あと10日、経つと弟の誕生日だ。
ちょうど、その日は、朝鮮動乱の日。
小さな商店(非鉄金属商)を経営していた父にとっては、追い風も追い風。
一生分を稼ぎ出し、後の人生は、その余禄で食べていたようなものだ。
女の子二人の後の初めての男の子だったから、父の喜びはすごかった。
それでも、弟は難産で、急きょ、帝王切開に踏み切った。
まだ、それほど一般的でなかった帝王切開だ。
母の万一のことを考えて、父は医師に言ったそうだ。
「上に、娘が二人います。 万一の時は、母親のほうを助けてください!」
母無し子にはしてはならない…と言う、父の苦渋の決断だ。
医師の腕が良かったのか、弟の運が強かったのか…。
母子ともども、無事に生還した。!(^^)!
母は、弟を産んでから、体調を悪くして、ちょっと、病弱な人になってしまった。
それでも、〇〇商店は奥さんで持ってる…と言われるくらい、商売にも熱心な人だった。
弟とは、異性の姉弟の為、べったりと言うには程遠いが、義妹とは仲良しだ。
妹と同じように賢い人だけれど、義理の所為だろう…。
彼女が、「お姉さん! お姉さん!」と立ててくれるので、仲良く過ごしている。
小さくて、可愛かった弟も、去年、古希を迎えた。
亡き両親は、どんな思いで私たち子どもを見ていることだろう…。
来月は、父が亡くなってから15年。
月日の経つのは、早いものだ…。