リーメンシュナイダーを歩く 

ドイツ後期ゴシックの彫刻家リーメンシュナイダーたちの作品を訪ねて歩いた記録をドイツの友人との交流を交えて書いていく。

297. 17回目のドイツ旅行(25) シュヴェービッシュ・ハル

2023年02月08日 | 旅行

▶シュヴェービッシュ・ハルは私の第二のふるさと



シュヴェービッシュ・ハルの聖ミヒャエル教会(教会・修道院㉗ 翌日尋ねました)大天使ミカエル

 
▶今日は懐かしい留学先のシュヴェービッシュ・ハルまで行きます。

 2006年の5月から10月までの半年間、このシュヴェービッシュ・ハルでゲーテ・インスティテュートに通ったことは何回か書きましたが、今でも私にとってはこの小さな中世の面影を残す町は第二のふるさとと言える存在です。でもお世話になったヤンコー先生とは連絡が取れなくなり、2階に住んで仲良くさせていただいた老婦人トーマスさんは老人施設に入って連絡が絶えてしまいました。残っているお友だちは、今日宿を提供してくれるマリアンヌとホールスト・シュピーゲル夫妻だけになり、寂しくなっています。


◆2022年9月26日(月曜日)4252歩

 朝食後、ローテンブルク駅まではラインハルト夫妻が車で送ってくれました。途中、まだ通ったことのない道を走ってくれたので、この地域ののどかな景色を堪能することができました。森あり川あり、なだらかな丘もあり、昔は狩猟をしていたという狩りの監視小屋も道ばたにまだ残っていました。
 お二人にはたくさん助けていただき、心のこもったご馳走をいただき、いくら感謝してもしきれません。私たちよりお若いご夫妻、是非時間を作って日本に遊びに来ていただきたいものです。

 今回はローテンブルク駅からシュヴェービッシュ・ハル・ヘッセンタール駅までバスで行くことにしました。その方が繋ぎが良かったからです。これなら乗り換えも一度で済みますが列車で行くと2回乗り換えなければなりませんから。この順番で訪ねて回るのが初めてだったこともあって、この区間をバスで行くのも初めてでした。

 ドンビュール行きのバスはローテンブルク駅を10時29分に出発しました。結構乗客も多く、便利に使われている路線のようです。運転手の隣に座った男性の話し声が大きく響いてうるさかったのですが、時間通りにドンビュール駅に到着しました。ここまでが37分。ドンビュールは写真家のヨハネスの家に行くときに初めて下りた駅でした。ここからシュヴェービッシュ・ハル・ヘッセンタール駅までも列車でちょうど37分です。
 昨夜、なかなか列車の登録ができないままだったオンラインのユーレイルパス。バスは現金で乗車するので良かったのですが、列車では車掌が検札に来るまでに本来なら何時何分発のどこ行きの列車に乗るのかというデータをユーレイルパスに登録しなければなりません。前回の旅行までは乗車する度に紙に書き込んでいたのも面倒でしたが、アプリで登録するのはもっと大変でした。しかも三津夫はスマホを持っていないので私のスマホに2人分のパスを登録してあります。その都度データを入れる作業にまだ慣れず、うまくいかないときもあって大変なストレスになっていました。昨夜もこの登録がなかなかできず、ラインハルト夫妻にも心配をかけてしまったのでした。でも当日になったら普通に登録できたので肩透かしを喰ったような気分。あまり心配しなくても良いのかと思えるようになりました。

 ヘッセンタール駅に着いてみると到着ホームにはマリアンヌが1人で立っていて、ホールストは駅舎の前で待っていました。彼は以前から足が不自由でしたが何とか到着ホームまで歩いてこられたホールストが、今日は両腕に松葉杖をついて寂しそうに佇む姿に胸が痛みました。この乗換駅には階段しかないのでいつもトランクの移動が大変なのですが、以前はホールストが軽々持って行ってくれたんだなあと思い出しました。留学していた2006年からもう16年経っているので時の自然な成り行きなのかもしれませんが、マリアンヌも以前より足取りが重く、会う度に元気が無くなっているので心配です。この2人は、シュヴェービッシュ・ハルが私の第二のふるさとであり続けるキーパーソンなのですから、是非健康で、そして以前のように元気でいてほしいものですが。


▶ノイ・ヴァインとシュピーゲル劇場

 ヘッセンタール駅からの帰り道にレストランに入って昼食をいただき、丘の上のお宅へ。建物の中に入ると1階は貸家になっていて他の家族が住んでいました(以前は空き部屋で「緑、ここに住まない?」と冗談を言われたものです)。2階から3階と地下室がマリアンヌとホールストの住まいとなっています。私たちには3階の部屋を貸していただけることになりました。今までいつも近くのホテルを取っていたので、3階の部屋の中は今回初めて入りました。お孫さんが来たときに使っているようで若者の雰囲気が漂う内装でした。隣の大きなバスルームは既にハイツングが付いていて暖かく、これなら溜まっている洗濯物もしっかり乾きそうです。ベッドの横には食べ物や飲み物、お土産まで用意されていました。ありがとう、マリアンヌ。

 2階に下りて私たちからのお土産を渡します。写真集に興味を示すのはいつもマリアンヌの方で、ホールストは見守るだけですが、甘いお菓子はホールストの大好物。笑顔が浮かびます。
 「まだ夕食までは時間があるので散歩をしてきたら」とマリアンヌに促されて2人で出かけました。お天気も良く、高台から町を見下ろしたかったのですが、木々に遮られてあまり見えませんでした。もっと遠くまで歩かないと無理だったようで、途中で回り込んで帰ってきました。でも振り返ってみると、今まではこの近辺を散歩するゆとりもなかったんだなあと気が付きました。いつもあちらこちらに出かけてばかりいましたから。

 夕食はワインを中心に飲んで、食べて、お喋りして過ごしました。この時期は、できたてのノイ・ヴァインという葡萄ジュースのような若いワインが出回ります。私はそのジュースのようなワインが大好きなのでマリアンヌが一本買っておいてくれました。付け合わせはツヴィーベル・クーヘン(タマネギケーキ)です。これも留学中に初めて食べたケーキ。名前から甘いものを想像しますが、実際は塩味のピザのような味です。今日も美味しくいただきました。ホールストはワインには目がないので、途中で自分の好きなワインをゆっくりと地下室まで行ってはとってくるのです。足が不自由になってもワインが彼のリハビリを促してくれているようです。


大好きなノイ・ヴァインで再会を祝して乾杯!


 夜はゆっくり時間が流れます。
 マリアンヌが「地下室でフィルムを見る?」と聞きました。若かりし頃、ホールストとマリアンヌが中心となって観光バスを仕立て、仲良しの元同級生たちと海外旅行をしているのです。その間ずっとホールストがカメラマンとして映像を撮り、旅行後にマリアンヌがそれをバックミュージックも入れながら編集し、ナレーションも吹きこんで作ったフィルムが山のようにあるのでした。ここでは2人の苗字を付けて「シュピーゲル劇場」と呼んでおきます。皆で地下室に行き、今夜は「ストラスブール編」を視聴しました。このときばかりは2人とも気持ちが若返って元気に解説してくれます。私たちも元気なマリアンヌとホールストと一緒に旅している気分で楽しみました。





地下室の「シュピーゲル劇場」

  
 フィルムを見てから挨拶をして部屋に戻り、溜まっていた洗濯物をしながらシャワーを浴びて床に就きました。

 今日は月曜日なので行くことができなかった美術館。明日は町まで行って2箇所回る予定です。

※このブログに掲載したすべての写真のコピーをお断りします。© 2015-2023  Midori FUKUDA

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