▶まずはご挨拶から。
フランクフルトにあるお店のワゴン
◇ご無沙汰していました。
7月13日の記事をアップした後、長いご無沙汰をしてしまいました。7月16日からドイツへ16回目の旅をしてきて、8月14日に帰国しました。その間の様々なできごとや思い出は次号から徐々にアップしていきたいと思います。この間の写真は旅の写真を入れていきますので、よろしくお願いいたします。今日は嬉しいニュースを書いておきます。
◆2019年9月5日のことでした。
9月5日の朝、メールを開くと丸善プラネットの白石好男さんから「自費出版文化賞 特別賞」 受賞のお祝い というメールが届いていました。慌てて夫の元に駆けつけ、彼の見ている朝日新聞朝刊をのぞき込むと、確かに特別賞の最後に、
▽「祈りの彫刻リーメンシュナイダー3部作」福田 緑
と書かれていました。夫が悔しがることといったら。彼はいつも朝ゆっくりと新聞を読みます。1面から順番に見ていってあと少しでこの記事が載っていた29面にたどりつくところだったのです。自分が第一発見者になることが大好きな彼は、「先を越された」と大変残念がっていましたが、それと同時に大変驚き、二人して喜び合いました。というのも、『祈りの彫刻 リーメンシュナイダーを歩く』は入選、『続・祈りの彫刻 リーメンシュナイダーを歩く』も再度トライしましたがやはり入選、「それなら3部作で今年は出してしまおう。これでもダメならあきらめよう」と、3冊揃えて3度目のトライをしたのですが、夫はまず入選止まりだろうと言っていたのでした。3冊そろったことで、やっと何とか20年かけてリーメンシュナイダーを追いかけてきた私の仕事が認めていただけたということなのでしょう。
そもそも、自費出版にせざるを得なかったのは、2008年に『祈りの彫刻 リーメンシュナイダーを歩く』を出版しようと、あちらこちらの出版社に掛け合ったときに、ある方から言われた「リーメンシュナイダーなんていうマイナーな作家の本を誰が買うと思いますか?」という言葉がきっかけでした。「そう言われてしまうのなら、少しでもリーメンシュナイダーの名前を世間に知らせるしかない」と自費出版を決意し、写真集でも大丈夫と誠実な価格で応じてくれたのが丸善プラネット株式会社だったというわけです。この本は「とても自費出版とは思えない」と言われながらも内容的には反省の多い本でした。その後、自分で撮りためた写真を中心に掲載した同じ体裁の続編、続々編とリーメンシュナイダー・シリーズの出版を丸善プラネットにお世話になる中でチームとしてのまとまりができてきて、昨年は出版を記念する会まで設けてくださったのでした。
そのチームリーダーの白石さんが、こうしていち早くメールを書いてくださったことにも深く感謝しています。その後、続々とお世話になった方々からメールが届き、大変幸せな一日でした。もっとも、特別賞と言っても賞金はなく、賞状と記念品をいただけるだけですが、チラリとでも朝日新聞のこの小さな記事を目にした方々に、「リーメンシュナイダーって誰だろう?」と思っていただければこんなに嬉しいことはありません。このブログに書こうと思いながら既に3日たってしまいましたが、ここでご報告しておきます。
このお店の長い歴史に驚きました。