リーメンシュナイダーを歩く 

ドイツ後期ゴシックの彫刻家リーメンシュナイダーたちの作品を訪ねて歩いた記録をドイツの友人との交流を交えて書いていく。

195. 写真展、残り5日間

2019年12月01日 | 自己紹介

▶リーメンシュナイダー写真展はサロンになっています。

❤ご来場いただいた方の了承を得て掲載しました。


◆毎日リーメンシュナイダー談義

 とにかく写真やキャプションをじっくりご覧になる方が多くてつい話しかけたくなる私。すると心にある疑問や感想を語り始める方がほとんどです。入口のドアを開けると大きなマリア祭壇が正面に見えるように構成しているのですが、「お金を貯めてこのマリア祭壇を見に行きます」と、2晩続いてご覧になった方もいましたし、私が追いかけ人となったきっかけのマグダラのマリアを絵に描いてみたいと仰って、祈りの彫刻シリーズを3冊ともお買い上げになった方もいらっしゃいました。リーメンシュナイダーの追いかけ人としては本当に嬉しい反応です。テーブルの上に載せた資料を静かにゆっくりご覧になる方も。お茶とお菓子でサロンのような雰囲気に、毎日何人かはゆっくり腰を据えてお喋りをしていきます。我ながらとても良い雰囲気の写真展になったと嬉しく思っています。

 ただ、『祈りの彫刻 リーメンシュナイダーを歩く』シリーズの写真集を各15冊ずつ用意したのですが、ギャラリーの残部は現在3冊のみ。丸善プラネットの倉庫にもあと74冊のみとなりました。今日の様子を見て急ぎ取り寄せる予定ですが、増刷はしませんので、この在庫が終わると1冊目は完売となります。現在写真展特別価格でお分けしていますので、もしいずれと思っている方がいらっしゃいましたら早めにおいでくださいませ。


◆彫刻家の棚田康司さんもリーメンシュナイダーの追いかけ人でした。

 11月30日は若手の彫刻家、棚田康司さんがギャラリートークのゲストとして来てくださいました。棚田さんは2001年から2002年にかけて文化庁芸術家在外研究員としてドイツのベルリンに行っていらっしゃいますが、その申請時にティルマン・リーメンシュナイダーの作品を見ると書き込んでいらしたそうです。そして研究機関中にフッセンからレンタカーで北上し、クレークリンゲンのマリア祭壇も見に行ったのだそうです。その祭壇のビデオを撮っているときに我知らず涙が流れていたと話されたのを聞いて、「私のマグダレーナと同じだ!」と感動しました。「ここにも私と同じようにリーメンシュナイダーの作品を大切に思っている方がいた、しかもご自身が彫刻家として活躍している方が!」とわかってとても嬉しく思いました。リーメンシュナイダーの作品には見る人々の視線を促すためのありとあらゆる工夫がほどこされていること、重力にあらがう彫り(例えばピエタなど)というのは大変難しいこと、群像などは土台がどっしり、上に行くにしたがって細くなる三角形の構図をとっていて安定感があること、聖人などの立ち姿はS字型で軟らかく表現されていることなどのお話を伺いました。特に視線を促す工夫のあたりは私には無い観点でしたので、とても新鮮に響きました。


ギャラリートークの棚田康司さんと私。写真は木村まきさん撮影。

 棚田康司さんの作品は、独得の透明感が漂う現代彫刻ですが、静かに考えさせられる作品で、どこかリーメンシュナイダーの内面性に通じるところがあると思います。現在「鎮守の森の入口で」という作品展を常陸国出雲大社境内で開催していらっしゃいます。2020年1月13日までだそうです。少し遠いですが、私もできれば一度行ってみたいと思っています。

 〒309-1634 茨城県笠間市福原2081 電話&FAX 0296-71-6700 常陸国出雲大社境内桜林館1F



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