔いは残っていなかったのでホッとしました。フライブルク7時55分発の列車に乗るため早め早めの支度をして駅へ。
  ホームがとても混んでいたのでどうしたのかと思ったら前の列車が遅れて乗客が溜まっていたのです。それが私たちも乗り換えるカールスルーエまで行くことがわかったので、私たちもその列車に乗りました。混んでいたので入り口近くにトランクを置き、その上に座ってほぼ予定した時間にカールスルーエに到着。ここからシュトゥットガルトまで行くのに予定していた9時10分発の超特急(ICE:イーツェーエー)が見当たらないのです。あちらこちらで列車の遅れが発生している模様。隣に来た特急(IC:イーツェー)が発車しそうだったので咄嗟の判断で乗ってしまいました。特急は超特急より20分近く時間がかかるのですが、この混乱の中で次の超特級がすぐに来るとは思えなかったからです。私たちがシュトゥットガルトから坐席の予約をしてある列車は9時58分ですが、既に10時3分。「どうかそっちの列車も遅れて着いて!」と祈りながら必死に16番線まで走りました。ホームに着くと、本当にこの列車も遅れていてラッキー!  思わず三津夫と顔を合わせて笑ってしまいました。綱渡りのような朝でした。
  シュトゥットガルトからザルツブルクまで4時間ほどかかるため、座席予約をしておいたのです。10分遅れで着いた列車はオーストリア鉄道で一昔前の列車でした。レトロだけどひどく汚れているわけではなかったのでホッとして座席に落ちつき、昼食は宿で作ってきたサンドイッチに買ってきたコーヒーで済ませました。予定より30分遅れで午後2時20分にザルツブルク駅に到着。この駅はオーストリアなのですがドイツとの境なのでジャーマンレイルパスが使えるのです。


 列車の窓からかすかに見えた虹、わかりますか? 


 地図を見ながらペンション・ヤーンに向かいます。駅前の通りには信号がなく横断歩道だけ。人が通るときには車がちゃんと停まってくれるので機能しているのですね。日本だったらなかなか渡れず困っていたでしょう。
 ペンションはちょっと古めの小さな建物でしたが、中はこぎれいにしてありました。経営者夫妻はアジア人。どちらの国の方かと思ったら受付の女性は中国から、お連れ合いは台湾の方だそうです。二人とも大変親切でした。ただ、昨日までのアパートが広々していたのでこの部屋が余計小さく思えました。椅子や机をなんとか移動して大きなトランク二つを広げるスペースを創りました。駅前ホテルはどこもとても高かったので、朝食付きで一人一泊4千円は破格の値段です。がまん、がまん。

 夕方まではまだ時間があるので市内観光です。以前家族で来たときに主立った歓光スポットは見ているので今回は祭壇中心。まずは川向こうの旧市街にあるフランツィスカーナ教会に行きました。中に入ると中央に大きな祭壇があり、金色に輝いていました。これがミヒャエル・パッハーの祭壇だと思ったのですが、三津夫は違うと言います。私は入り口で見付けた小さな栞を持って来ていたので三津夫に見せると、ようやく納得したようでした。比較的近くまで行けたので、一眼レフで撮影できたのがこの写真です。なかなか美しい聖母子像です。三津夫は家で本を見たときに回りの光(光背?)がなかったのでこれは違うと思ったのだそうです。確かに本に出ている写真と現場での作品は大分違うということは時々あります。ですから手元に写真をしっかり持っていないと見ているのに気が付かないということを私も体験しましたので、今はこれを見るのだという資料は持って歩くようにしています。それが結構重たい荷物になるのですけれども。


                     

                   フランツィスカーナ教会の祭壇


 三津夫が見たかったあと二つの作品は教会のすぐ隣に見えるドームにあるはずの聖母子像と祭壇。でもドーム内には見当たらず、隣接のドーム美術館にあるのではないかと入館しました。入り口で何も言われずに階段を上がると、チケット切りの男性がリュックは前に抱えるか元に戻ってロッカーにしまってくださいというのです。疲れているのにまた下りるのは嫌だと思って前に抱えたのですが、ここは撮影禁止だったため、リュックには一眼レフも入っているのでとても重たいのです。これはこれで疲れました。館内をぐるっと回って出口へでてしまいました。「あれ? 聖母子像はなかったよね」と三津夫と顔を見合わせ、館員に聞いたら、テラスを通り抜けて向こう側にあるはずだと言われました。そういえば日本では必ずあるはずの館内の案内図ももらえていなかったのです。テラスを通り抜けるとドームにある祭壇の後ろ側を通る不思議な構造。反対側の建物に入ったらようやく彫刻が出てきて、その中にガラスケースに入った小さな聖母子像が見つかりました。でもずっと先を歩いていた三津夫は見逃したようでした。フランツィスカーナ教会のつややかなマリア像に較べると「同じ人の手になるものかしら」と思うような目立たない優しげな聖母子像でしたので、三津夫も気が付かずに通り過ぎてしまったのでしょう。もう一つの祭壇には私も気が付きませんでしたが、宿に戻って三津夫の資料を見てみたら、やはり見た記憶がありました。三津夫にとって、今日の目標は3分の1の達成率でした。 
  ホテルに戻るまでの途中に中華レストランがあったような気がしたので探しながら歩きましたが見つかりません。迷い込んだ道で、中国人らしいツアーの一団が免税店に入っていくのを見ました。すごい勢いです。きっとたくさんお土産を買うのでしょう。結局レストランは見つからず、サンドイッチと果物を買って部屋に戻りました。夕食後、インターネットの繋がりが悪い中、なんとか明後日会う予定のエルケさんにメールを送り、疲れて9時半頃ベッドに入りました。三津夫はテレビのない部屋は初めてだなぁと言いながらもミュンヘンで買ってきた本をゆっくり眺めていたようです。

※ このブログに掲載したすべての写真のコピーをお断りします。© 2015 Midori FUKUDA

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする