黒猫Mayの山登り日記

人生、山あり岩あり猫もあり
山登りに挑戦中 
槍ヶ岳の次は剱岳だ ♪  

北穂高岳   たくさんの花と岩と生ビール

2019年09月05日 | 南・北・中央アルプス
29日、いよいよ北穂高岳に向かいます。
登ったら北穂高小屋には泊まらず、また下りてくる予定。
休憩も入れて7時間くらいかな。


早朝、テラスでは身支度する人たちで賑わっています。




6:00 私たちもヘルメットを被ってしゅっぱーつ~ドキドキです。



北穂高岳じゃないの?
省略した「北穂」の道標(笑)



しばらくは穏やかな整備された道。



お花とか



お花畑も。




眼下に出発した涸沢が小さく見えて、「登ってきたね」と話していたら




やはり北穂、いきなり斜めの岩場。



デッカイ岩が積み重なった岩場も出てきた。



可憐な花たちが応援してくれる。




アメ(お花)と鞭(岩場)が交互に出てくるって感じもするけどな。


アメちゃんのお花畑。



の後は、

南稜登り口直下にある最大難所の長いクサリの岩場。
思わず立ち止まり、登るルートを確認。



小雨がぱらつき出して、カッパとザックのレインカバーを付ける。
晴れの予報だったのに。


垂直に近い鉄ハシゴを登る。

頑丈に出来ているハシゴは怖くないと思う私。


またお花畑




岩を超えて



登って



片側が切れ落ちているところは慎重にトラバース。



ガスっている時に他に登山者がいるととても安心。



小さくて可憐なお花にも励まされた。



北穂分岐、もう200mで頂上だよ。



かなりガスっている。
先に行った人たちはもう見えない。
道はこっちでいいの?って感じの下り道になるが不安がっているのは私だけのようだ。



最後の急登を上がったら


9:45 やっと頂上に着いたーー。

何も見えないけどとにかく着いたよ。


山小屋はどちら??と探しても見当たらない。


頂上の端っこにある階段を見つけて下ると

崖っぷちにへばりつくように立派な小屋があった!



天気がいいと北穂テラスと呼ばれているここは絶景が楽しめるはずなんだけどなぁ~。



小屋のコーヒーをいただき、



ガスが取れるのを待ったが



う~ん、残念ながら槍ヶ岳方向に眺望はなし。

崖っぷちから下を覗くようにみたら、なんと涸沢ヒュッテが見えて「わー小さい、でもちゃんと見える」とビックリ。

頑張って登ってくると、小さな驚きでも感激しちゃうよ。

1時間ほど小屋にいたけど待ってもガスが取れそうにないので、下りましょう。


私たちが頂上を離れて少ししたらガスがなくなってきたよ。


「悔しいね!!」なんて言いながら、下りは慎重に。



子はテクテクと早いけど、下りは増々苦手になってきたワタシ・・。



予定していた時間より(私のせいで)大幅に遅れてやっと涸沢小屋に下山できた。
やれやれ(大汗)・・。


無事登れ帰って来れたので、生ビールと涸沢小屋の裏メニューのパフェで乾杯・・・。

生ビールの写真は撮り忘れちゃった。


昨日も無事登ってきたと乾杯し、今日は無事下りてきたねと祝杯を挙げた。

普段の生活では出来ない昼間っから飲むビールは格段に美味しい。
山では飲む口実はいくらでも転がっている(笑)
もちろん夕飯の時もしっかり乾杯しました。


花あり岩あり生ビールありの北穂高岳は最高でした。


ゆっくりとまた一泊し、帰途につきました。




北穂高岳 涸沢まで

2019年09月04日 | 南・北・中央アルプス
一か月以上前の山行ですが、ご覧ください。

      
     * * *



待ちに待った梅雨明け到来。

7月27日から30日まで北穂高岳へ行ってきた。


今年も行くの?ワタシを置いてさ。

早朝、ザックに荷物を詰めていたらじっと傍で見ている者あり。
また留守番させてゴメン。


27日、朝6時自宅を出発。
昼過ぎに沢渡駐車場に車を停めて上高地へ。

1日目の宿は上高地から歩いて1時間のところにある明神館。
(この写真は翌朝のもの)

