雨降りの静かな昼下がり。
インターフォンの音がして、画面の中には、近所のお宅のご主人の姿が見える。
主人に出てもらったところ、しばらくして、手に何やら箱をもって部屋に入ってきた。
見ると、高級なお茶の缶だ。
「植木を切ったお礼だって…」
「あれまぁ~。 高いことついちゃったね!」
主人の趣味は園芸だ。
それも花つくりより、舅の残した庭の植木を、マメに剪定することが、唯一の楽しみなのだ。
ひがな一日、庭に出てるから、可哀そうに雑草も、生える時がない。
だから、庭は、なめるようにきれいだ。 ^^) _旦~~
昨今は、植木屋さんも入れるとなると馬鹿にならない。
それに、小さな樹木などは、片手間仕事の所為か、あまり、いい顔をしないそうだ。
そこで、素人のご主人が切り出したのだが…。
道具もそれほどないうえに、はしごも短く、見るに見かねて、主人が手を貸したそうだ。
素人だけれど、そこは、毎日やってる主人のことだ。
プロには劣るだろうが、それなりに伐採できたそうだ。
その時の、お礼に、お見えになったのだろう…。
わが町内は、ご多分に漏れず、老人が多くなった。
お若い人も、越していらしたが、現役時代は、それなりに忙しいし、今の方たちは、あまり、植木に興味が無いようだ。
老人の手に余る植木が、主人で少しでもお役に立てれれば…と、したことなのだが…。
最近は、あちらこちらから、お声がかかる。
金銭は、一切、いただかないと厳命してるのに…。
ジュースやら果物やら…、何かと頂いてしまう。
シルバー人材派遣にでもお頼みしたほうがいいと思うのだが…。
あちらも、共同作業のおしゃべりが楽しいのかもしれない。 ^^) _旦~~