▶今日はリンツからザルツブルクに移動します。
❤ ザルツブルク、ホーエンザルツブルク城(美術館・博物館㉖)
▶ザルツブルクは3回目の訪問です。
今日の目的はザルツブルクで
8)ノンベルク修道院にあるグラッサーの「聖霊降臨祭の奇跡」を見ること
です。
ザルツブルクには以前にも来たことがあり、今回で3回目です。主な観光名所は見ていたのですが、今回、この町のノンブルク修道院に興味深いエラスムス・グラッサーの作品があることがわかったので再度の訪問を計画しました。
◆2022年10月12日(水曜日)20337歩
昨日は6時半に食堂に下りたら混んでいたので、今朝は6時15分頃下りてみました。すると2~3人しかゲストはいないのです。不思議なことにその後も混雑せずに静かでした。曜日によって忙しさが違うのか、昨日はたまたま何かの仕事があって大勢泊まっていたのか、不思議です。ゆっくり食事をいただき、部屋に戻ってユーレイルパスに列車を登録すると、昨夜はできなかったのにあっさり入ってくれました。まだまだこのパスの正体が掴みきれません。
8時10分に部屋を出てチェックアウト。受付には宿のペット、雄猫のベリッキーが定位置に丸まって寝ていました。ゆったりした部屋でありがたかったとお礼を述べてリンツ・ドナウ中央駅に向かいました。6番線A-Cに上がるともう列車が来ていたので乗り込んで入口側のテーブル席に座りました。荷物も荷棚に入れられたところでホッとすると同時に列車が動き出したのです。「あれ? 違う列車に乗っちゃった?」と慌てて行き先を見たらちゃんとザルツブルク行きでした。どうやら私たちがせっかちなので、いつものようにゆとりを持って出てきたため1本早い列車に乗ってしまったようです。それ自体は良いのですが、今日はスムーズにユーレイルパスに列車登録ができたため既に次の列車用のチケットが発券されています。「どうしよう? 入れ替えられるものかしら?」あたふたしながらトライしてみたら、ちゃんとキャンセルできたのでした。今までキャンセルできないと思い込んでいましたので、これは大収穫でした。修正が効くならデジタルチケットも悪くはありません。ユーレイルパス、見直しました。最初は「もう二度とデジタルパスなんかにするものか」と怒ってばかりでしたけれど、1か月も使っていて慣れてきたら案外便利なものです。次回もデジタル・ユーレイルパスで行くことになりそうな予感がしてきました。
❤ ベリッキー どこが足やら手やら頭やら?
ザルツブルク中央駅に着いたのは9時48分でした。大きな新しい駅舎の前は雨で濡れていました。地図を頼りに数分歩き、ホテルにも無事チェックイン。トランクを預けたら受付横のスペースに置いてくれたのですが、仕切りもなく、チビコロが一番手前で誰でもサッと持って行けそうな気がして不安でした。ちょうど傘を出し忘れていたことに気が付き、戻って傘を出してからチビコロを大きなトランクの奥に置き直しました。
▶旧市街までは結構歩きます。
以前来たときは駅の旧市街側のホテルだったのですが、それでも旧市街までは大分歩きました。今回は更に距離があり、遠く感じました。まず最初に聖ペーター修道院の墓地に入ってみました。そこから墓地を抜けてホーエンザルツブルク城(美術館・博物館㉖ 写真トップ)に繋がる歩道に入ることができるのでした。結構な急坂です。息を切らしながらやっとお城の門にたどり着くとチケットを買って中に入るシステムです。一人10.6ユーロのベイシックカードを購入。門の奥はザラザラと滑りやすい砂地で、壁際に板を打ち付けた歩道がありました。気をつけながら歩き、ここで相当腰に来ました。私たちはこのお城の中にノンベルク修道院があると何故か思い込んでいたのでした。でも、お城の中には小さな教会はありましたが修道院は見当たらず、ノンベルク修道院まで更に30分歩くと書かれていてガッカリしました。
時間と体力を消耗したかなという感じで門を出て、更に坂道を上がっていく途中、細い崖っぷちの道をトラック2台がすれ違おうとしているところにぶつかりました(写真:下)。「絶対無理でしょう!」と思いながら見ていたらお互いにギリギリ譲り合い、何とかすれ違うことができたときは思わず拍手。