明神と言えば上高地と徳沢の間にあって、1時間歩いたということを知るポイント地点、ただ通り過ぎる休憩地のイメージだ。


地味な外観だが、アットホームな歓迎。

館内は清潔でレトロな内装も寛げました。


夕食もバランスが取れていて美味しかった。




28日 6:00明神館出発。
今日の宿・涸沢まで約6時間。



横尾山荘前から横尾大橋を渡って



屛風岩



本谷橋で休憩

水量が多くて橋の下は通れなかった。


涸沢に近くなったら雪渓が出現!

涸沢小屋に予約の電話を入れたときに「雪渓はありますか?」と聞いたら「ありません」と言ってたのに。
これくらいの大きさだと雪渓のうちに入らないのか。

小さな雪渓を4つ渡って、2日目の宿「涸沢小屋」に到着。

涸沢には小屋が二つある。
涸沢小屋か涸沢ヒュッテか迷ったけど、涸沢小屋は連泊すれば2日目は1000円引きになるし北穂高岳に行くなら100mだって近い方がいい。
涸沢小屋は小さいけど落ち着いていていい小屋だった。



涸沢を初めて訪れる子を連れて(笑)、涸沢ヒュッテにもチョイと探検に。

このテラスからの眺めも快適。


明日はいよいよ北穂高山頂へ。
いい天気になりますように。


   *つづく*






いざー(槍ヶ岳)穂先へ!

2018年10月01日 | 南・北・中央アルプス
9月18日~20日で北アルプス・槍ヶ岳へ登った。

去年槍ヶ岳山荘まで登ったのに、無念の雨で帰ってきたくやしさから一年。


今年の(も)懸念は天気だが、予報では雨マークは出ていないので急変がなければカッパの出番はないかも。


後は私の歩行速度。
ツレと子と3人で行くけど足の遅い私に合わせるしかないので、いつもコースタイム+2時間くらいかかってしまう。
今回、子は3日間しか休みがないので、這ってでも三日目の午後には上高地のバスターミナルに着きたい。

さて今年はどうなる?


17日の夜は沢渡(さわんど)の格安の宿「ともしび」に泊まった。



9月18日 早朝に宿を出て



6:40 沢渡バスターミナルから上高地へ向かった。




7:05 着いた上高地は寒くって、3人で震え上がった。
簡単に朝食を食べる。



明神に着くころには身体が温まり、お日さまが出て暖かくなってきて一安心。


去年はこの辺りでもうカッパを着たな~と思い出した。


沢の護岸工事をしていたところが一部あり迂回道が出来ていた。



どこを見ても雲なーし、いい天気。




12:45 槍沢ロッジ到着
予定より15分くらい早く着いた。


幸先いい感じだ。


夕食のテーブルで顔を合わせた家族がいた。
後で聞くと、我が家と同じく夫婦と娘さんの三人組だった。
夫婦は70才前後かなぁ?
私たちが食堂の椅子に座り、買った缶ビールのプルトップを開けた瞬間
向かいの旦那さんが自分の日本酒のワンカップを私たちの方に持ち上げ
「カンパーーイーー!!」と。
(え~~?だれですかぁ?)
とても人懐こい笑顔に警戒心が低くなる(笑)

それを皮切りに」「どちらからですか?」「明日は槍(槍ヶ岳)ですか?」などと山小屋でのいつもの会話に入って行った。
会話というよりも、話好きの旦那さんの一方的な流れだったような感じもしたが。

長野県=地元だから朝5時半に自宅を出てきた。とか、天気予報を見てて明日行くかって感じなんですよって羨ましい!

