▶シュヴェービッシュ・ハル最後の朝は雨でした。
❤ ニュルンベルクは曇り空でした。ゲルマン国立博物館(美術館・博物館⑱)北側の彫刻
◆2022年9月28日(水曜日)8897歩
❤ 三津夫が写した初日のマリアンヌとホールスト。最後の朝はお疲れのご様子でした。ありがとう&本当にお疲れさまでした!
今日でお別れの朝、2人は何だか元気がありません。特にマリアンヌはお疲れが顔に出ているようで申し訳ない気持ちです。でも私たちの友人の中ではフリーデルについで2番目ぐらいに高齢のお二人ですからやむを得ないことですね。前回「泊まってね」と言ってくれたときにはマリアンヌがインフルエンザにかかってしまったためにお流れになったので、今回が初めてのお泊まりでした。でもお二人の体調を考えると、泊まらせていただくのは今回が最初で最後になるのかなと思います。
たくさん残ったパンやベーコン、ハムなどで私たちのお弁当まで作ってくれたマリアンヌ。果物もたくさん入れてくれました。ホールストとはお宅の門でお別れして、マリアンヌがシュヴェービッシュ・ハル・ヘッセンタール駅まで送ってくれました。駅のホームで列車を待つマリアンヌは少しだけ笑顔が戻っていてホッとしました。このあとお疲れを癒やしてくださいね。
❤ 重たかったトランクの中の写真集第5巻、あと残っているのはフランクフルトのトーマスの1冊だけです。
▶今日はゲルマン国立博物館(美術館・博物館⑱)を訪ねました。
ニュルンベルクに着くとゲルマン国立博物館にほど近い初めてのホテルへ向かいました。いつも利用しているホテルは取れなかったので今回初めて行くホテルです。看板があったのですぐ見つかったのは良いのですが、突き当たりにあるエレベーターが全然動かず、裏口のようにも見えたので、もしかしたら通りの反対側に入口があるのではないかと思ってトランクを三津夫にあずけて歩いてみました。でも裏は通りの名前も違いますし、まったくそれらしき気配は無いのです。もういちど裏口のように見える入口に戻ると、三津夫が「お客さんが2組来てエレベーターに乗っていったよ」と言います。その時ももう一組のゲストが来て壁のインターホンで話をしたら何とエレベーターが下りてきたのです。そういう流れをまったく知りませんでしたので無駄な時間を過ごしてしまいました。私たちもそれを見習って、ようやくエレベーターで2階に上がることができました。
受付ではおじさまが1人忙しそうに働いていて、「手が少なくて申し訳ない」と言いながらトランクを預かってくれました。カメラとお弁当と手荷物だけ持って近くの緑地へ。マリアンヌのお弁当を食べてからゲルマン国立博物館に入りました。
ゲルマン国立博物館ではここ何年間か改修工事で展示内容が変わってきています。リーメンシュナイダー作品がばらけて置かれたり、全部は見られなかったりするのです。でも今回は閉鎖されていた修道院の建物部分も半分までは公開されていて、ファイト・シュトースやアダムクラフトの作品を再見することができました。
三津夫は今回、このゲルマン国立博物館でハンス・バルドゥング・グリーンというデューラーの一番弟子だった画家の作品を見るのを楽しみにしていました。この博物館内に何枚も彼の作品がありましたが、どこか登場人物の目つきが不思議な作品が多いのです。マリアの乳房を口に含んでいる幼子キリストが観客の方をギロッと睨んでいたり、天使の目つきが皮肉っぽかったり、なぜかふてぶてしかったりするのです。三津夫はこの画家の作品を大いに楽しんで探していました。
第2回目の「祈りの彫刻 リーメンシュナイダー写真展 」に見えた毛利輝太郎さんという方がこの画家に関する文章をまとめていらして、コピーをくださいました。私などはその文章を読んで初めてハンス・バルドゥング・グリーンの名前を知ったという経緯があります。私たちの旅の楽しみを増やしてくださった毛利さんに、実際にその絵を見て楽しんできた者としてここで感謝申し上げます。
展示の最後に RENAISSANCE BAROCK AUFKLÄRUNG という特別展示の部屋があり、「HL. BARTHOLOMÄUS 」の作者名が 「伝 Tilman Riemenschneider und Paulus Müller (1509年)」と書かれていました。この聖バルトロマイの彫刻は、丸太に縛り付けられて横たわっているバルトロマイの腹部から腸が引きずり出され、その内臓をイノシシや豚たちが喰い散らかしているという殉教の場面なのです。聖人の頭や顔つきは確かにリーメンシュナイダーの作風ですが、周りの動物たちはおそらくパウルス・ミュラーと言われる作家の手によるものではないかと考えられます。ただ、リーメンシュナイダーの彫刻では今までこのような残酷な殉教場面を彫った作品を見たことがなく、ちょっと驚き、違和感も感じました。
いずれにしても本作はバンベルクに次ぐ新作発見となりました。こちらもリストに追加です。
※「新作」と言っても私たちにとって今までまったく情報がなく、ここにあるのを知らなかった作品という意味です。
▶今日のホテルは案外良かったのに安堵しました。
ホテルに戻ると、案内された部屋は広々としていて清潔でした。人手が足りずに受け付けも慌ただしかったホテルにしては内容が良くて驚きました。廊下はややたばこ臭かったのですが、部屋の中ではまったく匂わず、快適に過ごすことができました。
昨夜までに書きためていた日本への葉書をまだ投函していなかったので切手を買うつもりで駅まで行きましたが、郵便局があったと思っていた場所にはありませんでした。どこかの駅と思い違いをしていたようです。手許に残っていた切手だけ貼っておいた2枚を投函して部屋に戻り、最後のラーメンを食べました。マリアンヌが持たせてくれたケーキや果物もいただいてこの日は終わりました。
明日はまだ見ていないニュルンベルク市内の教会や墓地など、何か所かを回ってからインゴルシュタットに向かいます。
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