リーメンシュナイダーを歩く 

ドイツ後期ゴシックの彫刻家リーメンシュナイダーたちの作品を訪ねて歩いた記録をドイツの友人との交流を交えて書いていく。

180. 15回目のドイツ旅行(28)ヴァルトブルク城の天辺(てっぺん)

2019年04月01日 | 旅行

▶︎15回目のドイツ旅行(28)ヴァルトブルク城の天辺(てっぺん)


ここはヴァルトブルク城の天辺です!


10月1日(月)目が開かない…

 日記より「6:30頃嫌な夢を見ていて目が覚めた。まぶたがくっついてしまって、開けようとしてもびくともしないのだ。女の人の声がして『一度ギュッと目をつぶってから開けてご覧なさい』と言われ、そうしたら右目の端っこから少しずつ開いた。」こんな一日の始まりだったにも拘わらずこの日は思いがけないサプライズがあったのです。

 宿のエレベーターは無事に動き、ヴュルツブルク中央駅までペーターに送ってもらって「また来年(2019年)!」とお別れしました。フルダで乗り換え、アイゼナハにもほぼ時間通りに着きました。列車は混んでいて三津夫はずっと立ちっぱなしで申し訳なかったのですが。

 アイゼナハ駅まで休暇用アパートの大家さんが迎えに来てくれました。颯爽と現れたのは長身の若々しいシルバーグレーの男性でした。いつも駅から西側の旧市街方面にしか行ったことがなかったのですが、このアパートは駅の裏、東側にあります。建物の2階に案内され、中に入ってみると広々として清潔で素敵なアパートでした。大きなキッチン、ダイニングテーブル、広いお風呂場、リビングルーム、ツインのベッドルームです。

 荷物をほどき、早速エルケに電話をしたところ、車で迎えに来てくれました。今まで見慣れていた深緑色の車ではなく黒い大きな車で来たのでびっくりしたのですが、ウヴェの体調が悪く、エルケ1人で2台の車は維持が大変だからと彼の車だけにしたのだそうです。彼女の表情には常に陰りがあり、ウヴェのことがずっと心を占めているのだと感じました。この日は午後の数時間だけウヴェを家に1人でおいて来てくれたのでした。その後、クロアチアレストランへ。静かで落ち着いた感じのレストランでした。エルケ自身は食欲もあまりないのに無理して私たちをレストランに連れて行ってくれて…。私も少なめのメニューを頼んだつもりでしたがやはり多く、残りは持ち帰らせてもらいました。


お城の屋上まで上ってみる?

 そんなエルケも、ヴァルトブルク城で旧知の職員に会う度にどんどん笑顔になっていきました。ミヒャエルがエルケに城内を自由に行き来できる鍵を持って来てくれたのですが、私たちに「お城の屋上まで上ってみますか?」と言うのでびっくり。「え~、そんなことできるの?」と聞き返すとニコニコしながら「Ja!」と言うのです。三津夫と2人、荷物をエルケに預け、カメラだけ持って上ってみました。狭いらせん階段が続き、息が切れる頃ようやく天辺に着くと、ミヒャエルがぐるぐると曇りガラスの天井を回して(下の写真)開けました! すごい風です。遠くまで見えます。ヴァルトブルク城の天辺には十字架が立ち、ドイツ国旗がはためいていました(トップの写真)。



 


 こんな体験ができるのは一生に一度だけでしょう。何とも爽快な体験をさせてもらいました。ミヒャエル、エルケ、ありがとう! 嬉しそうに降りてきた私たちを見てエルケもさらに笑顔になりました。しばし城内をゆっくり回ってからコーヒーを飲み、アパートまで送ってきてくれました。ウヴェのお見舞は無理と聞いて「お大事にね」とハグしてお別れ。嬉しさと悲しさの入り交じったエルケとの再会でした。


アパート、とても気に入りました。

 カメラなどを部屋に置いてから、歩いて数分のスーパーで買いものをしてきました。大きなキッチン付きのこのアパートではお料理ができます。お鍋も大きさはよりどりみどり揃っています。買ってきたお米でご飯を炊き、昼間食べきれなかったお料理の残りでスープを作りました。サラダもできました。部屋には赤と黒を主体とした芸術的な飾り付けが施され、とても雰囲気がいいのです。三津夫はこのアパートが大変気に入って、私も今度アイゼナハに来るときにはまたここに泊まろうと思っています。そしてエルケに自由な時間が戻ってきていたら一緒に買いものをして、お寿司を作って食べてもらいたいものだと夢を思い描いています。このアパートの名前はFerienwohnung Romantic、宿泊料金は2018年には1泊63ユーロでした。アイゼナハ駅から徒歩6~7分です。お薦めです。

❤最後にご報告しておきます。ウヴェはここ数年癌に苦しんでいたのですが、2018年12月8日に亡くなりました。合掌。

 彼の死に打ちのめされていたエルケも新しく小さな住まいを探し、ようやく今月末(2019年4月)には引っ越しができる予定です。

※このブログに掲載したすべての写真のコピーをお断りします。© 2015 Midori FUKUDA

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