その中で
旦那さん「これは(隣に座っていた奥様)穂先に登るために、火の見櫓(やぐら)のハシゴを上ったり下りたりして練習していたんですよ。
あそこ(穂先)は垂直の長いハシゴが最後にありますからね。」
(あっけにとられて私たちは大笑い)
奥様「私が上っていたら、近所の奥さんが出てきてビックリしていましたよ。
(そりゃそうでしょう!)でも何回もやっていたらその内出てこなくなって(笑)」

話が弾み、気づいたら食堂は私たち6人だけになっていた。


9月19日 二日目
6:10 槍沢ロッジ出発

変な姿勢の子はストレッチ中。

(途中省略)

今日も雨予報は出ていません。



大分登ってきた。



ゴツゴツした大小の岩だらけの道を行く。



穂先が見えてきた!!

去年は影も見えなかった穂先がそこにあった。


振り返るとこんなに登って来たよ。



九十九折のジグザク急坂をあえぎながら休み休み歩く。




11:35  槍ヶ岳山荘にとうちゃくー。

山荘直下の急こう配にヘトヘトのワタシ。


今日中に頂上に登りたい!
ザックを降ろし、腹ごしらえする。


空いている、今だったら登れる!



あこがれていた穂先はもうすぐだ。
空身で出発。




下から見ていると腰が引けるけど、登っている時は意外と怖くないから不思議。



子と離れないように付いていく。



意外と足場や手掛かりがしっかりしている。
クサリもあるし、ペンキマークもきちんとあるから迷わない。



名物の最後の垂直ハシゴを味わって・・



憧れの槍ヶ岳頂上に着いたよ。

頂上は思っていたより広かったけど、不安定な岩だらけで怖かった。


ホラホラ平なようで、平じゃない。



周りの山々を



一望する。



でも、やっぱりこんな高いところは落ち着かない。
とっと降りてきましたよ。


私たちが下りたころ、頂上は賑わっているようだった。




9月20日 三日目
上高地まで降りると決めて4時起床。
4:45 小屋を出発。

真っ暗の道をヘッドランプを点けて三人で下り始める。

5:28 朝日が昇り始めた。


去年の槍ヶ岳と今年8月の奥穂高へ行った三日目は上高地までたどり着けず横尾山荘に泊まってしまった。
三度目の今日こそ泊まることなく目的地までいけるか?

一昨日、昨日とコースタイムより早く到着で着ている。
ジムに地道に通った結果が疲れない身体にしてくれたようだ。
でも、安心はまだまだ先だ。


(途中省略)

水俣乗越分岐や途中でタイムを見ると、コースタイムより30分以上早い。
今までになく疲れずに歩ける自分に驚いている。

そして横尾山荘を無事に通過し、徳沢で小休止。
ソフトクリームを食べて、徳沢園の可愛い売店を覗いていると「雨が降ってきた」と聞こえてくる。
休憩を切り上げて、先へと急ぐことにした。

上高地バスターミナルがもうすぐという河童橋の手前で雨は本降りになりカッパを着た。

13:30 バスターミナルに到着し、沢渡行きのバスの車中の人となる事ができた。




















奥穂高岳に行こう!頂上だ?

2018年08月18日 | 南・北・中央アルプス
8月7日(火)
穂高岳山荘の夜明け前。
私たちは1階に泊まったが、2階の物音で目が覚めた。時計を見たら4時前だ。
1階の天井が即2階の床らしく、ズリズリと荷物を引きずるような音がしばらく続いた。

5時前にはテラスで準備体操をして出ていくグループを見かけた。
2階の物音はあの人たちだったのかな。


6時 テラスにガスが立ち込めている。
「こんなで登っていいの?」



垂直岩だってガスガス。



身支度をしているベテランっぽい人に「ガスってても登っていいですかね?」って聞いてみたら
「垂直岩はここだけであとは大丈夫ですよ」と励まされる。

何が大丈夫なのか分からないけど、じゃ行くかー!!


(緊張のために落ち着くところまでの写真はなし)


垂直岩が終わると、ガラガラのガレキを慎重に歩く。片側は切れ断崖絶壁。



強風で体がグラリと揺れたり、寒かったり・・。
ガスっていて遠くは見えず、クネクネと曲がり道が次から次へと現れ頂上はまだかまだかと歩くこと1時間。


頂上かな?