▶ようやくノンベルク修道院に着きました。
❤ ザルツブルク、ノンベルク修道院(教会・修道院54)
❤ 修道院内の女性像 パンフレットがなく、詳細はわからず。(写真・下)(写真:緑)
やっと今日の目的のノンベルク修道院(教会・修道院54)には着いたのですが、中にはグラッサーの「聖霊降臨祭の奇跡」は見当たりませんでした。どこかに修復にでも出しているのでしょうか。グラッサーのカタログにはこの修道院にあると書かれていたのに残念です。
旧市街まで下って小さな道を入ったところにある中華料理店でお昼を食べました。焼きそばにチャーハンを食べたら美味しかったので二人でペロリと平らげました。
お昼を食べて落ち着いたところでザルツブルク大聖堂(教会・修道院53)に入ることにしました。
大聖堂では5ユーロ払ったのですがあまり興味のある彫刻はなく、隣の大聖堂美術館(美術館・博物館㉗)に入りました。2016年に来たときに大聖堂にも、大聖堂美術館にも入っていますが、その時は気が付かなかったことがありました。この美術館は大聖堂からスタートしてフランツィスカナー教会や聖ペトロ教会の美術品まで続けて見ることができる合同の美術館なのでした。
途中で目にとまった聖ペトロ教会の展示作品にオットーボイレンのマイスターが制作した祭壇がありました。残念ながらここだけは撮影禁止だったため写真も写せなかったので詳細は覚えていないのですが、祭壇全体の地色が黒で塗られているとても不思議な雰囲気の祭壇なのです。これがオットーボイレンベネディクト修道院に戻るのであれば次回の旅行でもう一度見ることができると思うのですが。
もう一点目がとまったのはグレゴール・エーアハルト作の「磔刑像」が展示されていたことでした。これは個人蔵の彫刻で貸し出し展示となっています。以前からあったものか、2016年以降に展示されるようになったものか定かではありませんが、この磔刑像はリーメンシュナイダーにも通じる雰囲気を持っていました。
じっくり回っての帰り支度で三津夫が何だか慌てています。彼の青い上衣が無いと言うのです。リュックの中にも無くロッカーにも無い、どこかで落としたかもしれないと。確かに午前中は着ていたのを覚えていますし、お昼を食べたときに脱いで…、「あ、あのレストランだ」と思い出し、大急ぎでお店に戻りました。もうお店のドアはしっかり閉まっていて部屋には灯りも点いていません。どうしよう。「Hallo!」と大きな声で何回か叫ぶうちに中の灯りが点きました。ドアが開いてお店の女主人が笑顔で青い上衣を手に持って出てきてくれたのです。二人して何度もお礼を言い、ホッとしてお店を後にしました。お店の人が親切で本当に良かった。滅多に忘れ物をすることがない三津夫も、忘れ物をしょっちゅうする私も、揃って上衣を忘れて慌てるという旅となりました。
見残したフランツィスカナー教会(教会・修道院55)のパッハー祭壇をじっくり見てからホテルに戻ることにしました。
ホテルへの帰り道で迷ってしまいました。ちょうど姿を見かけた男性に駅の方向を聞くと、駅ならずっと戻って右に曲がらないとと言われ、戻っては人に聞き、また別の人に確認してようやく見慣れた道に戻って安堵しました。
駅のスーパーで今夜と明日のサンドイッチとバナナとおやつのポテトチップスを買い、ホテルにチェックインしました。幸いトランクは大2個、小1個とも無事に残っていました。部屋は広々してきれいで、使いやすそうです。珈琲メーカーも置いてあり、使い方がわかったので、珈琲をゆっくり飲んでくつろぐことができました。
▶さすがに疲れました。
それにしても今日はこの旅で2回目の2万歩越え。やはり疲れました。でも嬉しかったのはこのホテルの部屋にはバスタブが付いていたことです。今夜ばかりはお湯を溜めてゆっくり浸かることにしました。おかげで腰を温めることができて大分楽になりました。
明日はオーストリア最後の宿泊地、インスブルックに向かいます。
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