福島県など東日本産コメのセシウムへの懸念が高まっています。特に,小さな子どもを持つ親などには飲み水と同じく,主食のコメも安全性に敏感にならざるを得ない重大事です。こうしたことから,西日本産のコメ,特に九州産のコメの需要が増えています。
▼宮崎産コシヒカリ-大人気
8月から本格的にスタートした早場米の宮崎県産コシヒカリの販売は過去数年にみられなかった好調な売れ行きでした。
▼鹿児島のコメ事情
東京電力福島第一原発の事故による供給不安から,鹿児島県産米に対する需要が高まり,民間の卸業者が高値での集荷に奔走しています。鹿児島JAも,県内消費分のコメを確保しようと対抗しています。
早期米地帯として知られる南さつま市金峰町。収穫期を迎えた7~8月上旬,「コメを売ってほしい」という電話や訪問が農家に相次ぎました。福岡や大阪など県内外の卸業者がコメの確保に走り回っていたのです。
JA県経済連が定めた普通期米の集荷目標量は,およそ2万1千トン。早期米の集荷量は,卸業者にコメを買い取られたため計画の8割ほどにとどまりました。そのため,JA県経済連は県内の各JAと連携し,コメの確保に向け「特別推進班」を編成し,100トン以上を生産する大規模農家をこまめに訪問し,JAに出荷してもらえるよう働きかけています。
▼大分県-作況指数は3年ぶりに平年を上まわる
九州農政局大分地域センター発表の大分県内の2011年産水稲の作況指数(平年作=100)を上まわる102の「やや良」でした。日照不足などにより穂数はやや少ないが,穂当たりのもみ数が多くなったため,10アール当たりの予想収量は平年よりやや多い515キロ。08年(103)以来3年ぶりに作況指数が100を上回りました。