赤枠で囲ってある男性3人とは前日の横尾山荘から顔見知りになった。
涸沢あたりからずっと抜きつ抜かれつのデットヒートを繰り広げ「また会いましたね」と何回もあいさつ。
そして今朝も頂上制覇も同時になった。
ツレとは密かに「三匹のオジサン」と呼んでいた。




6:50 山頂に着いたーーー。(三匹のオジサンから撮ってもらった記念の一枚)

もうこれ以上登らなくていいんだ。



北アルプス三度目にして、念願の小屋止まりを脱出した(笑)


一瞬ガスが取れた山頂。



が、すぐにまた残念ながら、なにも見えない。

晴天だったら槍ヶ岳もジャンダルム見えるはずだけど。


登頂に意味アリ!

満足したらサッサと下山。

下山の方がずっと危険なのだ。


崖っぷちに立つ慰霊碑。



安堵感が出てきて、下ってきた道(崖)を振り返ると・・



けっこうな断崖絶壁でした。



底に小屋が見えてきた!
向こうの山は涸沢岳



無事に、穂高岳山荘に降りてきたよ。

うーーん、自分たちが降りてくると、頂上は晴れてそうだ残念・・。


小屋にリュックを置いての往復だったので、とっても身軽で楽だった。


今度は麓まで本当の下山だ。
あのザイテングラートを下るかと思うとウンザリだけど、歩かないと帰れないからね(笑)


疲れた体に本谷橋の下を流れる川の凍るような冷たい水と、その水に冷やしたちょっとだけ残ったポカリは最高の味だった。



炎天下約7時間歩き


午後3時にやっと横尾山荘に着いて、ここでお泊まりだ。
体力があれば上高地まで行きたかったけど、よくやったと褒めて長い一日を終了した。



おわり


奥穂高岳に行こう!ザイテングラート

2018年08月13日 | 南・北・中央アルプス
一歩間違うと滑落と隣り合わせの岩尾根ザイテングラート。
降りてくる人たちとは道を譲ったり、譲られたりしながら高度をグングン(でもないか)稼せぐ。
涸沢ヒュッテが随分小さくなった・・・。



前穂高も随分近くなった。



ヘルメット装着推奨地域ではないけれども、ほぼ皆さん被っている。



ツレはせっかくもってきたのに、リュックに被せたまんま(笑)



上を見上げると、岩だらけで一見どこを登るか道わからず。



ポチポチ見える人を頼りに、登るしかない。



「随分上がってきた、もう少し・・」と言い聞かせ



でも、ちょいと道をそれたりしました。



「ホタカ小屋(まで)20分」と書いてある岩見っけ!
「オオ~!」と喜んでいたら、私たちの後ろから来たグループのリーダーが「これは嘘ですよ。30分から40分かかるから、ゆっくり行きましょう」と話しているのが聞こえてきた。。
いやはや余程の健脚者の20分か。




20分岩から私たちは37分かかり、やっとこさ


13:30 穂高岳山荘に到着。



テラスの端っこからすぐ直登が始まる。
少し休んでから頂上に行く予定だったが、この濃いガスでは怖気づいてしまう。



下の涸沢方面は遠くまで見渡せるのに。



山頂からは続々と降りてくる。
どんな感じか伺っていると、



ハシゴにクサリ・・・



垂直岩と、怖気づく材料のオンパレード!!



ガスも濃いし、小屋(穂高岳山荘)までタイムオーバーだし、何より疲れたーーー。
体制を立て直さないと、(私の体力では)挑める岩場じゃない。


ということで、登頂は明日に持ち越した。



夕方、一瞬だけ垂直岩の全貌が見えた。



去年の槍ヶ岳では山頂直下の小屋までしか行けなかった。
その前年の焼岳は、雨が振り出し小屋までも登れず降りてきてしまった。
今年こそは、北アルプスの小屋止まり登山のトラウマは消し去りた~い



つづく

奥穂高岳に行こう!

