「また、親子喧嘩だ! 虐待してるのでは…と、通報されやしないか~?」
と、主人がまじめな顔をして家の中に入ってきた。
家の中にいると聞こえないが、外で庭仕事をしてる主人には、丸聞こえなのだそうだ。
近所の若いママと、小学生のお嬢ちゃんのやり取りだ。
普段は、可愛い子なのだけれど、虫の居所が悪いと、母親に食って掛かる。
母親も、黙っていない。 対等に親子喧嘩が始まるそうだ。
先日は、「行きたくない!」と、泣きながら抗議していたそうな!
ママは、理由も聞かずに、「遅れるでしょう! 早く行きなさい!」と。
あの泣き方は尋常ではない。 もしかして、学校で、いじめに…と、主人は危惧している。
が、他人様がそこまで踏み込むのはおせっかいと言うものだろう…。
私は、はるか昔の自分と母を思いやった。
母は、若くして亡くなってしまったが、その短い人生を、太く短く、華々しく生きた人だ。
女性の人としてのたしなみは優れていたし、父の商売の相方としても才を発揮してたし…。
母親としての子供の教育も熱心だったし…。
でも、母の良さが理解でき、尊敬できるようになったのは私が成人してからの話。
それまでは、始終、些細なことで、母とやり合っていた。
それを見てた父が、
「お前らは、まるで百舌だな…」と。
百舌は、キィー、キィ、キッ、キッ、キチキチ…と、甲高い声で鳴いてばかりいるそうな。
父は、母と私との言い合いを百舌に例えたのだろう。
近所のお嬢ちゃんも、きっと、いつか、教育熱心な母親の心根を汲み取ることが出来ることだろう…。
頑張れ❣