2018年08月09日 | 南・北・中央アルプス
槍ヶ岳にも再チャレンジしたいし、穂高にも登りたい。
穂高だって、北穂高・奥穂高・前穂高・西穂高とたくさん(笑)あるけど、私の登れるところは?

そんなこんなで選んだのが奥穂高岳だ。
果たして今回は頂上の土か岩か分からないけれど踏めるのだろうか?

8月5日(日)
松本電鉄線の車内ではバイオリンの生演奏が始まった。夏休みのイベント企画らしい。
演奏者は牛山孝介さん



新島々バスターミナルへ到着



いつものアルピコ交通のバスで上高地に到着


むこうに見えるお山たちは穂高連峰。吊尾根(つりおね)がクッキリ見える。

明日はあのてっぺんまで登るんだよ。


6日(月)
宿泊した横尾山荘の静かな朝。



5:30 さぁ出発。
山荘前の階段を上がっていくと



吊橋の横尾大橋。
意外と幅は狭い。



この道は憧れの穂高岳へ続くんだよ(笑)
ドッキン、ドキドキだー。



屛風岩かしら?



6:45 本谷橋到着

 

川の水が冷たい。
休憩場所にピッタリ。




本谷橋を過ぎると急登になるが



視界が開け



景色が変わってくる。



徐々にアルプス気分が注入される。



8:38 涸沢到着



涸沢ヒュッテのテラスからは前穂高・奥穂高・北穂高がすべて正面に現れた。



紅葉の時期には超混雑する有名なテント場。その山側に立つのは涸沢小屋。




実は涸沢に着いたら、雄大な景色に気持ちが完結してしまい体から力が抜けてしまった。
上を見上げると、まだまだ倍以上の距離の急な岩場が見えるし・・。
「もうここで帰りたいな」と半分思うが、それじゃツレに申し訳ないしきっと後悔もするなんてクチャクチャ考えるが、そのまま畳み込んで重い足を前に出す。

一人で来たら(技術的にも体力的にもあり得ない話だが)とっとと帰ったかもね。
そんな面で、ツレという同伴者は有難いもんだ。


涸沢ヒュッテからそのままパノラマコースを登りたかったが、通行止めだったので涸沢小屋を通り奥穂高岳を目指すことにした。



スカイラインに映えるきれいな吊り尾根と、右の山が目指す奥穂高岳だ。
随分近くなったー、登って来たなーという思いと、まだまだ遠いなとため息が混じる時間だ。

スプーンでえぐられたようなカールも有名。


不安定なゴロゴロ岩の道と




ザレザレと崩れそうな小石の道の先には、急峻な岩尾根のザイテングラートが待っていた。





つづく
















槍ケ岳 エピソード

2017年08月02日 | 南・北・中央アルプス
私にとって槍ヶ岳に登ることは、一大イベントであり、四日間39Km歩き続けられたことは最大の収穫で自信につながったことは確かである。

山から帰り普段の生活に戻ったが、槍の穂先まで登れなかった不消化感が残っているのは確か。
これが晴天の絶景のなか、頂上で「登ったぞーー、三年間頑張った甲斐があったーー!!」なんて叫んで下りて帰って来るとでは雲泥の差というものだろう。

出発する前の自分にはこのパターンは想像していなかった。(体力・気力とも尽き果て登れないのではないかという恐れはあったが)


少なくとも登っている途中で、穂先をちょっとでも見れていたのならこんな落胆はないかもね、なんてグズグズの思いが後を引いていた。
帰ってきて画像を整理したりガイドブックを読み直していたら「えーーっ!!そうだったの??」と・・思うことが出てきた。


「槍見」の文を発見したのだ。(行く前に読みなさいって話しなのだが)




自分のカメラで穂先を撮った ・・なんて 


ツレと「槍見って書いてあるけど、尖がっている槍と似た岩があるから付けたんだねぇ」なんて話しながら通った。
見ているトンガリが本当の穂先だなんて夢にも考えなかった私たちだった。

とういことは、この目で、肉眼で、槍を見たんだということになる。

最初で最後になるとは思いもしないで通り過ぎてしまった。
穂先という認識がなかったからしょうがないか・・・(トホホ


      



「登れなかった」とか、「修行に行ってきたみたいだね」なんても言われたことは置いておいて、楽しいこともたくさんあった。

槍ケ岳は全国に知られ、登山をする人なら一度は登りたい山。
今回夜行バスや宿で予想外に色々な人と出会った。
人との出会いも全国区だ。

Aさん(女性):夜行バスの通路を挟んで一人で座っていたので声をかけた。
私より年輩そう。70才前後のように見えた。
「どこにいくんですか?」と声をかけたら「どうするかまだ決めてないの、穂高にしようか槍にしようか」と笑っている。
「気の向くままね」と余裕たっぷりだった。
その日、横尾山荘のベンチでも偶然一緒に坐る。
「どちらからきたんですか?」と尋ねると「北海道よ、北海道は高い山がないからね。あなたたちは?」と聞かれ「埼玉です」というと「あら、近いからいいわねえ」と微笑んでいた。

「穂高にするわ、槍は去年行ったから。雨だから気がすすまないけど、ここ(横尾山荘)に泊まるには早すぎるからね」と時計を見て腰をあげ横尾大橋を登って行った。


Bさん夫妻:横尾山荘で部屋が一緒になった。
熊本から1か月の予定で、7月の中旬ころからアルプスを登っていると。
とても若々しく(ダンナさま)70才と(奥様)65才と聞いてびっくりしてしまった。
九州で長年山ガイドをしていたがつい最近止めたというダンナさまと、「私は付いて行くだけ」という奥様は笑顔がかわいい。
ダンナさまは一等三角点の研究をしているエライ人のために、九州にその方が来たときに案内をしているという内容をおもしろおかしく話してくれる。

木曽駒ヶ岳や空木岳を登ってきて、明日から穂高に行くと。
翌朝、ヘルメットを被り元気に出て行く二人を見送った。



宿での夕食時は、今出会った人が山という共通項で盛り上がり、話が止まらない。
普段の生活で山の話しを友達や職場で話しても理解してもらえないよね・・ってことも話題に。

青森からきたC夫妻のダンナさまは「(長期休暇に)どこにいってきたの?」と聞かれて「山に行ってきた」と答えたら「何がそんなにいいんだ?」という風なことをいわれ言葉がなかったと。
「こういう場所はいいですよねぇ、分かってくれる人ばかりだから」と大らかな笑顔でうれしそうだった。
奥様は「前はいつも(山に)連れて行ってもらえず置いてきぼりだったけれど、『私も行きたいー』と言ったら一緒に連れて行ってくれるようになったの」と笑顔満面。


秩父や奥多摩にいい山があるけど、たくさんの人たちと話ができて「〇△山いいですよ~」なんて情報収集ができるアルプスは最高だ。


おまけ  


①~③山小屋の宿泊カード  ④槍ケ岳バッジ

山小屋は老若男女を関係なく部屋に押し込むっていうイメージでいたけど、今回は空いてたからか年齢・単独・夫婦などで配慮してくれたと思う。
若い人たちの部屋はわからないが、「夫婦で年輩の部屋」「男性年輩」「女性グループ」って分けていたな。
だからか同年齢らしき夫婦で来た人たちとは「槍沢ロッヂ」や「槍ケ岳山荘」で偶然だけど一緒の部屋になり、仲良くなれた。
山の登り下りでも「また会いましたね」「お先にー」なんて声を掛けれるくらいになって、越しつ越されつのちょっとしたデットヒートものだった(笑)


子へのおみやげの靴下
「槍ヶ岳に登っていない私がはいていいのかな?」といった。


「今度、一緒に行こうよ、この靴下はいてさー


おしまい






いざー、槍ケ岳じゃー 2

2017年07月31日 | 南・北・中央アルプス
7月24日(月) 2日目。
6:00 残念ながら今日も小雨。
この日のために低い山から、きつい山まで登って鍛えてきたんだ。
私たちが穂先に取り付く1時間だけでもいいから晴れてくれーと、勝手な願いごとをしながら槍沢ロッヂを出発ー



こんなガレ場でも



ちゃーんと道が整備されているところが、さすが槍ケ岳!!と感じられる。




ドロドロの道のはずが、どこかの庭園みたいに石がきれいに並べられている
歩きやすいったらありゃしない。



雪渓が出てきた。
実は昨日泊まったロッヂで話題になっていたのが、天気のこともあるが雪渓だった。

大小7か所の雪渓があり、登りはともかく下りは(軽)アイゼンが必要と。
私たちは持って来ていないので、「滑ったらどうしよう?」と不安満載で出発した。

ちなみに、私はポールあり(アイゼンなし)、ツレはポールもアイゼンもナシなのに
何故かあまり心配していないようだ。

ゆーーっくり踏み跡を歩き無事通過(ホッ)。


山桜が咲いている。



ババ平通過



また出たぞーー。
雪渓ってこんなに厚いんだ。
下界は気温34度とかあるのに、ここは氷が残っている別世界だ。

ヘッピリ腰で歩く私に「オレが先に行く」とツレが言い出す。
付いて行くほうが楽なので「どうぞ!」と先を譲る。


晴れている時に見たかったな~



大曲(水沢乗越分岐)を抜けると、また・・



どこまでも続く雪渓が現れた。
これ全部上がるの?



大穴が口を開いてる、滑って落ちないようにしなくちゃ・・。

雪渓ていうから雪だと思うけど大間違い。
ほとんどが氷で、ちょっとだけ融けて雪に見えているだけだからポールも刺さらないときもあった。


用心深く一歩一歩降りる、下って行く人たち。



雪渓のない夏道を歩いたり雪渓に戻ったりして、こんなに登って来たよ。



道端に咲いていた花







花ではないがキレイだったのでつい・・・







今度はトラバース
急斜面には見えないけど、下側は絶壁だから滑って落ちたら止まらないーーーよーー



ペンキで方向が分かるので、体力と理解力があれば安全に登れる。


転ぶことなく雪渓は乗り越えたが、山頂が近づくにつれて雨・風・霧が強くなってきた。
強風に煽られて体が揺れる。


殺生分岐
歩いていたら、吐き気が時々出てくる。「何か悪い物でも食べたかな?寝不足かな?」なんて思いながらこれ以上悪い症状が出てこないよう別のことを考えよう。


ポールを持っている腕が重く感じ前に出ない、10mくらい進んでは休みがちになる。
息を吸っても吸っても体に入ってこない空回りしている・・酸素が薄いぞーーツライ。
(うーーんこれって高山病か?)
せめて晴れて絶景が見渡せたら、苦しさも帳消しなんだろうなー。


雨と霧で自分がどこまですすんでいるのか不明だ。
意識が半分くらい薄れているのが分かるが、ただひたすら「前に歩かないと着かないんだな」と足を動かしていた。

そんな時に「ほらもう100mだぞ!」と先を歩くツレの声。
(なんだよう、まだそんなにあるの??)
重い足を引きずっていたら、ずぶ濡れで何も見えない景色のなかに、建物が近くはっきり見えてきた。



11:50 槍ケ岳山荘到着 


晴れていたら小休止して、リュックをデポし穂先の頂上トライだったのだが、登れないのは明らかだ。
明日の朝に行こう!!!




7月25日(火)3日目
4時半起床、雨が降っている。
それでも5時には朝食を済ませて、穂先に登る準備をする。



外は霧で穂先どころか20~30mくらいの範囲がぼんやり見えるだけ。。
晴れていたら、穂先がドドーンと迫って見えるんだろうな、くやしい。



穂先に登ったことがある経験者が一緒ならいいのだけれど、先を行く人も見当たらない。

雨も強く、濃霧・・



しばらく歩く。
「(私)やめようか??」「(ツレ)あんたが決めていいよ」
「(私)うーーん、じゃーやめよう!!!」と決断し小屋に戻った。
無念だけどしかたない、岩場から滑落なんてしたくないしさ。


6:45 槍ケ岳山荘を後に下り始める。
気持ちを切り替えても、私の胸の中はこの景色と同じですっきりしないなぁ。



しぼんだ気持ちで歩いていると、痛々しいけど強く咲いている花が目に飛び込んできたよー。
「またくるからね」と、花と自分に話しかける。



下りは同じコースを降りた。

雨が降り続けているのに雪渓は小さくなってない。
どうにか、転ばず滑らず降りてくることができた。
この日は横尾山荘にお泊り。
きれいな山小屋で、お風呂もあり部屋も空いていて極楽ゴクラク。



7月26日(水)
横尾山荘をゆっくり出発。



雨合羽を着ない日は今日だけ。
行きの明神から下山の横尾まで3日間ずーーっと着ていたので、ズボンの裾がドロドロに汚れていた。


明神池を散策。



ちょうど昼ごろには上高地に無事到着。
バスターミナルで登山靴に付いた泥を落とし、帰路についた。


おしまい 

読んでいただき、ありがとうございました。



いざー、槍ヶ岳じゃー♪

2017年07月30日 | 南・北・中央アルプス
登山を初めて3年目の夏。
登りたいと思い続けて、今回やっと願いが叶う。
心配なのはただ一つ・・・天気。
晴れてくれ~~

7月22日(土)
22:25 新宿発の夜行バスで上高地へ向かう

最寄駅まで送ってくれた子に「(ツレと)ケンカしないで無事帰ってきてね」と、エール(笑)をもらう。

バスでは眠ったような眠れないような一夜を過ごす・・


23日(日)5:20 上高地バスターミナル着
バスを降りたら、すぐのベンチ横に寝ていた若者が目に入ってきた。
よく見ると複数が爆睡していた



雨は降っていないけど、かなり怪しい空模様
予報は三日間雨や霧で、登山は不適となっているので今日はダメっぽいなー


6:00 腹ごしらえし、計画より30分早くイザ出発じゃーー

槍ケ岳に登るには色々あるらしいが、私たちは上高地からの「槍沢コース」を選んだ。
選んだというか体力的・日数的にはここしかない。


河童橋が霧の向こうに霞んでる



小梨キャンプ場を通っても



梓川の向こうの山々を見ても



一向に明るくなる気配はない


明神池への分岐
パラパラ雨が本格的になってきたので雨合羽を着ることにした



徳沢も、もちろん雨・・・



一輪のアザミに心和む。



新村橋




9:30 横尾山荘が建つ横尾に到着



眼の前には横尾大橋の吊り橋。
涸沢・穂高方面だ。

いつかあの橋を渡って穂高に登るぞーー。(せめて手前の涸沢までには行ってみたい)


雨に濡れてうんざりし、ボーっと休んでいたら見つけちゃったーこの人知ってるーー
NHKの「日本百名山」でガイドしていたし、ガイド本も出している。
登山ガイド&山岳ライターの小林千穂さん。

「写真撮らせてくださいー」と声をかけたら「一緒に撮りましょう~」と快く応じてくれた。

うれしかった、元気になった瞬間。
(㊟私のお腹は自腹ではなく、バッグでふくらんでいるだけです)


道は整備されていて歩きやすい



11:10 一ノ俣



本格的な雨の中を梓川に沿って登る。



花2(あなたはだ~れ)



12:00 今日の宿の槍沢ロッヂ到着



ここは、石鹸・シャンプーは使えないけどお風呂がある山小屋だ。
疲れが取れ、ささやかだけど極上の幸せを味わう。



午後から更に雨脚が強くなり、夜になっても止まず。
明日は穂先に登る本番。
ちょっとだけでもこの目でトンガリを見たいよーー。






つづく